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「一般障害者」と「特別障害者」の要件を満たす必要

  • 相続人が、亡くなった人の配偶者だったり未成年者だったりすると相続税の額を減らせるんでしたね。ほかにはどんな控除があるのですか。

    父・一郎
  • 今回は「障害者控除」の説明をしましょう。相続人の心身に障害がある場合、相続税が減額される制度です。相続税の負担が、障害のある人の日常生活にまで影響を及ぼさないようにという税制上の配慮です。

    ソーゾク博士
  • 障害のある全ての人が利用できるの?

    長男・太郎
  • いいえ。相続開始時に障害の要件を満たす必要があります。控除の対象となる障害者には、「一般障害者」と「特別障害者」の二つの区分があります。一般障害者より特別障害者の方が障害の程度が重く、控除額も大きく設けられています。

     一般障害者は主に、①身体障害者手帳上の障害等級が3~6級②精神障害者保健福祉手帳上の障害等級が2級または3級。特別障害者は主に、①身体障害者手帳上の障害等級が1級または2級②精神障害者保健福祉手帳上の障害等級が1級―などと決められています。

    博士
  • そのほかの要件は?

    母・正子
  • 日本国内に住所があること。海外に住所がある場合は一部を除いて適用対象外です。そして「法定相続人」であること、相続や遺贈により財産を取得したこと、85歳未満であることが要件です。

    博士

適切に使えば、相続税額を大きく減らせる

  • 控除額はどうやって計算するのでしょう。

    太郎
  • 家族が亡くなって相続の開始を知った日の年齢から、満85歳になるまでの年数1年につき一般障害者は10万円、特別障害者は20万円として計算します。

     85歳になるまでの年数が1年未満であるとき、または年齢に1年未満の端数があるときは、1年として計算します。たとえば、相続人の年齢が65歳2カ月の場合、85歳になるまでの年数は20年として計算します。

    博士
  • なるほど。相続開始日の相続人の年齢によっては大きな金額にもなりえますね。控除額がその人の相続税額を超えたらどうなるんですか。

    一郎
  • 本人の相続税から控除分を引き、控除しきれなかった分がある場合は、その人の扶養義務者の相続税から引くことができます。

     税額控除の制度を適切に使えば、相続税の額を抑えられます。たとえ、障害のある相続人の相続税額が少額の見込みであっても、要件をよく確認した上で適用を検討することをお勧めします。

    博士

障害者控除を受ける主な要件

・相続開始時に「障害者」である
・相続開始時に日本国内に住所がある
・法定相続人である

(今回のソーゾク博士=税理士・相原仲一郎さん、構成=相続会議編集部)

(記事は朝日新聞土曜別刷り紙面「be」に掲載した内容を基に掲載しています。2022年4月1日時点での情報に基づきます)

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