目次

  1. 1. 遺産相続はどこに相談すべき?【悩み別フローチャート】
  2. 2. 相続について無料相談できる窓口9選
    1. 2-1. 【おすすめ】法律事務所(弁護士事務所)|相続全般、相続トラブルにも対応可
    2. 2-2. 税理士事務所|相続税申告や節税に対応
    3. 2-3. 司法書士事務所|相続登記に対応
    4. 2-4. 行政書士事務所|書類収集や作成に対応
    5. 2-5. 市区町村役場(自治体)|各専門家と提携
    6. 2-6. 法テラス|依頼費用の立て替えも
    7. 2-7. 税務署|相続税のルール説明
    8. 2-8. 法務局|相続登記の申請書の書き方
    9. 2-9. 信託銀行|遺産の運用に対応
  3. 3. 相続の無料相談を上手に活用する方法
    1. 3-1. 相談内容と取扱業務が一致している窓口を選ぶ
    2. 3-2. 関係書類や質問を準備する
    3. 3-3. 信頼に足りうるか見極める
    4. 3-4. 複数の事務所に足を運ぶ
  4. 4. 相続について無料相談する方法や流れ、相談できる内容
    1. 4-1. 相談日時の予約
    2. 4-2. 関係書類の準備
    3. 4-3. 相談日当日
    4. 4-4. 2回目以降の相談
    5. 4-5. 正式な依頼
  5. 5. 遺産相続を専門家に依頼した際の費用
    1. 5-1. 弁護士の費用
    2. 5-2. 税理士の費用
    3. 5-3. 司法書士の費用
  6. 6. 相続の無料相談についてよくある質問
  7. 7. まとめ 遺産相続の困りごとは法律事務所(弁護士事務所)の無料相談がおすすめ

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相続について相談できる主な専門家は、弁護士・司法書士・税理士・行政書士です。専門家によって対応業務が異なるため、相談内容ごとに使い分ける必要があります。

どこに相談すべきか分からない場合は、下記のフローチャートを使って自分に合った相談先を見つけましょう。

相続相談先の選び方のフローチャート。相続争いがある場合は弁護士、争いがなく相続税が発生しそうなら税理士、争いがなく相続税も発生しなそうなら司法書士に相談するのがよい
相続相談先の選び方のフローチャート。相続争いがある場合は弁護士、争いがなく相続税が発生しそうなら税理士、争いがなく相続税も発生しなそうなら司法書士に相談するのがよい

相続について無料相談ができる場所はさまざまです。相談先は相談したい内容に合わせて決めるとよいでしょう。相続は幅広い分野が関わってくるため、複数の専門家に相談することが必要なことも多いです。相談先の特徴や具体的なケースをまとめましたので、参考にしてみてください。

弁護士は法律のプロです。相続全般に幅広く対応していますので、まずは弁護士に相談するのがおすすめです。特に遺産の分け方を巡り、争いごとが生じている場合は弁護士一択です。もちろん、争いごとが生じていなくても相談可能です。

初回相談を無料としている法律事務所も多くあります。ただし、2回目以降の相談は有料となることもあるので、事前に確認しましょう。

【弁護士に相談したほうがよいケース】

  • 遺産の分け方についてもめている
  • 遺留分を請求したい・請求されている
  • 使い込まれた遺産を取り戻したい
  • 相続人間での争いごとはなく、相続手続きを任せたい
  • 相続放棄をしたい
  • 何もわからないのでとりあえず専門家に相談したい

税理士は税金のプロです。相続が発生した場合、遺産等の総額によっては相続税申告が必要です。遺産の分け方に争いがなく、相続税について相談したい場合は税理士に相談しましょう。初回相談を無料としている税理士事務所もあります。

【税理士に相談したほうがよいケース】

  • 相続税がかかるのか知りたい
  • 相続税かどれくらいかかるのか知りたい
  • 相続税を節税するためにできることを知りたい
  • 相続税の申告をしたい

司法書士は登記のプロです。また、預貯金や有価証券などの相続手続き(遺産整理業務)を取り扱っていることも多いです。2024年4月1日には相続登記(相続した不動産の名義変更)が義務化されました。遺産の分け方に争いがなく遺産に不動産が含まれる場合は、司法書士に相談しましょう。

初回相談が無料の司法書士事務所も多くあります。事務所のウェブサイトなどで事前に確認してください。

【司法書士に相談したほうがよいケース】

  • 不動産の相続登記をしたい
  • 相続人間での争いごとはなく、相続手続きを任せたい
  • 相続放棄をしたい

行政書士も相談先の候補となる専門家です。遺産の分け方に争いがなく、遺産に不動産が含まれない場合などには、必要書類の収集や遺産分割協議書の作成について行政書士に相談することも考えられます。

初回相談が無料の行政書士事務所も多くあります。あらかじめ事務所に問い合わせて確認してみてください。

【行政書士に相談したほうがよいケース】

  • 相続人間での争いごとはなく、相続手続きを任せたい
  • 車の名義変更(登記)を任せたい

弁護士や税理士、司法書士と協力し、無料相談を予約制で行っている自治体があります。気軽に相談しやすいことがメリットですが、必ずしも相続に精通した専門家が担当するとは限らない点に注意が必要です。詳細は各自治体のホームページを確認してみてください。

【市町村役場に相談したほうがよいケース】

  • 何もわからないのでとりあえず専門家に相談したい
  • 直接専門家の事務所に問い合わせるのは心理的に抵抗があるが、専門家に相談したい

法テラスでは、経済的に余裕のない方が、弁護士や司法書士に無料で相談をすることが可能です。利用にあたっては、収入や資産が一定額以下であるなどの条件があるため、事前に法テラスのホームページで条件を満たすかどうかを確認しておくことをおすすめします。

また、無料法律相談のほか、その後に依頼した場合の費用(着手金や実費など)を法テラスが立て替えてくれます。ただし、法テラスに直接相談すると担当する専門家を選べません。自分で選びたい場合は、法テラスと契約している弁護士や司法書士を自分で見つけ、その専門家を通じて法テラスの利用を申し込む方法があります。

【法テラスに相談したほうがよいケース】

  • 収入や資産が少なく弁護士や司法書士の費用が支払えない
  • 弁護士や司法書士の費用を分割で支払いたい

税務署では、相続税について、電話や税務署職員との面談で質問することができます。一般的なルールだけではなく、個別的な内容を質問することもできます。ただし、節税に関するアドバイスを希望する場合は、税理士に相談することをおすすめします。

【税務署に相談したほうがよいケース】

  • 相続税がかかるのか知りたい
  • 税理士に依頼せずに自分で相続税申告をしたい

法務局が実施している「登記手続案内」では、不動産の登記申請書の記載方法を説明してもらえます。相談時間は1回20分以内です。提出前の書類の不備チェックや個別具体的なアドバイスには対応していないため、書類の作成や収集は自分で行う必要があります。不備なく相続登記を進めたい場合は、司法書士への依頼をおすすめします。

【法務局に相談したほうがよいケース】

  • 登記申請書の記載方法を知りたい
  • 自分で相続登記をしたい

相続手続きを信託銀行に無料相談することも可能です。遺産の分け方に争いがなく、取得した遺産の運用についても相談したい場合は、信託銀行に相談することも考えられます。相続手続きについては、連携する専門家が対応してくれます。ただし、費用が発生する正式な依頼をした場合、各専門家に直接依頼するよりも、トータルの費用は高額となる傾向にあります。

【信託銀行に相談したほうがよいケース】

  • 相続人間での争いごとはなく、相続手続きを任せたい
  • 取得した遺産の運用についても相談したい

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無料相談を上手に活用して、相続の悩みを解消したいのであれば、事前準備が欠かせません。どのような準備が必要か解説します。

専門家によって取り扱える業務が異なります。相続トラブルなら弁護士、相続登記なら司法書士、相続税申告なら税理士、というように相談内容に応じて相談先を決めましょう。

専門家ごとの対応業務は以下のとおりです。

相続について、弁護士・司法書士・税理士・行政書士が対応できる業務内容の一覧図。弁護士は幅広く相続手続きに対応できる
相続について、弁護士・司法書士・税理士・行政書士が対応できる業務内容の一覧図。弁護士は幅広く相続手続きに対応できる

無料相談の場合、相談時間が30分から1時間ほどと限られていることが多いです。そのため、あらかじめ関係書類を準備し、聞きたいことを整理しておくことをおすすめします。もちろん、資料がまったくない場合や用意すべき資料がわからない場合など、手ぶらで相談に行っても問題はありません。

法律事務所の場合の典型的な書類は次の通りです。

  • 相続人がわかる資料(相続関係図など)
  • 相続財産がわかる資料(財産目録や登記簿謄本、通帳など)
  • 遺言書
  • 他の相続人とのやり取りに関する書面やメール

弁護士、税理士、司法書士といっても相続案件に精通している専門家は必ずしも多くはありません。特に正式に依頼することを考えている場合は、無料相談の中で信頼に足りうるかどうかを見極めることが大切です。次のようなポイントをチェックするとよいでしょう。

  • 丁寧に話を聞いてくれるか
  • 説明がわかりやすいか
  • 明朗会計か
  • 相続案件の経験・実績が豊富か
  • 他の士業と提携しているか

信頼に足る依頼先を見つけるためには、複数の事務所に足を運ぶこともおすすめです。無料相談後の依頼は必須ではありません。上記のチェックポイントをもとに各専門家を比較検討し、依頼先を決めるとよいでしょう。

「無料相談をしたいけれど、まずは何をしたら良いの?」「相談の場では何を話したら良いの?」と不安に思う方も多いと思います。法律事務所(弁護士)で無料相談する場合を例に説明しますので、参考にしてみてください。

まずは、相談日時の予約が必要です。相談したい法律事務所に電話やメールなどで問い合わせをし、相談日時を決定しましょう。

相談日時の予約をする際、相談日に持参した方がよい関係書類も確認し、相談日までに準備しておきましょう。基本的には、相続人がわかる資料(相続関係図など)や相続財産がわかる資料(財産目録や登記簿謄本、通帳など)を持参すると相談がスムーズです。

通常は弁護士から「本日はどのようなご相談ですか?」と聞かれますので、相談に至った経緯(誰が亡くなったのか、誰が相続人なのか、どのような遺産があるのかなど)や質問したい内容などを話しましょう。

その後、弁護士から質問に対する回答やアドバイスがなされます。回答やアドバイスにあたって追加の情報が必要であれば、弁護士から質問をすることもあります。例えば、相続手続きを進めるためには相続人全員の協力が必要ですので、他の相続人の意向を確認することは多いです。

なお、複数弁護士が所属している事務所でも相談を担当するのは1人であることが多いと思います。

相談の内容によってはその日で終わらず、日を置いて2回目の相談になることもあります。2回目以降は有料相談(1時間1万1000円が相場)となることが多いので、注意しましょう。

相談の結果、正式に弁護士に依頼する場合は、委任契約書を取り交わし、弁護士費用を支払います。なお、相談時に依頼の有無を決める必要はなく、一旦持ち帰って検討し、後日依頼する形でも問題ありません。

無料相談のうえで、正式に依頼する場合には費用が発生します。各専門家の費用は自由化されており、依頼する専門家ごとに異なりますので、ここでは目安を紹介します。

弁護士に支払う報酬としては、主に「着手金」と「報酬金」があります。着手金は弁護士に案件を依頼した段階で支払う費用、報酬金は案件が成功に終わった場合に案件終了の段階で支払う費用です。

それぞれの金額については、(旧)日本弁護士連合会報酬等基準(かつて日本弁護士連合会が設けていた一律の基準)をベースにしている弁護士が多いです。私が所属する法律事務所でもこの基準をベースにしています。

着手金と報酬金の目安を下表にまとめました。いずれも税込み(10%)です。

着手金の目安
経済的利益の額 着手金額
300万円以下 8.8%
300万円超3000万円以下 5.5%+9万9000円
3000万円超3億円以下 3.3%+75万9000円
3億円超 2.2%+405万9000円
報酬金の目安
経済的利益の額 報酬金額
300万円以下 17.6%
300万円超3000万円以下 11%+19万8000円
3000万円超3億円以下 6.6%+151万8000円
3億円超 4.4%+811万8000円

経済的利益とは、依頼者が得られる利益のことを言います。相続の場合は通常、取得した遺産額を指します。ただし、争いのない部分は取得した遺産額そのままではなく減額して計算することもあります。

具体例をもとに弁護士費用を計算してみます。

【具体例:弁護士に依頼して1000万円の遺産を取得したケース
母Aが遺産2000万円を残して亡くなり、相続人が子Bと子Cの2人のケースです。子Bが弁護士に依頼して、子Cとの遺産分割協議を代理してもらい、法定相続分の遺産(1000万円)を取得した場合の弁護士費用は以下のとおりです。

  • 着手金:64万9000円(=1000万円×5.5%+9万9000円)
  • 報酬金:129万8000円(=1000万円×11%+19万8000円)
  • 合 計:194万7000円

弁護士に依頼する際に着手金64万9000円を支払い、Cとの遺産分割協議が成立して1000万円を取得した時点で報酬金129万8000円を支払います。

なお、上記の基準で計算すると、遺産が多額である場合には着手金がかなり高額となるケースは少なくありません。そのため、着手金の一部を最初に支払ってもらい、残部は遺産を取得できた時点で清算する事務所や着手金を固定金額とする事務所もあります。

参考までに、2002年に廃止された東京税理士会の報酬規程での相続税申告の税理士費用(上限)をご紹介します。実際には異なる費用体系を採用している税理士も多いので、個別に確認されることをおすすめします。

東京税理士会の報酬規程による税理士費用(上限)
遺産の総額 報酬金額(基本報酬11万円に以下の金額を加算)
5000万円未満 22万円
7000万円未満 38万5000円
1億円未満 66万円
3億円未満 93万5000円
5億円未満 121万円
7億円未満 148万5000円
10億円未満 187万円
10億円以上 198万円
1億円増すごとに11万円を加算

上の表は、税務署などへの申告を代理する際にかかる報酬金です。税務書類の作成も依頼する場合は、上記の金額の50%相当額が加算されます。

具体例をもとに税理士費用を計算してみます。

【具体例:遺産の総額が6000万円のケース】
遺産の総額が6000万円の場合、税理士費用は下記のとおりです。

  • 税務代理報酬:49万5000円(=基本報酬11万円+加算報酬38万5000円)
  • 税務書類作成報酬:24万7500円(=49万5000円万円×50%)
  • 合計:74万2500円

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参考までに、ある事務所での費用をご紹介します。具体的な金額は各司法書士に確認してください。

・相続人調査(戸籍謄本などの収集):2万円(10通まで)
・相続放棄の申述書作成:4万円~
・相続登記      :6万5000円~
・預貯金の解約払戻し :5万円(1金融機関につき)
・遺産分割協議書の作成:1万5000円~
・遺産承継業務(相続手続きセット料金):30万円~

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Q. 無料相談で相続の悩みを解決することはできますか?

内容次第では、無料相談内での解決も可能です。何もわからないのでとりあえず相談に来たという方などは、私から相続手続きの基本的な流れをご説明することで安心してもらえることも少なくありません。ただ、既に何らかの問題・トラブルが生じている場合は、無料相談の場で解決に至らず、正式に依頼してもらうしかないことも多いです。

Q. 相続手続きを自分ですることは可能?

可能です。ただ、さまざまな知識や作業が必要になるため、一から調べて手続きを進めるのはなかなか大変です。また、相続放棄や相続税申告など期限がある手続きがありますので、注意が必要です。そのため、自分でできると思っても、一度無料相談をしてみてもよいでしょう。

Q. 相続について、専門家に電話で無料相談できる窓口はある?

弁護士や司法書士などの事務所によっては、電話やオンラインでの無料相談を受け付けているところもあります。各事務所のウェブサイトなどで確認してください。

また、各都道府県に設置されている弁護士会や司法書士会などでも無料電話相談を実施していることがあります。たとえば東京都では、東京弁護士会・第一東京弁護士会・第二東京弁護士会が共同で電話相談を行っています。

Q. 無料相談ではいいアドバイスがもらえない?

無料相談だからといってアドバイスの質を下げる専門家は少ないでしょう。それぞれの専門家が、それぞれの対応できる範囲内で適切なアドバイスをしてくれます。

また、無料相談をしたからといって、費用が発生する正式な依頼を強いる事務所はほとんどありません。気軽に相談してみてください。

最近はインターネットでさまざまな情報を調べることが可能ですので、自分で相続手続きを進めようとする方も多いと思います。ただ、インターネット上の情報の中には誤った情報もあります。そのような中で、専門家でない方が正しい情報を見極めることは難しいものです。

自分で相続手続きを進めることに不安を感じた場合には、無料相談を積極的に利用しましょう。相続の無料相談先には、弁護士・司法書士・税理士などの専門家事務所のほか、法テラスや自治体、税務署などがあります。具体的なアドバイスが欲しい場合や依頼を検討している場合は、初めから専門家事務所に直接相談することをおすすめします。

(記事は2025年12月1日時点の情報に基づいています)

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