相続した実家を調べたら、10人以上が共同所有者になっていた・・・ということもあり得ます。そうなると、相続登記を進めるには一苦労です。親族間でトラブルを抱えていると、なおさら道のりは険しくなります。気になる方には、司法書士への相談・依頼がお勧めです。

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  • 相続登記の義務化って、そもそもどうして今なんだろう?

    長男・太郎
  • 手続きも難しそうね。私たちが天国に行ったら、この家の登記はどうなるのかしら。ソーゾク博士に聞いてみたいわ。

    母・正子
  • お呼びですかな? 背景には「所有者不明土地」という社会問題があります。所有者の連絡先が分からない土地や、登記が更新されず相続人が多くなりすぎたりして所有者が誰だかわからない土地のことを言います。実は国内のこうした土地をまとめると、九州本島の面積を上回っているのです。

    ソーゾク博士
  • えぇっ! そんなに!

    太郎
  • 弊害も様々です。公共事業を進めようにも、所有者を探すだけで手いっぱい。災害時には復興に向けた用地取得も難しくなるのです。

    博士
  • なんだ、なんだ。大事そうな話をしているな。

    父・一郎
  • お父さん、この家の登記はどうなっているか覚えている?

    正子
  • いや、急にそんなこと言われてもなぁ……。

    一郎
  • これまで相続登記をしなくても罰則を受けなかったので、相続しても登記していない人が多くいました。意識することの少ない手続きなので忘れられがちだったんです。

    博士
  • 義務化で何が変わる?

    太郎
  • 国の法改正に伴い、2024年4月に相続登記の義務化が始まります。このほか、登記義務のある人が何らかの事情で直ちに登記できない場合に、相続人であることを法務局に名乗り出れば、義務を果たしたものとみなされる制度も始まります。

    博士
  • 相続登記の具体的な手続きも教えてもらえませんか?

    正子
  • 遺言書の有無などによっても必要書類が違います。遺言書があった場合だと、一般的なケースでは次のような書類が必要です。①遺言書②検認調書または検認済証明書(公正証書遺言や自筆証書遺言の法務局保管を利用している場合は不要)③被相続人の戸籍謄本(死亡が確認できるもの)④被相続人の住民票の除票⑤不動産を相続する人の戸籍謄本⑥不動産を相続する人の住民票⑦遺言執行者の選任審判書謄本(遺言書で遺言執行者が選任されている場合は不要)の7種類です。

    博士
相続登記は必要な書類を集めて法務局で手続きを済ませなくてはいけません
相続登記は必要な書類を集めて法務局で手続きを済ませなくてはいけません
  • けっこう多いんだなぁ。

    太郎
  • 実際には個別の事例で必要な書類は異なります。また、登記申請書も作って法務局で手続きを済ませないといけません。注意しないといけないのは数世代にわたって相続登記をしていないケースです。たとえばAさんが亡くなり、子どものBさん、Cさん、Dさんがいた場合、遺産分割協議を経て不動産の持ち主を決めないと、子どもがそれぞれ所有権を持ったままの状態になります。その後、世代が変わっても登記をしないと、所有権はさらにその子どもたちに引き継がれるのです。

    博士
  • どんどん所有者が増える。

    一郎
  • 実際に所有者が数十人に膨れあがる事態も起きています。登記の義務化までまだ時間はあります。ですが、後回しにするのではなく、まずは法務局に行って現状を調べておいたほうがいいでしょう。

    博士
  • 心配になってきた。今度、法務局に行って確認してこよう……。

    一郎

今回の記事のまとめ

2024年4月に相続登記の義務化がスタート

・数世代にわたって相続登記していないケースは注意が必要

・不安を感じたら、まずは法務局で登記の確認を

今回のソーゾク博士=司法書士今川嘉典さん、構成=相続会議編集部

(記事は記事は朝日新聞土曜別刷り「be」に掲載した内容を基に掲載しています。2022年9月1日時点の情報に基づいています)

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