目次

  1. 1. 親亡き後の二次相続、遺言書があればその通りに遺産分割
  2. 2. 不公平な遺産分割案に即同意はNG
  • お父さんとお母さんが亡くなった後、お兄ちゃんと遺産相続の話し合いするの、嫌だな。いつも私に対して上から目線で、遺産の分け方も勝手に決めそう……。

    長女・花子
  • 両親とも亡くなった際の「二次相続」についてですね。朝日さん一家の場合、子どもは2人なので、長男の太郎さんと長女の花子さんが法定相続人です。万が一、太郎さんから不公平な遺産分割案を提案されても、花子さんが同意しない限り成立しないので、その点はご安心を。

    ソーゾク博士
  • 私は遺言書に、花子と太郎でどう遺産を分け合うか、書き残しておくつもりよ。

    母・正子
  • 遺言書があれば、原則その内容どおりに遺産分割します。内容に不満があっても、遺言書が無効となる場合を除き、覆すことはできません。ただし、相続人に最低限保障されている遺産の取り分「遺留分」には要注意です。遺言や生前贈与などで取得した財産が遺留分に満たない場合、遺産を多く取得した相続人に対して「遺留分侵害額請求」を行い、遺留分との差額を支払うように求めることができます。子ども2人が相続人の二次相続の場合、遺留分は遺産総額の4分の1ずつです。

    博士
  • 遺言書がなかったとしたら、やっぱりお兄ちゃんと協議ですよね。

    花子
  • そうですね。遺言書がない場合、相続人全員による遺産分割協議で遺産の分け方を決めます。民法は分け方の目安である「法定相続分」を定めていて、太郎さんと花子さんの場合、2分の1ずつ。ただ、あくまで目安なので、相続人全員の同意があれば、どのように分けてもかまいません。

    博士
  • もしお兄ちゃんが不公平な分け方を提案してきて、同意しろって迫ってきたらどうすればいいですか?

    花子
  • すぐに同意せず、持ち帰って検討することが肝心です。まずは法定相続分を反映させた公平な遺産分割案を作って再提案しましょう。弁護士のサポートを受けることをおすすめします。法的な根拠を示して訴えれば、ほかの相続人、この場合は太郎さんが同意する可能性は高まるでしょう。

    博士
  • すんなりいくかな……。

    正子
  • 反発が予想される場合には、再提案と遺産分割の交渉を弁護士に依頼するのが効果的です。直接交渉する労力や精神的な負担も軽減されます。交渉がまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることもできます。調停委員が仲介者として合意の可能性を模索します。それでもまとまらなければ、家庭裁判所の審判で強制的に解決することになります。

    博士
  • 考えるだけでストレスだわ。

    花子
  • 相続の相談は、税理士や司法書士などさまざまな専門家が受け付けていますが、遺産分割に関するもめ事を扱えるのは弁護士のみです。将来的にもめそうだと思ったら、最初から弁護士に相談して、いざというときには味方になってもらうといいでしょう。

    博士

不公平な遺産分割提案には

● すぐに同意せずに持ち帰る
● 弁護士のサポートが有効
●公平な分割案を再提案
●家庭裁判所の調停、審判も

(今回のソーゾク博士=ゆら総合法律事務所代表弁護士・阿部由羅さん、構成=相続会議編集部)

(記事は朝日新聞土曜別刷り紙面「be」に掲載した内容を基に掲載しています。2022年7月1日時点での情報に基づきます)