おひとりさまの備え 遺言書を残して寄付や死後事務委任も検討を
朝日さん一家は今月、相続に関連する備えについて学んでいます。今回は、相続人が誰もいない「おひとりさま」が亡くなった後の財産や死後の手続きをソーゾク博士に聞きます。今回、記事を監修してくれる「ソーゾク博士」は遺贈寄附推進機構・齋藤弘道さんです。
朝日さん一家は今月、相続に関連する備えについて学んでいます。今回は、相続人が誰もいない「おひとりさま」が亡くなった後の財産や死後の手続きをソーゾク博士に聞きます。今回、記事を監修してくれる「ソーゾク博士」は遺贈寄附推進機構・齋藤弘道さんです。
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最近は、1人の暮らしを満喫している「おひとりさま」もいるわ。
一人旅とかして、うらやましいなぁと思っているんだろ。
自分だけに時間が使えるのって、ちょっとうらやましいわ……。でも、配偶者や子だけでなく、親やきょうだいもいない場合、その人の遺産は誰が相続するのかしら。
法定相続人がいない場合、遺産は最終的に国の財産、国庫に入ります。
国の財産になるのはいいけれど、私の遺産は、若者の教育費にあててほしいとか、注文できるのかしら。
国庫に入るお金の使い道を指定することはできません。ただ、遺言書を残して、国ではなく自分が支援したい公益団体や学校法人などに遺産を寄付することはできますよ。
相続人がいても、遺産の一部を寄付することもできますか?
できますよ。遺言書に団体へ財産を寄付する意思を書いておく遺言による寄付のほか、エンディングノートなどに寄付したいという意思を示し、相続人が故人の遺志を継いで寄付する方法もあります。
生前にしておくことは、どんなことでしょうか。
おひとりさまの場合、どんな団体に遺産を寄付したいのかを決め、遺言書にどの財産をどの団体に寄付したいのかを書いておきましょう。ただし、不動産など現金以外の財産を寄付したくても、受け付けてもらえない場合があります。寄付先がはっきりしている場合は、団体に問い合わせてみるといいでしょう。遺言書の内容を実行してくれる遺言執行者を遺言書で指定することも重要です。
おひとりさまである場合、ほかに注意することはありますか。
亡くなった後の手続きへの備えです。行政への届け出などの手続きを第三者に頼むことを「死後事務委任」といいます。
どんな人に頼めるんだろう。
弁護士や行政書士ら専門家や、死後事務委任を引き受ける団体があります。行政への死亡届や火葬・埋葬、葬儀を葬儀社に手配する手続きのほか、公共料金の解約や自宅の片付けなどを契約により依頼できます。
重要な手続きだけに、本当に信頼できる人に託す必要がありそう。
そのためにも早めに依頼する専門家や団体を探すなど、準備を進めるといいでしょう。
・相続人がいないと遺産は国庫に。遺言書を残して公益団体などに寄付できる
・死後事務委任契約を検討する
さて、今回の「わが家の相続会議」はいかがでしたでしょうか?
「おひとりさま」の方で、亡くなった後の財産や手続きについて心配があれば、弁護士ら専門家に相談することを検討して下さい。
(今回のソーゾク博士=遺贈寄附推進機構・齋藤弘道さん、構成=相続会議編集部)
(記事は朝日新聞土曜別刷り紙面「be」に掲載した内容を基に掲載しています。2022年1月1日時点での情報に基づきます)
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