まずは遺産分割調停で話し合い

  • 自分たちで話し合いを重ねてもどうしても遺産の分け方が決まらなかったら、どういう解決方法があるのだろうか。

    父・一郎
  • 家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立てて、裁判所で話し合いをするという方法があります。

    ソーゾク博士
  • 裁判所で!? 遺産分割調停ってどんなことをするの? 裁判になるの?

    妻・正子
  • 第三者である調停委員が相続人の皆さんの言い分を聞きます。解決案を提示したり、解決のために必要な助言をしたりして、皆さんの合意を目指して話し合いを進めます。調停は1カ月に1回程度開催されますが、論点が多いほど長引く傾向にあります。相続人全員が合意すれば調停が成立し、その内容通りに遺産分割が行われます。1人でも反対する相続人がいれば、調停は不成立です。

    博士
  • 感情のもつれなどから、相手方が裁判所に来てくれないことも考えられる。その場合はどうなるの?

    長男・太郎
  • 相手方がずっと出頭しなければ、調停は不成立になります。

    博士
  • 不成立になったらその後はどうなるの?

    太郎
  • 「審判」という手続きに自動的に移ります。あらためて申し立てをする必要はありません。相続人が書面や資料などを出し合って互いの意見を主張し、裁判官が審理を進めます。通常は1回では争点を整理できないので、数回開かれます。

    博士

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  • 遺産分割調停と何が違うの?

    太郎
  • 調停は「話し合い」の手続きであるのに対し、審判は話し合いではありません。審判官が客観的な立場から遺産分割方法を指定する手続きです。当事者が納得しているかどうかは関係ありません。

    博士
  • 必ずしも相続人の希望通りの分け方にはならないっていうこと?

    正子
  • はい。相続人が審判を無視して出頭しなくても遺産分割の方法が決まります。そして、審判の結果には強制力があります。裁判官が「相続した実家の競売命令」を出せば、相続人が望まなくとも実家が競売にかかってしまう恐れがあります。こういったリスクも考え、できるだけ自分たちでの話し合いで遺産の分割方法を決めた方がよいでしょう。相続人だけでは遺産分割協議がまとまらない場合には弁護士に依頼すると争点が整理でき、話し合いがスムーズにまとまる可能性が高まりますよ。

    博士

遺産分割調停と遺産分割審判

・調停は相続人同士の話し合いで分割方法を決める手続き
・審判は裁判所が分割方法を指定する。決定には強制力がある

(今回のソーゾク博士=川崎相続遺言法律事務所の弁護士・勝本広太さん、構成=相続会議編集部)

(記事は朝日新聞土曜別刷り紙面「be」に掲載した内容を基に掲載しています。2021年12月1日時点での情報に基づきます)