目次

  1. 1. 遺言書を専門家に無料相談した方がいい理由
  2. 2. 遺言書の無料相談ができる窓口6選
    1. 2-1.【お勧め】弁護士などの専門家事務所
    2. 2-2. 公証役場
    3. 2-3. 法テラス
    4. 2-4. 各専門家の連合会
    5. 2-5. 自治体の法律相談窓口
    6. 2-6. NPO法人
  3. 3. 遺言書の無料相談窓口をうまく活用するポイント
  4. 4. 遺言書の無料相談はどの専門家にすべき?
    1. 4-1. 弁護士|相続トラブルを防ぐ遺言書を作成したいなら
    2. 4-2. 司法書士|不動産への対処についてアドバイスがほしいなら
    3. 4-3. 行政書士|遺言書の体裁に不備がないかを確認したいなら
    4. 4-4. 税理士|相続税を踏まえて遺言の内容を検討したいなら
  5. 5. 遺言書の無料相談を専門家事務所にする際の流れ
    1. 5-1. 事務所への問い合わせ
    2. 5-2. 無料相談の実施
    3. 5-3. 遺言書作成を正式に依頼
  6. 6. 遺言書の作成を各専門家に依頼した際の費用報酬相場
  7. 7. 遺言書の無料相談でよくある質問
  8. 8. まとめ 遺言書を作成するなら、専門家に相談を

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遺言書の作成を専門家に相談した方がいい理由は主に2つあります。

ひとつ目は「ルールを守って作らないと無効になってしまう」ことです。専門家のアドバイスを受けて遺言書を作成することで、せっかく作成した遺言書が無効になることを防げます。

ふたつ目は「遺言書の内容を明確にすることができる」ことです。有効になる要件を満たした遺言書を作成できたとしても、少し表現が異なるだけで法的に異なる効果・解釈の遺言書になってしまう場合があります。

例えば「相続させる」「遺贈する」「まかせる」など、これらはどれも日常用語的には似たような意味で捉えられる言葉ですが、法的には異なる効果や解釈になり得ます。また、遺言書の内容が多義的であったり、あいまいな表現だったりすると、その解釈をめぐって関係者でトラブルに発展することもあります。せっかく遺言書を作成したのに、ご自身の意図とは異なる解釈や効果になってしまったり、かえってトラブルの引き金になってしまったり、ということがないように、専門家のアドバイスを受けた上で作成されることをおすすめします。

以下では、遺言書の無料相談ができる各窓口について、その特徴などをご紹介します。

遺言書の無料相談窓口のそれぞれの特徴
専門家事務所 公証役場 法テラス 専門家の連合会 自治体の
法律相談窓口
予約 基本は必要 必要 必要 基本は必要 基本は必要
面談 面談は
有料なことも
電話 一部○ × × 一部 一部
遺言書の
作成
× × ×
無料相談
回数
1回 上限なし 3回 各会によって
異なる
各自治体によって
異なる
担当者 弁護士
司法書士
行政書士等
公証人 弁護士
司法書士
弁護士
司法書士
行政書士等
弁護士
司法書士
行政書士等
相談できる
内容
弁護士であれば
制限はなし
公正証書遺言
作成に関する内容
弁護士であれば
制限なし
弁護士であれば
制限なし
弁護士であれば
制限なし

遺言書に関する相談は、弁護士などの専門家にするのがおすすめです。遺言書に関する外形的な要件を満たしているか確認したいだけなら、他の窓口でも十分です。しかし、個別の事情に応じた遺言書の内容まで確認または作成してもらいたいのであれば、専門家、特に弁護士に相談すべきでしょう。

弁護士などの専門家の事務所の中には、遺言書の無料相談を受け付けているところがあります。無料で相談できる回数や時間は事務所によって異なりますが、初回のみの30分から1時間程度としていることが多いです。

無料相談でしきれなかった相談については有料で別途行うこともできますし、遺言書の作成を依頼することもできます。他の相談先よりも個別具体的な遺言書の中身に関する対応をしてもらえるでしょう。

公証役場では、公正証書遺言を作成するために必要な相談をすることができます。相談費用は無料で、相談回数の制限もありません。

あくまで、公正証書遺言を作成するための相談ですので、当然ながら自筆証書遺言に関する相談はできません。また、どのような遺言の内容にすればトラブルを防げるかといった、遺言書の内容に関する個別的なアドバイスを受けることはできません。

各地の法テラスでは法律相談窓口を開設しており、遺言書の相談をすることができます。

ただし、無料で相談できるのは、資力基準(収入と資産が所定の額以下であること)を満たしている人のみで、回数は3回までです。また、相談を担当する専門家はランダムで決まるため、必ずしも相続に詳しい専門家が担当になるとは限りません。

資力基準の詳細は法テラスのWebサイトに記載されていますので、事前によく確認しておきましょう。

弁護士会や司法書士会など専門家の連合会の多くは法律相談窓口を開設しており、遺言書の相談をすることができます。無料で相談できるのは、10分から15分程度の電話相談のみに限られていることが多く、対面での相談は有料であることが通常です。また、相談を担当する専門家はランダムで決まります。

利用可能な居住地域が限られるなど、利用できる条件や相談時間は各会によって異なるため、事前によく確認しておきましょう。

多くの自治体では法律相談窓口を開設しており、その自治体と提携している弁護士ら専門家に、遺言書の相談をすることができます。対面での無料相談も可能であることが通常ですが、多くの相談に対応するために相談時間が短めに設定されていることもあり、20分程度のところもあります。また、担当する専門家が必ずしも相続に精通しているとは限りません。

相談回数の制限など、利用できる条件や相談時間は各自治体によって異なるため、事前によく確認しておきましょう。

一部のNPO法人では、遺言書の無料相談を受け付けています。電話・Web・対面などの相談の方法は各NPO法人によって異なっており、また、臨時の無料相談会を実施しているところもありますので、事前によく確認しておきましょう。

時間や回数に限りがある中で充実した相談をするには、ご自身の事情を簡潔に、わかりやすく伝えることが必要です。そのために、以下の資料を事前に作成しておくことをおすすめします。

  • 相続人に関する資料
  • 相続財産に関する資料

相続人に関する資料について、遺言書の内容を検討するには「誰が相続人になり得るか」「その法定相続分はどれくらいか」を把握する必要があります。家系図(相続関係図)のようなものを作成しておくと「誰が相続人になり得るか」「それぞれの取り分の目安」が一目でわかるため、相談がスムーズになります。

次に、相続財産に関する資料について。遺言書の内容を検討するには「どのような相続財産が」「いくらあるか」を把握する必要があります。預貯金や株式などの金融資産、不動産、高価な貴重品などの財産ごとに、それぞれどれくらいの金額であるかを事前にまとめておくと相談がスムーズに進みます。

さらに「介護を担ってくれる長女には多めに相続させたい」「親不孝の次男には、できる限り相続させたくない」など相続財産の分け方について具体的な要望があれば、相談時に明確に伝えるようにしましょう。

紛争のことまで踏まえた具体的なアドバイスを受けるのであれば弁護士がおすすめです。

弁護士は法律全般の専門家です。他の専門家と異なり、紛争の金額を問わず、相手方との交渉や調停、訴訟等の代理を取り扱っています。

そのため、弁護士は実際の紛争事例を基にして、相談者が抱える事情も踏まえ、相続の際にどのようなトラブルが起きる可能性があるのか、どのような内容の遺言書を用意しておけばそのトラブルを防げるのか、といった視点から具体的なアドバイスをしてくれます。

遺言書を書かれる方の多くは、多かれ少なかれ自身の相続がきっかけで紛争が起きることは避けたいと考えているのが通常かと思いますので、この観点からしても弁護士のアドバイスを受けておく方が望ましいと考えます。

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司法書士は登記に精通している専門家です。したがって、相続財産の多くが不動産であるとか、実際の権利関係と登記にズレがある場合など、遺言書に関する事項のうち、不動産に関して検討しておきたい場合には、司法書士に相談するとよいでしょう。

【関連】遺言書作成を司法書士に依頼するメリット 費用、完成までの流れ、司法書士の選び方も解説

行政書士は法的な書類の作成に関する専門家です。弁護士のように紛争等の経験を踏まえたアドバイスは受けられないものの、弁護士と比べて報酬が安く設定されていることが多いです。遺言書の内容はすでにご自身で決められていて、その内容も複雑ではない定型的なものである場合などに、念のためのチェックとして行政書士に相談することが考えられます。

税理士は税に精通している専門家です。相続の際にかかる相続税に関するアドバイスを受けることができます。税理士は遺言書の内容についての相談を受けることはできませんが、遺言書の内容を検討する際に、相続の際にかかる相続税も踏まえておきたい場合などは、税理士に相談しておくと良いでしょう。

以下は、遺言書を含む相続について、弁護士、司法書士、行政書士に相談、依頼できる内容をまとめましたので、参考にしてください。

専門家ごとの相続で依頼できる内容
弁護士 遺言書や相続に関する全般(制限なし)、相続トラブルへの対応は弁護士のみ
司法書士 相続財産の調査、相続人の調査、相続登記、遺言書の作成(登記に関する)、
遺産分割協議書の作成(登記に関する)、公正証書の作成
行政書士 相続財産調査、相続人調査、遺言書の作成、遺産分割協議書作成
税理士 相続税、生前贈与

対面での相談を前提とした無料相談の流れについて、一例を紹介します。事務所によっては、オンラインや電話、メールでの無料相談を受け付けているところもありますので、自身のニーズに合った事務所に相談するとよいでしょう。

まず無料相談を受け付けている専門家事務所に、電話やメール、Webサイトのフォームなどで問い合わせをします。無料相談を受け付けているか否かは、Webサイトなどでわかることが多いです。

相談内容を簡単に伝えた上で、 相談の日程を調整するという流れが一般的です。

約束の時間に事務所に行き、無料相談を受けます。相談では「相続に関する事情」「遺言書を作成したい理由」「遺言書の内容についての希望」などを簡単に相談者から説明してもらった後、専門家が適宜質問をしてやり取りを進めることが一般的です。

「3. 遺言書の無料相談窓口をうまく活用するポイント」で紹介した資料を用意しておくと、前提事情の説明に要する時間を短くすることができ、具体的な相談により多くの時間を割くことができます。

やり取りの中で、専門家から遺言書の内容についての方針・アドバイスを適宜受けます。この際に、正式に遺言書作成を依頼する際の報酬などの目安も伝えてもらえることが一般的ですので、引き続いて依頼をするかの検討材料にするとよいでしょう。

無料相談では、文案の作成といった遺言書の作成そのものについては対応していないのが通常です。しかし、正式に依頼すれば、遺言書の作成も頼むことができます。正式に依頼した場合の一般的な流れは以下のとおりです。

  1. 相談内容をもとにして専門家が原案を作成する
  2. 相談者においてその内容を確認し、修正したい点があれば依頼する
  3. 修正依頼に応じて専門家が遺言書の案を修正する
  4. 上記②③を必要に応じて繰り返す

無料相談では、遺言書に関する資料はご自身で集める必要がありますが、正式に依頼した後は、戸籍謄本や住民票などの遺言書の作成に必要な書類の収集も依頼できます。

また、費用は別途かかりますが、遺言執行者(ご自身の死後に遺言書の内容に従った手続きを行う者)についても、併せて依頼できることもあります。遺言執行者を用意することは必須ではないですが、ご自身の死後に相続人に手続きの手間をとらせたくない意向があるなどの場合には検討されてみるといいでしょう。

一般的な内容の遺言書の作成や、相続業務を依頼した際にかかる各専門家ごとの報酬のおおよその相場は以下のとおりです。

専門家に遺言書作成を依頼したときの費用相場
弁護士 相談料:30分/5千~1万円(初回無料のケースあり)
遺言書作成:10~25万円
司法書士 相談料:30分/5千円(初回無料のケースあり)
遺言書作成:5~20万円
行政書士 相談料:30分/5千円(初回無料のケースあり)
遺言書作成:5~20万円

相続財産が多い、複雑な内容であるなど、特殊な事情がある場合はこの限りではありません。必要書類の取得費用、公証役場で支払う費用といった実費は別途必要なことが多いです。

Q. 遺言書相談は電話でもできる?

窓口によっては電話での相談を受け付けているところもあります。ただし、電話では、相続人や相続財産にかかわる資料を確認することもできませんし、相談者が作成した遺言書をチェックすることもできません。そのため、一般的な質問に対する回答にならざるを得ないでしょう。

Q. 遺言書について24時間無料相談できる窓口はある?

相談自体に24時間対応している窓口は少ないです。メールでの問い合わせであれば、24時間受け付けていている窓口は多くなっています。また、多くの専門家事務所は事前に調整すれば夜間や休日でも、相談を受け付けています。

Q. 自筆証書遺言と公正証書遺言、どちらがいい?

手間はかかるものの、公正証書遺言の方が良いと考えます。証人が立会い、公証人が遺言者の意思を直接確認して作成するという厳格な手続で作成される公正証書遺言の方が、遺言書に関する争いが生じる事実上可能性が低くなるからです。

【関連】公正証書遺言とは? 作成の手順、費用、メリットを解説

遺言書に関して無料相談できる窓口を紹介しました。自分の死後、遺産は配偶者や子どもなどに相続されます。残された関係者が取り分をめぐって争いにならないよう、生前に遺言書を作成しておくのがおすすめです。

遺言書は法的な要件を満たしていないと有効にならないうえに、ちょっとした表現の違いで意味合いが変わってしまうこともあります。ですので、専門家のアドバイスを受けた上で作成すべきです。

弁護士、司法書士、行政書士といった専門家に相談するのが一般的で、初回相談を無料としている事務所もよく見られます。その他では、法テラスや各専門家の連合会、市役所などの自治体の相談窓口も利用可能です。

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(記事は2024年4月1日時点の情報に基づいています)

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