目次

  1. 1. 遺産相続を弁護士に相談すべき理由|税理士や司法書士との違い
  2. 2. 遺産相続を弁護士に相談すべき状況とは?
  3. 3. 無料相談で弁護士から受けられるアドバイスの内容
  4. 4. 遺産相続を弁護士に無料相談できる窓口4選
    1. 4-1. 【お勧め】相続に詳しい弁護士事務所
    2. 4-2. 市区町村役場の弁護士相談(法律相談)
    3. 4-3. 弁護士会
    4. 4-4. 法テラス(日本司法支援センター)
  5. 5. 無料相談に必要な事前準備は?
  6. 6. 無料相談の注意点|利用条件について事前確認を
  7. 7. 無料相談ができる弁護士事務所の探し方
  8. 8. 遺産相続に強い弁護士の選び方|複数事務所を比較検討がおすすめ
  9. 9. 弁護士に相談しなかったばかりに起こりうるトラブル
    1. 9-1.特別受益や寄与分を巡る争いが深刻化する
    2. 9-2. 遺言書が原因で新たなトラブルが発生する
  10. 10. 遺産相続を弁護士に依頼することに関連して、よくある質問
  11. 11. まとめ 遺産相続は気軽に弁護士へ相談を

「相続会議」の弁護士検索サービス

相続のことでだれかに相談したいと思っても、弁護士に相談するのは費用が高くつきそうだし、ハードルが高いと感じる人は少なくないでしょう。そういう方は、ぜひ無料相談を検討してみてください。多くの弁護士は、相続に関する無料相談を受け付けています

相続の困りごとに関しては、弁護士だけでなく税理士や司法書士、行政書士など、他の士業も無料相談を受け付けています。

税理士は相続税申告、司法書士は不動産の相続登記、行政書士は書類作成などをメインに取り扱う専門家ですが、業務の範囲が特定の分野に限定されています。相続トラブルの解決や相続放棄、裁判など、ほぼすべての相続手続きに一貫して対応できるのは弁護士だけです。各専門家の対応業務は以下のとおりです。

専門家によって相続手続きで対応できる内容が異なる。弁護士はあらゆる相続手続きに幅広く対応できる
専門家によって相続手続きで対応できる内容が異なる。弁護士はあらゆる相続手続きに幅広く対応できる

このため、まずは気軽に弁護士の無料相談を受けてみて、信頼できそうな弁護士に出会う機会をつくることをお勧めします。親族が亡くなって相続手続きに直面している時はもちろん、自身や親族の生前であっても、例えば遺言書の作成や生前贈与などについて、無料相談を受けることができます。

弁護士と聞くと「争いを解決するために相談する」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。しかし、具体的な相続争いが発生していない段階でも、手続きを円滑に進めたり、トラブルを未然に防いだりする観点から、弁護士に相談するメリットは大いにあります。

例えば、以下のいずれかに当てはまる方は、相続について早めに弁護士へ相談することお勧めします。

<遺産相続を弁護士に相談すべきケースの例>

  • 相続が初めてなので、手続きの流れについて知りたい
  • 相続手続きについて、何から手を付けてよいかわからない
  • 相続手続きを自分で進めるのが面倒、時間がない
  • 他の相続人と連絡がとれない
  • 遺産分割協議書の作成方法がわからない
  • 他の相続人と遺産分割でもめる可能性がある、すでにもめている
  • 遺言書の内容に不満がある(有効性を争いたい、遺留分を請求したい)
  • 亡くなった人に多額の借金があるので、相続放棄したい
  • 他の相続人が、遺産を使い込んでいる可能性がある など

相続に関するお悩みは人それぞれ、多種多様です。弁護士は、相談者・依頼者のお悩みに応じて、問題解決のためにオーダーメイドのアドバイスを提供します。

無料相談の段階でも、例えば以下に挙げるポイントについて、詳細にアドバイスを受けることが可能です。

  • どんな手続きを、どのような手順で進めるべきか
  • 遺産分割の際に、注意すべきポイントは何か
  • 他の相続人ともめてしまった場合に、どのように遺産分割協議をまとめるか
  • 相続人、相続財産の調査方法
  • 遺産分割協議書の作成方法
  • 遺留分侵害額請求の方法
  • 相続放棄の方法

上記以外にも、相続に関する質問を弁護士に投げかければ、ほとんどの弁護士は何でもわかりやすく答えてくれるでしょう。

遺産相続でトラブルが起こっている場合はもちろん、相続に関する不安や悩みがある場合は、早い段階で弁護士に相談しましょう。相続について弁護士に無料相談できる窓口は、主に以下の4つです。

  • 【お勧め】相続に詳しい弁護士事務所
  • 市区町村役場の弁護士相談(法律相談)
  • 弁護士会
  • 法テラス(日本司法支援センター)

弁護士事務所の中には初回相談を無料で行っているところがあります。相談時間は多くの場合、30分から1時間程度です。相談者の現状や悩みをしっかりとヒアリングし、無料相談でも具体的なアドバイスをしてくれるでしょう。

また、相談後はそのまま弁護士に依頼することもできます。委任契約を締結して着手金を支払えば、すぐ対応に着手してもらえます。相続案件の実績がある事務所を自ら選ぶことができる点も、弁護士事務所に直接相談することの大きなメリットです。

平日日中の相談が難しい場合は、夜間や土日祝日の相談にも対応している事務所を選びましょう。なお、2回目以降の相談は有料になることが多いので、あらかじめ確認してください。

弁護士への相続相談お考え方へ

  • 初回
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  • 相続が
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全国47都道府県対応

相続の相談が出来る弁護士を探す

自治体によっては、市役所や区役所、町村役場などで弁護士による無料相談を実施していることがあります。

たとえば東京都練馬区では、区民を対象に無料の法律相談を実施しています。相談時間は1人30分で、対面・電話・オンラインでの相談が可能です。相談日時や予約方法などの詳細は各自治体のウェブサイトで確認してください。

各都道府県にある弁護士会でも法律相談を受け付けています。基本は有料ですが、相談内容や場所によっては無料で相談に応じているところもあります。

たとえば東京都の場合、3つの弁護士会(東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会)が共同で、都内各地に法律相談センターを設けています。また、東京都内のみから繋がる電話無料相談もあり、15分程度で法律に関する相談に乗ってくれます。相談後には対応してくれた弁護士に依頼をすることもできます。

法テラスとは、市民と法専門家の距離を近づけるために設立された公的機関です。収入や資力が一定基準以下などの条件を満たす人は、同一問題につき30分×3回までの無料法律相談を利用でき、さらに弁護士費用を立て替えてもらえます。

法テラスは各都道府県に相談窓口を設けており、電話もしくはウェブでの予約が可能です。ただし、法テラスに直接相談すると、担当弁護士を選べません。自分で選びたい場合は、法テラスと契約している弁護士を探し、その弁護士を介して法テラスの利用を申し込む必要があります。自分で探した弁護士に、法テラスの利用が可能かどうかを確認しておきましょう。

弁護士によっては、無料相談の時間が限られている場合もあります。一般的には、1回あたり30分から60分程度です。効果的に無料相談を活用するためには、ある程度事前準備を整えていくことをお勧めします。

例えば遺産分割についてであれば、以下の準備を整えたうえで無料相談に臨むのがよいでしょう。

①被相続人・相続人に関する資料を準備する
→戸籍資料など

②相続財産に関する資料を準備する
→預貯金口座、現金、証券口座、不動産、自動車、貴金属類など

③特別受益や寄与分に関する資料を準備する
→相続人に対する生前贈与の内容・金額、生前の被相続人に対する貢献の内容など

④遺産分割に関する希望を考えておく
→どの遺産がほしいか、どの程度の金額がほしいかなど

準備すべきことがわからなければ、相談先の弁護士に指示を求めましょう。また、書類の取得方法等がわからなければ、弁護士に対応を依頼することもできるので、完璧な準備を整える必要はありません。

極端に言えば、最初は手ぶらで無料相談に臨んでも大丈夫です。過度に気構えることなく、お気軽に弁護士の無料相談を利用してください。

相続について、弁護士の無料相談を利用する場合、どのような条件で利用できるかについて事前に確認しておきましょう。

例えば「初回30分無料」「初回のみ無料」など、無料相談の利用時間・回数に制限が設けられているケースがあるので注意が必要です。

特に時間制限が設けられている場合、思いがけず相談が長引いてしまった結果、相談料が発生するケースも考えられるので気を付けましょう。

また、オンライン相談が可能かどうか、夜間や土日祝日の相談が可能かどうかといったポイントも、ご自身のニーズに合わせて確認しておくことをお勧めします。

弁護士へは各法律事務所(弁護士事務所)の公式ホームページや電話帳などから直接連絡をとることもできます。ネットを活用した探し方としては、「相続 お住まいの地名 弁護士」などとGoogleなどの検索サイトで検索すると、お住まいの近くにある相続案件を取り扱う法律事務所が表示されます。

「相続会議」のようなウェブサイトで、相続に対応できる弁護士を検索するサービスを使うと便利です。

相続会議では、「初回相談無料」や「土日祝OK」など、条件を絞って弁護士を探すことができるほか、同じエリアの事務所が複数掲載されているので、いくつかの事務所に面談予約を入れて、比較するのもよいでしょう。

予約が取れれば、法律事務所のオフィスで無料相談を受けることができます。また、弁護士によってはオンライン相談や電話相談にも対応しています。

弁護士への相続相談お考え方へ

  • 初回
    無料相談
  • 相続が
    得意な弁護士
  • エリアで
    探せる

全国47都道府県対応

相続の相談が出来る弁護士を探す

弁護士によって能力・実績・性格などはかなり幅があるので、無料相談の機会を利用して、弁護士が信頼に足るかどうかをきちんと見極めましょう。

相続に関しては、以下のようなポイントを満たしている弁護士が、信頼できる弁護士である可能性が高いといえます。

  • 相続の取扱件数が豊富
  • 相続に関する法制度に精通している
  • 丁寧にヒアリングをしてくれる
  • どんな質問にも親身になって答えてくれる
  • 手続きやルールの説明がわかりやすい
  • メールなどの返信が迅速
  • 明朗会計である など

特に弁護士と関わる機会が少ない方は、複数の弁護士の無料相談を利用して、誰に依頼するのが一番よいかを比較検討することをお勧めします。

また、弁護士費用についても、案件終了までの総額見積もりを提示するよう弁護士に依頼しましょう。費用体系は弁護士によって異なるので、こちらも複数の弁護士から相見積もりを取得するのがお勧めです。

相続トラブルについて、弁護士に相談せず自分だけで対応すると、かえってトラブルが深刻化したり、新たなトラブルが発生したりするおそれがあります。特に、以下のようなトラブルの深刻化・発生には注意が必要です。

遺産分割において特に問題になりやすいのが、「特別受益」(民法903条)と「寄与分」(民法904条の2)です。

特別受益とは、相続人が亡くなった人(被相続人)から特別に受けた遺贈・贈与です。例えば、親から生前に払ってもらった住宅購入の頭金などが含まれます。相続人の間での公平を図るため、原則として特別受益のある相続人の相続分は減り、他の相続人の相続分は増えます。

寄与分とは、相続財産の維持・増加に貢献した相続人に認められる遺産の取得分です。亡くなった親の事業を無給で手伝ってきた場合や、会社を辞めて親を自宅で介護し続けた場合などには、寄与分が認められることがあります。その貢献を遺産分割に反映するため、寄与分のある相続人の相続分は増え、他の相続人の相続分は減ります。

特別受益や寄与分の有無・金額を判断するには、法的な観点からの調査・検討が不可欠です。当事者だけで解決しようとすると、相続人間で水掛け論的な争いとなり、かえってトラブルが深刻化してしまう事態になりかねません。よって、弁護士を通じて調整を行うことが推奨されます。

遺言書は、適切に作成すれば相続トラブルの予防に役立ちます。しかし、ご本人が自分だけで遺言書を作成すると、遺言無効や遺留分に関するトラブルを誘発しかねません。

民法所定の方式に沿っていない遺言書や、内容が不明確な遺言書などは無効となってしまいます。

また、遺留分とは兄弟姉妹以外の相続人に認められる、最低限の相続分です(民法1042条1項)。遺言書で遺留分を下回る相続分を指定すると、遺言者の死後、相続人の間で「遺留分侵害額請求」(民法1046条1項)を巡るトラブルが発生する可能性があります。

相続トラブルを予防できる遺言書は、法律のルールや家庭の状況を踏まえて作成する必要があるため、弁護士への相談をお勧めします。

Q. 無料相談でもちゃんとアドバイスをしてくれる?

「お金が発生しないのだから、いい加減なアドバイスしかもらえないのでは?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、良識ある弁護士であれば、無料か有料かによってアドバイスの質に差はありません。

弁護士の側としても、無料相談をきっかけに正式に相続手続きを依頼してほしいと考えています。そのため、無料相談の段階から誠心誠意アドバイスを送り、相談者の信頼を得ようとするのが通常です。

弁護士から受けられるアドバイスの質は、相談料の有無ではなく、むしろ「どの弁護士に相談するか」によって大きく影響されます。「8. 遺産相続に強い弁護士の選び方|複数事務所を比較検討がおすすめ」を参考にして、信頼できる弁護士に相続手続きを依頼してください。

Q. 無料相談を利用したら、正式依頼を強く勧められる?

弁護士の無料相談を利用した場合でも、その後正式に依頼するかどうかは、相談者が完全に自由に決められます。弁護士の側から正式依頼を強く勧められることは、まずありません。

弁護士の対応や費用感などを見極め、必要に応じて複数の弁護士に相談するなどして、正式に依頼するかどうかをじっくり判断しましょう。

Q. 遺産相続について、弁護士に無料で電話相談できる窓口はある?

一部の法律事務所では、無料電話相談を受け付けています。法律事務所のウェブサイトなどを確認してください。たとえば東京都内に住んでいる人は、東京弁護士会・第一東京弁護士会・第二東京弁護士会が共同で運営する電話相談を利用できます。

また、Zoomなどによる無料オンライン相談を受け付けている法律事務所もあります。

Q. 弁護士が相続について24時間相談に乗ってくれる窓口はある?

24時間弁護士と直接話せる窓口はほとんどありませんが、メールやメッセージアプリで相談内容を送ることはいつでもできます。夜間にメッセージを送った場合は、翌営業日以降に弁護士から回答してもらえることが多いです。

Q. 弁護士を探すとき、インターネットの「口コミ」や「ランキング」は信頼できる?

インターネット上の口コミやランキングは主観的な評価に過ぎないので、過度に重視すべきではありません。実際に弁護士に会ってみて、信頼できるかどうかを自分で判断してください。

弁護士は遺産分割トラブルの解決のほか、相続人・相続財産の調査や相続放棄、遺言書の作成など、幅広い相続手続きに対応できます。

遺産相続で困ったこと、わからないことがある場合は、まず弁護士の無料相談を利用してみましょう。弁護士のアドバイスから、今後の手続きの見通しを知ることができ、安心につながります。

無料相談を利用したからといって、必ず正式に依頼しなければならないわけではありません。何か悩みごとがある場合には、お気軽に弁護士の無料相談をご利用ください。

(記事は2025年11月1日時点の情報に基づいています)

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