目次

  1. もめがちな二次相続のパターンとは
  2. 二次相続のトラブルを回避するには
  • お兄ちゃん、言っておくけど、長男だからって、お父さんとお母さんの遺産を独り占めしないでね。家父長制は過去のものですから。

    長女・花子
  • なんだよ、いきなり。

    長男・太郎
  • そうよ、お父さんだけでなく私まで死んだときの話なんて。

    母・正子
  • 会社の友だちで実際にいるの。ご両親の死後、お兄さんが大部分の財産を相続して、わずかしか分けてもらえなかったって。

    花子
  • 両親のどちらか一方が亡くなった際の相続が「一次相続」、もう一方が亡くなった際の相続が「二次相続」です。二次相続は一次相続に比べるともめやすいと言われます。

    ソーゾク博士
  • どうしてですか?

    太郎
  • 一次相続は存命の親と子どもが相続人ですが、二次相続は子のみ。子同士だと親の手前我慢していたことも主張し感情的になりがちですが、仲裁する親がいないためです。

    博士
  • もめ事になりがちなパターンってあるんですか?

    花子
  • 不動産の分け方ではもめがちです。家を売却して代金を分けようとしても、そこに住んでいる子がいれば売却は難航します。売ることに支障はなくても、売却金額など条件面できょうだい間の折り合いがつかないこともあります。売却せずに1人が所有するなら、他のきょうだいに支払う代償金が準備できないと難しいでしょう。

    博士
  • 友だちは残されたお母さんの介護に最期まで尽くしたのに、お兄さんは何もしなかったんですって。

    花子
  • いわゆる「寄与分」の問題ですね。他には、同居していた子が、他のきょうだいから遺産隠しや使い込みを疑われるということもありがちです。また、二次相続は一次相続に比べて相続税が高くなりやすく、これももめる原因の一つです。

    博士
  • どうして高くなりがちなの?

    正子
  • 一次相続では、配偶者控除によって「1億6千万円」または「配偶者の法定相続分相当額」のどちらか多い金額までは、存命の親に相続税がかかりません。しかし二次相続では配偶者控除は使えません。また、残された親の死亡によって法定相続人の数が減る二次相続では、相続税の基礎控除の金額も減ります。

    博士
  • 親亡き後に相続でもめるのはいやだな。親が事前にできることは?

    太郎
  • 遺言書作成ですね。遺産の分け方だけでなく、その分け方にした理由もあると子は納得しやすいでしょう。生前贈与で財産を子に移しておくことも相続税対策として有効です。

    博士
  • 私がどんな事前対策をしても、太郎と花子はもめそうね……。

    正子
  • いったんもめて円滑な話し合いができなくなってしまった場合は、弁護士に介入してもらい、遺産分割協議の交渉を依頼するのが得策です。

    博士

■「二次相続」はもめやすい

・親亡き後、子同士が感情的な主張をしがち
・親の遺言書がトラブル回避の一助に

(今回のソーゾク博士=川崎相続遺言法律事務所弁護士・勝本広太さん、構成=相続会議編集部)

(記事は朝日新聞土曜別刷り紙面「be」に掲載した内容を基に掲載しています。2022年7月1日時点での情報に基づきます)