法定相続人の相続順は子ども、親、きょうだい

  • このまえ、会社の同期の父親が亡くなって、相続が大変だってぼやいていたよ。父さんが死んでも、僕は仕事で忙しいから、母さんが手続きをやってよね。

    長男・太郎
  • おいおい、俺がそろそろ逝くみたいなこと言うなよ。久々に家に戻ってきて、いきなり縁起でもないこと言うんじゃないよ。

    父・一郎
  • でも、お父さんが死んだら、相続って誰がするのかしら。妻の私と太郎でしょ。長女の花子もそうよね。ソーゾク博士、教えて!

    母・正子
  • 亡くなった人の財産を相続する人を相続人といいます。民法が定める法定相続人には、亡くなった人の配偶者はもちろん、血のつながった人がなります。養子縁組をしている人も相続人になります。

    ソーゾク博士

法定相続人が相続する際の優先順位
法定相続人が相続する際の優先順位

  • 血がつながった人なんて言えば、一郎さんのお父さんやお兄さん、いとこだっていますよね。

    正子
  • 法定相続人が相続するには優先順位があります。1位は子ども、2位は父母、3位は兄弟姉妹になります。1位の人がいれば、2位以下の人たちに相続権はありません。配偶者は常に相続人になります。

    博士
  • じゃあ、僕の子どもだって父さんと血のつながった孫なんだから、相続人になるってことかな。

    太郎
  • 一郎さんが亡くなった時に、すでに長男の太郎さんが亡くなっていた場合には孫に相続する権利があります。すでに亡くなっている相続人に代わって相続するという意味で「代襲相続」といいます。

    博士
  • ちょっと、僕が父さんより先に亡くなるなんて、それこそ縁起でもないこと言わないでくださいよ。

    太郎
  • ほら、自分が死んだ時のことを考えるなんて嫌なものだろう。

    一郎
  • そうですよね。でも、相続はやがて必ずやってくることです。「縁起でもない」と言えるうちに話し合っておくことが大切です。

    博士

常に相続人になる配偶者 ただし法律婚に限定

  • 結局、わが家の場合、誰が相続人になるのかしら。

    正子
  • 朝日さんのお宅の場合、一郎さんが亡くなったら妻の正子さんと2人のお子さんが相続人になります。一郎さんのお父さんやお母さんが健在でも、相続人にはなりません。

    博士
  • 配偶者は必ず相続人になるというけれど、友人の中には事実婚のカップルもいるよ。

    太郎
  • これからは事実婚を選ぶ人も増えるでしょうね。同性婚を認める自治体も増えてきていますよね。

    正子
  • 残念ですが、民法は法律婚をした夫婦だけを「夫婦」と認めているため、相続人になれる配偶者は法律婚をしている場合だけなのです。

    博士
  • もしも私たちが離婚したら、私は一郎さんの相続人ではなくなるってことですよね。

    正子
  • おいおい、また縁起でもないこと言うね。

    一郎
  • 仮によ、仮の話。

    正子
  • はい。離婚した夫婦の場合、互いに相続人でなくなります。仮の話ついでに言うと、一郎さんが別の女性との間に子どもがいて認知していれば、その子も相続人になります。

    博士
  • ちょっと、博士まで何を言い出すんですか。

    一郎
  • 家族で一度「わが家の相続人の図」を描いてみるとわかりやすいかもしれないね。

    太郎

今回の記事のまとめ

・法定相続人には優先順位がある
・第一順位は子、第二は親、第三は兄弟姉妹
・第一順位の人がいれば、次の順位の人に相続権はない
・配偶者は常に法定相続人になるが「法律婚」に限る

(今回のソーゾク博士=弁護士法人Y&P法律事務所の代表弁護士、平良明久さん、構成=「相続会議」編集部)

(記事は朝日新聞土曜別刷り紙面「be」に掲載した内容を基に掲載しています。2021年7月1日時点での情報に基づきます)