目次

  1. 1. 自筆証書遺言とは
  2. 2. 自筆遺書遺言の書き方
    1. 2-1. 自筆証書遺言のひな型
    2. 2-2. 財産を把握するために必要な書類
    3. 2-3. 紙やペン、縦書き横書き
    4. 2-4. 必ず自筆で書く
    5. 2-5. 要件
    6. 2-6. 財産目録の作り方
    7. 2-7. 遺言執行者をつけられる
  3. 3. 遺言で決められること
  4. 4. 自筆証書遺言の注意点
    1. 4-1. 加除訂正の方法
    2. 4-2. あいまいな表現はしない
    3. 4-3. 相続開始時までに財産がなくなった場合
    4. 4-4. 基本的に家庭裁判所の検認が必要
  5. 5. 専門家に作成をサポートしてもらうメリット
    1. 5-1. 無効になるリスクを避けられる
    2. 5-2. 遺言執行者を任せられる
    3. 5-3. 遺言内容も相談できる
    4. 5-4. 遺留分にも配慮できる
  6. 6. まとめ

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自筆証書遺言とは、遺言者が全文を自筆で書く遺言書です。タイトル、本文、日付、署名押印などすべて自筆で書かなければならず、パソコンや代書による作成はできません。完成した遺言書は基本的に自分で保管する必要がありますが、2020年7月10日からは法務局で保管してもらえる制度が始まります。

自筆証書遺言のメリット

・自宅で気軽に作成できる
紙とペンさえあれば、いつでもどこでも作成できます。思いついたときや空いた時間に自宅で気軽に遺言書を作成できるメリットがあります。
・費用がかからない
公正証書遺言の場合公証人の手数料等の費用がかかりますが、自筆証書遺言には作成費用がかかりません。法務局に預けると費用がかかりますが、1件3,900円で公正証書遺言より低額です。

自筆証書遺言の書き方をみていきましょう。

まずはひな型を示します。

自筆証書遺言のひな型

遺言書を作成するときには、どのような遺産があるのか把握する必要があります。事前に以下のような財産に関する資料を集めましょう。
● 不動産の登記簿(全部事項証明書)
● 預貯金通帳、取引明細書
● 証券会社やFX会社、仮想通貨交換所における取引資料
● ゴルフ会員権の証書
● 生命保険証書
● 絵画や骨董品など動産の明細書

紙の大きさや紙質に指定はありません。便せんでもA4サイズのノートやレポート用紙などでもかまいません。ペンも何でもよく、ボールペン、筆ペン、毛筆などを利用できます。ただし鉛筆やシャープペンシルは消えてしまいやすいので避けましょう。縦書き横書きの指定もないので、書きやすい方法で書いて問題ありません。

自筆証書遺言は「必ず自筆」で書く必要があり、代筆やパソコンの利用は認められません。ただし財産目録だけはパソコン作成や資料の添付によって代用できます。

自筆証書遺言は全文を自筆で書いて本人が署名押印しなければなりません。日付も自筆で書き入れる必要があります。間違ったときの加除訂正方法にも決められた要件があります。

遺言書には、どのような遺産があるのかを明らかにするための「財産目録」を作成してつけましょう。財産目録は資産内容と負債内容、合計額を示す「一覧表」です。自筆証書遺言であっても財産目録についてのみ、代筆やパソコンの利用が可能です。また預貯金通帳の写しや不動産全部事項証明書などの資料の添付でも代用できます。ただしパソコンや資料で代用する場合にはすべてのページに署名押印が必要です。

資産と負債をまとめた「財産目録」とは 遺産分割協議で必要な手続きを解説

遺言書で遺言執行者を指定しておくと、遺言内容をスムーズに実現できます。信頼できる相続人や弁護士などの専門家を指定しましょう。

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遺言書で定められる事項のうち、重要なものは以下の通りです。
● 相続分の指定
● 遺産分割方法の指定
● 相続人以外の受遺者への遺贈
● 寄付
● 一定期間の遺産分割の禁止
● 特別受益の持ち戻し計算免除
● 遺言執行者の指定
● 子どもの認知
● 相続人の廃除
● 生命保険金の受取人変更

自筆証書遺言を作成するときには、以下の点に注意しましょう。

間違ったときや内容を書き足したいときの「加除訂正」には法律の定めるルールがあります。まず間違った部分を二重線で消し、正しい文言を「吹き出し」を使って書き入れます。その上で余白部分に「2字を削除、4字加入」などと書いて署名押印します。修正テープを使ったり黒く塗りつぶしたりしてはなりません。署名押印が抜けても遺言書全体が無効になります。

財産を受け継がせたい相手には「取得させる」「相続させる」「遺贈する」などの文言を使いましょう。「渡す」や「譲る」などの表現は避けるのが無難です。また不動産や預貯金などの遺産内容は正確に特定しなければなりません。
不動産全部事項証明書の「表題部」を引き写し、預貯金については通帳などで支店名や口座番号を確認して間違えないようにしましょう。

遺言書を作成しても、相続開始後までに財産がなくなる場合があります。
そういったケースでは、失われた財産に関する遺言が部分的に無効になり、他の部分は有効となります。

自筆証書遺言を遺した場合、相続人たちは原則として家庭裁判所で「検認」を受けなければなりません。検認とは、裁判所で遺言書の内容や状態を確認してもらう手続きです。検認を終えなければ遺言書によって不動産の名義の書き換えや預貯金の払い戻しなどを受けられません。
ただし、法務局に自筆証書遺言を預けた場合には検認が不要となります。

自筆証書遺言の作成を弁護士などの専門家に依頼したりチェックしてもらったりすると、以下のようなメリットがあります。

専門家が作成した場合、要式不備で無効になるリスクはほとんどなくなります。書き方がわからない方はぜひ相談してみてください。

専門家に遺言執行者になってもらったら、死後に不動産の名義変更や預貯金の払い戻し、寄付などの対応をしてくれるので遺言内容を実現しやすくなります。

遺言書を書きたいけれど1人では内容を決められない方は、専門家から最適な遺言内容についてのアドバイスを受けられます。

特定の相続人や受遺者へ遺産を多く分け与えた場合、子どもや配偶者などの相続人が「遺留分」を主張してトラブルになる可能性が高まります。弁護士に相談しながら作成すると、各相続人の遺留分に配慮できるので後日のトラブル防止につなげられます。

自己判断で自筆証書遺言を作成すると、無効になってしまうリスクも高まります。相続の専門家に相談しながら確実に内容を実現できる遺言書を作成しましょう。

(記事は2020年6月1日時点の情報に基づいています)