弁護士の探し方・見分け方のコツ15選 弁護士選びで失敗しないための注意点を解説
法的トラブルを当事者間の話し合いで解決できない場合、最終的に弁護士に依頼をして問題解決を図ります。現在、日本には4万人以上の弁護士がいますので、その中から誰を選べばいいのか、どうやって探せばいいのかわからない人も多いでしょう。弁護士の選び方・見分け方について15のポイント紹介します。
法的トラブルを当事者間の話し合いで解決できない場合、最終的に弁護士に依頼をして問題解決を図ります。現在、日本には4万人以上の弁護士がいますので、その中から誰を選べばいいのか、どうやって探せばいいのかわからない人も多いでしょう。弁護士の選び方・見分け方について15のポイント紹介します。
目次
「相続会議」の弁護士検索サービスで
弁護士を探す前に、自分の希望や状況をなるべく整理しておきましょう。具体的には以下の点です。
法律の知識がないことは前提ですが、最低限自分の状況や希望が説明できないと、弁護士も回答に困ってしまいます。状況が複雑で、説明が難しい場合には、今まであったことを紙に書いて資料として渡すなどしてもいいでしょう。
「①何があった」「②だからこう困っている」ことさえ説明できれば、あとは弁護士の方から質問してくれるはずです。
それでは、弁護士の探し方のコツとして以下の6つを抑えておきましょう。
それぞれについて詳しく解説します。
一番手軽なのは、検索エンジンを使って弁護士を探す方法です。「地域(市町村・駅名など)」「案件名」「弁護士」を掛け合わせれば簡単に見つかります。
たとえば、以下のように検索してみましょう。
・八王子市 弁護士
・八王子駅 弁護士
・八王子 相続 弁護士
・八王子 借金 弁護士
・離婚 弁護士
具体的な地名や駅名を入れなくても、全国対応の大手事務所が見つかったり、スマホ端末の位置情報から近所にある弁護士事務所が表示されたりします。
利用する弁護士事務所を知り合いなどから紹介してもらう方法です。弁護士によって性格や実績、報酬などが違いますが、知り合いの紹介であれば安心で、確実です。
また、過去に依頼のあった顧客からの紹介であれば、弁護士と良好な関係を築きやすいメリットがあります。
全国の弁護士が登録しているポータルサイトで探す方法です。ポータルサイトでは「地域」「相談内容」「営業時間」「写真」など様々な情報から弁護士を探し、比較することができます。事務所の紹介ページを読むことで、その事務所の特徴がわかります。気になる弁護士がいたら連絡を取ってみましょう。
相続に関する相談であれば「相続会議」を利用すれば、全国の弁護士を探すことができます。無料相談を受け付けている事務所もたくさんあります。
全国47都道府県対応
相続の相談が出来る弁護士を探す各都道府県にある弁護士会を利用して弁護士を探す方法です。「神奈川県 弁護士会」など、お住まいの都道府県の弁護士会を検索してみましょう。
弁護士会は都道府県内の複数地域に、相談センターを設けています。相談時間が限られていたり、予約制・先着順であったりなど制限はありますが、センターを使って弁護士に相談ができます。
日弁連(日本弁護士連合会)のホームページから、全国の弁護士を検索することができます。日弁連とは、弁護士法で定められた法人であり、すべての弁護士に加入が義務付けられています。
トップページにある「弁護士を探す」をクリックすると、弁護士検索のページに飛ぶことができます。
日弁連のサイトは、あくまで弁護士の検索ができるだけであり、情報が少ないため(事務所名・連絡先・弁護士名程度)、他の方法と比べるとやや非効率かもしれません。
法テラスを利用して弁護士を探すこともできます。法テラスとは「国が設立した法的トラブルの総合案内所」のこと。基本的には、問い合わせに対して、適切な相談窓口や、法制度に関する情報を提供しています。
収入や資産が一定の基準を下回る人は「民事法律扶助(みんじほうりつふじょ)」を受けることができ、弁護士に無料相談できたり、依頼に必要な費用を肩代わりしてもらえたりします。
法テラスを通じて紹介してもらえるのは、法テラスと契約している弁護士のみになります。
次に、信頼できる弁護士の見分け方のコツを9つ紹介します。
遠方の弁護士と電話やビデオ通話をするより、弁護士と実際に会って話をした方が有意義なものになるはずです。また、実際に依頼をするとなれば、話をしたり書類をやりとりしたりする機会は複数回に及ぶ可能性があります。そのため、自宅や勤務先の近くにあり、通うのが容易な事務所を事務所を選んでおいて損はないでしょう。
弁護士によって、注力している分野や、実績が多い分野は違います。相続に特化していたり、離婚が得意だったりする弁護士もいます。医者に例えるなら、目の病気は眼科、耳の病気は耳鼻科に診てもらうイメージです。弁護士に依頼する際は、自分が相談したい分野の実績がきちんとあるかを見極めた方がいいでしょう。
自分が相談したいのが何の分野なのかよくわからない場合は「総合法律事務所」といった名前がついている事務所を選ぶと、幅広い相談に対応してもらえます。
実際に依頼をする際は、弁護士の性格や人柄、自分との相性をきちんと見極めるようにしましょう。
弁護士には自分の個人的な事情を隠さず伝える必要がありますので「この人は信頼できる」「何でも相談できる」と感じられることが重要です。
依頼の内容にもよりますが、弁護士との付き合いは短期間では終わらないことも多いです。裁判をするとなれば、年単位で関わることになるかもしれません。
悩みや感情に寄り添ってくれる弁護士がいいのか。法的に合理的なアドバイスだけしてくれればいいのか。依頼者によって、弁護士に求めるものも違うでしょう。弁護士と関わること自体がストレスにならないよう、人としてうまが合う弁護士を選ぶようにしましょう。
弁護士費用についても慎重に検討すべきです。相場と比べて高すぎないか、ネットで調べるなどして、他の事務所と比較しましょう。費用に関する説明があいまいな場合は要注意です。依頼が完了したあとの成功報酬が思ったよりも高くつくなどして、予算をオーバーしてしまうかもしれません。
料金は明瞭か、見積もりをきちんと出してくれるかだけなく、支払い方法なども確認しておくべきです。
連絡や返信がスムーズかどうかも重要です。先ほど紹介した「弁護士の人柄や相性」にも通じますが、返信が遅い人に依頼するとストレスになります。日常的な連絡や雑談ならまだしも、こちらは法的なトラブルがあって不安を感じている状況ですから、それを理解し、マメに連絡をくれたり、返信を速やかにしてくれたりする弁護士の方がいいでしょう。
また、担当になる弁護士だけでなく、連絡を取り次いでくれる事務所スタッフの連絡や返信スピードの速さも重要です。
なるべく専門用語を使わず、一般の人相手にわかりやすい説明をしてくれるかどうかも重要です。依頼者が理解できるまで、何度でも説明してくれるかどうか。そういった気遣いのできる弁護士に依頼をするのがおすすめです。
弁護士との関わりは短期間では済まないことが多いです。何かあるたびにきちんと説明、報告してくれる弁護士であれば安心して結果を待つことができるでしょう。逆に、説明が不十分、わかりにくい弁護士だと、ずっと不安や疑問を抱えたままになってしまいます。
弁護士には懲戒制度があります。「日弁連や所属弁護士会の決まりを破り、弁護士としての品位を失うべき非行」があると処分を受けます。依頼を検討している弁護士が、過去に懲戒処分を受けていないかチェックしましょう。弁護士懲戒処分検索センターで確認することができます。
留意すべきは、必ずしも「過去に懲戒を受けている弁護士=悪い弁護士」ではない点です。確かに、依頼者を騙すような悪徳弁護士もいますが、懲戒を受けるのはそういった弁護士だけではありません。依頼者のためを思って懸命に業務に当たった結果、懲戒となってしまった人もいます。なぜ懲戒になったのか、その理由が大切です。
Googleで事務所名を検索し、口コミをチェックしましょう。相性の問題もありますし、嫌がらせの可能性もありますので、多少悪い口コミの方が多いのは仕方がありません。しかし、弁護士事務所に限らず、レビューを書きたくなるのは、不満や怒りを感じた人です。あまりにも口コミの内容がひどく、悪評の数が相当多い場合には、注意した方がいいでしょう。火のないところに煙は立たないからです。
最も確実なのは、複数の事務所に足を運んで弁護士に会って相談し、比較することです。初回相談は無料としている事務所が多いので、何件か連絡をしてみましょう。実際に会うことで、相性を確かめることができます。
料金や立地などのわかりやすい部分ではなく、これまで説明してきた全ての内容を踏まえて比較するのがベストです。あえて同じ質問をしてみることで、その弁護士の見解や方針を比較するのも効果があります。
全国47都道府県対応
相続の相談が出来る弁護士を探す次に弁護士選びで失敗しないために注意すべきことを紹介します。
大手の事務所を選んでおけば安心な気もしますが、事務所の規模ではなく担当してくれる弁護士を基準に選ぶようにしましょう。「大手事務所にいる新人と、中小規模の事務所にいるベテラン」のどちらがいいかイメージしてみてください。
規模の大きい事務所であれば、多くの弁護士が所属しています。その分、弁護士ごとに経験や実力が異なるのはいうまでもありません。
費用が安すぎる事務所には注意しましょう。依頼完了後の成功報酬など、何かを見落としている可能性があります。また、そういった見落としもなく、本当に費用が安い場合、「安かろう、悪かろう」の恐れもあります。業務の一部を弁護士以外のスタッフが担当していることも考えられます。費用が安すぎることに不安を感じた場合には、なぜそこまで安くできるのか、質問してもいいでしょう。
相談に乗ってくれた弁護士と、依頼後に実務にあたってくれる弁護士が違うことがあります。相談に乗ってくれた弁護士に依頼したい場合には、依頼後に担当が変わったりしないか、事前に確認しておいた方がいいでしょう。
依頼を受ける側の弁護士にも顧客を選ぶ自由があります。例えば、紹介のあった人からの相談のみを受け付ける事務所などもあり、弁護士も多種多様であることを覚えておきましょう。
他の事務所と比較して過度な値引き交渉をしたり、言動に失礼があったりすれば、弁護士側から依頼を断られてしまう可能性もあります。依頼側も最低限のマナーを守ることが大切です。
担当弁護士の説明内容や方針に疑問が残る場合は、別の弁護士に相談してみましょう。その際「セカンドオピニオンとしての意見が欲しい」ことを伝えた方が、より効果的なアドバイスがもらえます。
弁護士費用は、依頼の内容や、依頼者が得られる経済的利益によって大きく変わります。弁護士費用について詳しく知りたい人は、下記の記事をご覧ください。
弁護士の探し方・見分け方15選を紹介しました。弁護士自体は、検索エンジンやポータルサイトを使えば簡単に見つけることができます。また、探すのが面倒な人は、知り合いに紹介してもらうなどすれば安心でしょう。
たくさんいる弁護士の中で誰に依頼すべきかですが、立地、費用、弁護士の人柄など何に重きを置くかでも変わります。複数の事務所に相談をすれば、いいと思える弁護士が見つかるかもしれません。
相続会議では、相続案件に精通した全国の弁護士を検索することができます。初回相談を無料としているところも多いので、気軽に利用してみてください。
(記事は2024年4月1日時点の情報に基づいています)
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