相続手続きの流れと一覧

相続が発生したら、以下の手順で手続きを進めましょう。

  1. 遺言書を探す
  2. 家庭裁判所で遺言書の検認を受ける
  3. 相続放棄や限定承認を検討する
  4. 相続人調査、確定
  5. 相続財産調査
  6. 遺産分割協議
  7. 遺産分割調停、信販
  8. 名義変更等の財産承継手続き(銀行預金口座の解約、不動産や有価証券の名義変更)
  9. 相続税の申告、納税
  10. 遺留分侵害額請求

上記は一般的な流れであり、状況によってはさらに別の手続きが必要となるケースもあります。それぞれ「必要書類」があり、郵送で大量の戸籍謄本を取り寄せたり家庭裁判所への申立が必要になったりして手間がかかります。自分で全部終えるのはハードルが高い、と感じる方も少なくありません。

相続手続きは、専門家に代行依頼できる

自分たちだけで相続手続きをする時間がない、やり方がわからないという方は、専門家に依頼しましょう。
専門家の種類によって依頼できる内容が異なるので、以下でそれぞれに依頼できる内容をご説明します。

1.弁護士
弁護士には以下のようなことを依頼できます。

  • 遺言書の検認
  • 相続放棄、限定承認
  • 相続人調査
  • 相続財産調査
  • 遺産分割協議書の作成
  • 遺産分割協議、調停、審判の代理
  • 遺留分侵害額請求の代理
  • 預貯金使いこみの責任追及
  • 遺言書が無効であることを確認する手続き

弁護士は法律の専門家であり、相続手続きについてはほとんどどのようなことにも対応できます。ただし「相続税に関する業務」と「不動産登記」は依頼できません。

弁護士の特徴は「本人の代理人として活動できる」ところです。遺産分割協議や調停、審判となってもめてしまったときや遺留分侵害額請求をするとき(されたとき)には必ず弁護士に依頼しましょう。

・費用の目安
遺産分割調停の場合、着手金が30万円~
相続放棄遺産分割協議書の作成なら10万円程度

2.司法書士
司法書士には以下のようなことを依頼できます。

  • 遺言書の検認
  • 相続放棄、限定承認
  •  相続人調査
  • 相続財産調査
  • 遺産分割協議書の作成
  • 不動産登記(名義変更)

司法書士も法律の専門家であり、法律関係業務を依頼できます。ただし本人の代理人として活動できないので、もめたときの遺産分割協議や調停、審判の代行は依頼できません。

大きな特徴は「不動産登記を依頼できる」ことです。土地や建物、マンションを相続して名義変更が必要なときには司法書士へ依頼しましょう。

・費用の目安
不動産登記 10万円程度

3.行政書士
行政書士には以下のようなことを依頼できます。

  • 相続人調査
  • 相続財産調査
  • 遺産分割協議書の作成
  • 車や株式の名義変更、預貯金解約払戻

行政書士は法律の専門家ですが、弁護士や司法書士に比べるとできることが限られています。主に相続人調査、相続財産調査、車や株式、預貯金の名義変更などを依頼すると良いでしょう。費用は弁護士などの他士業と比べて低めになっています。

・費用の目安
● 相続人調査、相続財産調査 5万~6万円程度
● 預貯金や株式の名義変更 3万~5万円程度

4.税理士
税理士には相続税の申告手続きを依頼できます。多額の財産を相続してなるべく節税したい場合には、相続に詳しい税理士に相談しましょう。
費用の目安は20万~30万円程度です。

5.相続手続き代行を依頼したほうがいいケース

  • 仕事が忙しく、相続手続きをする暇がない
  • 高齢などで、相続手続きのやり方がわからない
  • 遺産分割協議でもめてしまった(弁護士に遺産分割協議や調停の代理を依頼)
  • 遺産分割協議はできたが、不動産登記だけお願いしたい(司法書士に不動産登記を依頼)
  • 親族同士が疎遠であまりかかわりたくない
  • 相続放棄した方が良いのかどうか自分では判断できない
  • 遺留分請求しようかどうか迷っている
  • 相続財産が複雑で相続税の計算方法がわからない

専門家に依頼した方が得になるかどうかは、事案によって異なります。細かい案件の場合、依頼する必要がないケースもあります。また金額だけではなく、相続人の「時間の節約」という観点も考慮する必要があるでしょう。

まずは一度相談をして「見積もり」を出してもらい、費用対効果を検討してみてください。

親族に依頼する方法

相続手続きは、親族にも依頼できます。
その際には「委任状」を作成して親族に渡しましょう。受け取った親族が申請先の機関へ委任状と必要書類を提出すれば、預貯金払戻しなどの各種手続きができます。

1.委任状の作成方法
委任状には委任事項を記載し、日付を入れて署名押印して作成しましょう。たとえば「〇〇に以下の預貯金解約払戻の手続を委任します」などと書いて、日付を入れて署名押印すれば完成します。

2.委任する際の注意点と予防策
・白紙委任状にしない
親族に委任するときには、「白紙委任状」を渡さないことが重要です。
白紙委任状とは、委任事項を明確に示さず「一任します」とする委任状です。委任事項を明らかにしておかないと、受け取った親族が何に使うか分かりません。借金されたり保証人にされたりする可能性もあります。
トラブルを防ぐため、必ず「預貯金の払い戻し」「不動産登記手続き」など、委任事項を示して委任状を作成しましょう。

・親族へ依頼すると、トラブルの元になる可能性がある
親族は、相続手続きのプロではありません。信頼できる相手を選ばないと、いい加減な対応をされて手続きがうまく進まない可能性があります。たとえば親が子どもに対応を任せて安心していても、子どもが忙しくて放置されてしまうリスクが懸念されます。子ども自身、やり方がわからなくて困ってしまうケースも少なくありません。また。依頼された子どもが他の親族の反感を買い、トラブルに巻き込まれるケースも存在します。

士業(専門家)は「仕事、ビジネス」として相続手続を代行しますが、親族は「単なる親切心」から手伝う意識しか持っていません。よりスムーズに相続手続きを終わらせるには、専門家に依頼した方が確実といえるでしょう。

まとめ

相続手続きが複雑で自分で対応するのが難しければ、早めに弁護士や司法書士、税理士などの士業に相談しましょう。費用が心配な方は、まずは見積もりを出してもらい、「価値がある」と感じられたら依頼してみてください。

(記事は2020年11月1日時点の情報に基づいています)