目次

  1. 1. 不公平な遺産分割案を受け入れる必要はない
    1. 1-1. 相続人が1人でも不同意であれば、遺産分割協議は成立しない
    2. 1-2. 遺言書の内容は原則覆せない|ただし遺留分侵害額請求は可能
  2. 2. 法的に公平な遺産分割の割合とは? 法定相続分について
    1. 2-1. 相続人構成別|法定相続分のパターン
    2. 2-2. 寄与分や特別受益がある場合、法定相続分が修正される
  3. 3. 不公平な遺産分割案を提示された場合の対処法
    1. 3-1. 公平な遺産分割案を再提案する
    2. 3-2. 弁護士を通じて遺産分割の交渉をする
    3. 3-3. 家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てる
  4. 4. 遺産分割に関する相談先は? 弁護士に依頼するメリット
  5. 5. まとめ|弁護士にご相談のうえで公平な再提案を

遺産分割協議では、他の相続人から不公平な遺産分割案を提案されるケースがあります。

しかし、ご自身にとって不利益・不公平な内容に感じられる場合には、その提案を受け入れる必要はありません。

遺産分割協議は、相続人(および包括受遺者)全員の同意によって成立します。

言い換えれば、相続人が1人でも反対している場合には、遺産分割協議は成立しません。

遺産分割案が不公平に思われる場合には、その提案にご自身1人でも反対していれば、遺産分割協議が成立することはないのです。

いったん遺産分割協議書を締結すると、基本的には後からその内容を覆すことができません。

そのため、遺産分割案に納得ができない場合には、同意せずに毅然と対応することが大切です。

遺言書がある場合には、原則としてその内容のとおりに遺産分割が行われます。

たとえ遺言書の内容が不公平であったとしても、遺言書が無効となる場合を除いては、その内容を覆すことはできません。

ただし、「遺留分※」に満たない遺産しか相続できなかった場合には、遺産を多く承継した者に対して「遺留分侵害額請求※」を行うことができます。

遺留分…相続できる遺産の最低保障額(民法1042条1項)。兄弟姉妹以外の相続人に認められている。

遺留分侵害額請求…実際に相続した遺産と、遺留分額の差額を、金銭で支払うことを求める請求(民法1046条1項)。

法的な観点から言えば、「法定相続分」に従った遺産分割こそが、もっとも公平であると言えます。

民法のルールに従った、「法定相続分」の決まり方を確認しておきましょう。

法定相続分は、相続人の構成によって、以下のとおり定められています(民法900条)。

相続人構成別の法定相続分
相続人構成別の法定相続分

なお、代襲相続人の法定相続分は、被代襲者と同じです(民法901条1項)。

相続人に寄与分※、または特別受益※が認められる場合には、その金額によって、各相続人の法定相続分が増減されます。

寄与分…被相続人の財産の維持または増加について、特別の寄与があった相続人について、貢献度に応じて認められる(民法904条の2)。

寄与分のある相続人の法定相続分は増え、それ以外の相続人の法定相続分は減る。

特別受益…被相続人から遺贈または生前贈与を受けた相続人について認められる。

特別受益のある相続人の法定相続分は減り、それ以外の相続人の法定相続分は増える。

ご自身の寄与分や、他の相続人の特別受益を主張する場合には、その根拠となる資料を十分に集めることが大切です。

他の相続人から不公平な遺産分割案を提示されたら、応諾せずに持ち帰って検討を行い、協議や調停を通じて再提案を行いましょう。

いずれにしても、弁護士のサポートを受けるのが安心です。

まずは民法上の法定相続分を、実際に存在する相続財産に適用したうえで、公平な遺産分割案を作成して再提案しましょう。

法的な根拠をもって、再提案の公平性・妥当性を訴えながら説得すれば、他の相続人が再提案に同意し、遺産分割の問題が解決する可能性があります。

相手方が再提案に反発することが予想される場合には、弁護士に再提案と遺産分割の交渉を依頼するのが効果的です。

弁護士に遺産分割の交渉を依頼すれば、他の相続人と直接交渉する必要がなくなるため、労力や精神的な負担が軽減されます。

また、弁護士による法的な観点を踏まえた説得を行えば、他の相続人が再提案に同意する可能性が高まるでしょう。

遺産分割協議がまとまらない場合には、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることも検討しましょう。

参考:遺産分割調停|裁判所

遺産分割調停では、調停委員を仲介者として、遺産分割に関する合意の可能性を模索します。

仮に調停が不成立となった場合でも、家庭裁判所が審判を行い、遺産分割トラブルを強制的に解決することが可能です。

ただし、遺産分割審判が行われる場合、ご自身の希望どおりの結果が得られない可能性もあるので注意しましょう。

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相続に関する相談は、司法書士や行政書士なども受け付けている場合があります。

しかし、遺産分割に関する揉め事が発生した場合には、その解決を司法書士や行政書士に依頼することはできません。

遺産分割トラブルの解決を取り扱うことができるのは、弁護士のみです。

将来的にトラブルに発展する可能性を考慮すると、遺産分割は当初から弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士は、相続人間の調整役として、遺産分割協議を円滑にまとめるために尽力します。

弁護士への依頼によって、依頼者の労力やストレスは大きく軽減されるほか、他の相続人の不公平な主張を鵜呑みにしてしまうことも避けられます。

遺産分割トラブルが懸念される場合には、お早めに弁護士へご相談ください。

他の相続人から不公平な遺産分割案を提示されたら、まずは冷静になって法的な検討を行い、公平な遺産分割案を再提案しましょう。

弁護士にご依頼いただければ、再提案を行う際の方針や注意点などについて、アドバイスを受けることができます。

また、弁護士に代理を依頼すれば、遺産分割協議にかかる労力や精神的ストレスを軽減することも可能です。遺産分割に関するお悩みは、お早めに弁護士までご相談ください。

(記事は2022年1月1日時点の情報に基づいています)

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