ゴルフ会員権や貴金属類、美術品も相続財産

  • 父さんがのこしてくれる財産って、築年数がほとんど僕の年齢と同じこの古い家と車、預貯金くらいしかないよね。

    長男・太郎
  • 「しかない」って……。お前が生まれたのを機に母さんと相談してこの家を建てたんだ。夫婦で仕事に子育てに頑張っていたよな。

    父・一郎
  • 懐かしいわね。お父さんが亡くなった後、私はこの家をもらって、最期をここで迎えるわ。

    母・正子
  • じゃあ、僕と妹がもらえるものって何だろう。博士、相続できる財産ってどんなものでしょう。

    太郎
  • 相続財産には現金や預貯金、不動産のほか、株式や投資信託、債券などの有価証券、ゴルフ会員権や車、貴金属類や美術品などの家庭用財産があります。

    ソーゾク博士
  • リビングに絵が飾ってあるよね。かなり古いけれど、描いてくれた画家さん、有名になっていて、高くなっていたりしないの?

    太郎
相続で引き継ぐ財産
相続で引き継ぐ財産
  • あ、あの絵ね。私が若い頃描いたものよ。価値あるかしら?

    正子
  • なんだよ。母さんが描いた絵じゃ価値ないよ。古い掛け軸とか、骨董品とかないかなぁ。

    太郎

純金のおりんなら、非課税財産になる!?

  • 太郎さん、相続財産といっても、価値のあるプラスの財産ばかりを引き継ぐわけではありませんよ。マイナスの財産、例えばローンなどの負債も相続の対象になります。一郎さんに借金があった場合、相続人が引き継ぐことになるので、マイナスの財産がないかどうかも確認しておきましょう。

    博士
  • えー! 父さん、まさか借金なんかしていないよね。

    太郎
  • 住宅ローンはようやく終わったし……。借金はないよ。

    一郎
  • マイナスの財産には借り入れ以外にも払っていない税金や医療費、公共料金、家賃なども含まれます。これらを引き継げば、相続人が支払う義務を負います。相続税は、プラスの財産からマイナスの財産を差し引いて計算します。
    また、一郎さんが亡くなった場合に遺族に支払われる死亡保険金や死亡退職金も相続で得た財産とみなしてプラスの財産に加えます。ただし、この「みなし相続財産」を相続人が受け取る場合には、500万円×法定相続人の人数分の金額は非課税になります。亡くなった人の通夜・葬儀にかかった費用も相続財産から差し引くことができます。

    博士
  • 車やゴルフ会員権まで相続税の対象になるのね。逆に相続税がかからない物って何かしら。

    正子
  • 仏壇や仏具、お墓などを引き継いでも非課税です。

    博士
  • おっ、じゃあ、金ののべ棒を買う代わりに純金製のおりんや仏像を買えば、節税できますね。

    一郎
  • 何でも仏具にすればいいわけではありません。非課税となるのは、日常的に使うものです。おりんであったとしても、高価なものを投資目的で購入して、大事にしまっておけば、課税対象になります。

    博士
  • 父さん、ビットコインとか買っていて、値上がりしてないの?

    太郎
  • ビットコインって何だ?

    一郎
  • 注意したいのが、家族が気づきにくい財産です。ネット銀行の預金やネット証券の株式、あるいは仮想通貨(暗号資産)などは本人しか存在がわからないものもあります。まずは一郎さんの財産をすべて書き出してみましょう。

    博士

今回の記事のまとめ

・相続財産には現金や預貯金、不動産、有価証券、車のほか、貴金属類や美術品などを含む

・ローンなどの負債も相続の対象になる

・死亡保険金や死亡退職金も相続で得た財産とみなしてプラスの財産になる

・仏壇や仏具、お墓などを引き継いでも非課税になる

(今回のソーゾク博士=税理士相原仲一郎さん、構成=相続会議編集部)

(記事は朝日新聞土曜別刷り紙面「be」に掲載した内容を一部改変して掲載しています。2021年7月1日時点での情報に基づきます)