更新日:
公開日:
父さんが亡くなったら相続するのは誰? 法定相続人の優先順位を一覧で解説
連載「わが家の相続会議」では「相続会議」で記事を書いている専門家が、相続について特に大事な話題を朝日さん一家の会話を通じてわかりやすく解説します。さて、朝日さんの家では、一郎と正子夫婦がくつろいでいるところに、久しぶりに長男・太郎が顔を見せます。一郎が亡くなったら誰が相続人になるのかという疑問がわいてきました。近くに住む相続に詳しいソーゾク博士が答えてくれました。今回の記事を監修してくれたソーゾク博士は、弁護士法人Y&P法律事務所の代表弁護士、平良明久さんです。
相続人調査に詳しい弁護士を探す
北海道・
東北
関東
甲信越・
北陸
東海
関西
中国・
四国
九州・
沖縄
法定相続人の相続順は子ども、親、きょうだい
-
このまえ、会社の同期の父親が亡くなって、相続が大変だってぼやいていたよ。父さんが死んでも、僕は仕事で忙しいから、母さんが手続きをやってよね。
-
おいおい、俺がそろそろ逝くみたいなこと言うなよ。久々に家に戻ってきて、いきなり縁起でもないこと言うんじゃないよ。
-
でも、お父さんが死んだら、相続って誰がするのかしら。妻の私と太郎でしょ。長女の花子もそうよね。ソーゾク博士、教えて!
-
亡くなった人の財産を相続する人を相続人といいます。民法が定める法定相続人には、亡くなった人の配偶者はもちろん、血のつながった人がなります。養子縁組をしている人も相続人になります。
-
血がつながった人なんて言えば、一郎さんのお父さんやお兄さん、いとこだっていますよね。
-
法定相続人が相続するには優先順位があります。1位は子ども、2位は父母、3位は兄弟姉妹になります。1位の人がいれば、2位以下の人たちに相続権はありません。配偶者は常に相続人になります。
-
じゃあ、僕の子どもだって父さんと血のつながった孫なんだから、相続人になるってことかな。
-
一郎さんが亡くなった時に、すでに長男の太郎さんが亡くなっていた場合には孫に相続する権利があります。すでに亡くなっている相続人に代わって相続するという意味で「代襲相続」といいます。
-
ちょっと、僕が父さんより先に亡くなるなんて、それこそ縁起でもないこと言わないでくださいよ。
-
ほら、自分が死んだ時のことを考えるなんて嫌なものだろう。
-
そうですよね。でも、相続はやがて必ずやってくることです。「縁起でもない」と言えるうちに話し合っておくことが大切です。
常に相続人になる配偶者 ただし法律婚に限定
-
家族で一度「わが家の相続人の図」を描いてみるとわかりやすいかもしれないね。
今回の記事のまとめ
・法定相続人には優先順位がある
・第一順位は子、第二は親、第三は兄弟姉妹
・第一順位の人がいれば、次の順位の人に相続権はない
・配偶者は常に法定相続人になるが「法律婚」に限る
さて。今回の「わが家の相続会議」はいかがでしたでしょうか?
法定相続人には順位があり、第一順位の人がいれば次の順位の人には相続権はないというのが基本的な考え方になります。
ただ、法定相続人の概念をきちんと認識できていても、いざ相続のシーンになると、第二順位以降の方にも遺産を遺したいと遺言書に書かれているケース、法定相続人の第一順位の人と連絡が取れないケース、相続発生後に突然新たな相続人の存在が明らかになるケースなど、予想外のことが発生する場合があります。
相続ではまず「相続人調査」をして、相続人が誰かをきちんと確定させた上で、トラブルにならないよう遺産分割を進める必要があります。相続人調査は戸籍謄本や除籍謄本などを集めなければならず、骨の折れる作業です。相続人調査は弁護士や司法書士に依頼することも可能ですので、相続が発生したらまずこれらの専門家に相続人調査について相談してみるとよいでしょう。
(今回のソーゾク博士=弁護士法人Y&P法律事務所の代表弁護士、平良明久さん、構成=「相続会議」編集部)
(記事は朝日新聞土曜別刷り紙面「be」に掲載した内容を基に掲載しています。2021年7月1日時点での情報に基づきます)
相続人調査に詳しい弁護士を探す
北海道・
東北
関東
甲信越・
北陸
東海
関西
中国・
四国
九州・
沖縄