成年まで1年ごとに10万円を減額

  • 万が一、突然親が亡くなって小さな子どもが残されてしまった場合、その子の相続税の支払いはどうすればいいのだろうか。相続人が子どもの場合でも相続税を支払わないといけないのでしょうか。

    夫・一郎
  • 相続税は年齢にかかわらず課されます。子どもなど未成年者も納税義務は免れません。ただ、教育費や養育費など成人になるまでにかかるお金を考慮する必要があります。そのため、相続人が未成年者の場合、相続税を減額する特例があります。「未成年者控除」と言います。

    ソーゾク博士
  • 未成年ならだれでも適用してもらえるのですか。

    妻・正子
  • 相続する未成年者が法定相続人であり、相続の際に日本国内に住んでいる人や海外在住の一部の人―など、国税庁が定める要件を満たしている必要があります。生まれて間もない乳児も適用を受けることができます。

    博士
  • どのくらいの額を控除してもらえるの?

    正子
  • 「相続開始日」の年齢から成年年齢になるまでの年数1年につき、10万円が相続税の税額から控除されます。相続開始日とは被相続人が亡くなった日のことです。控除額は(成年年齢―相続開始日の年齢)×10万円。年齢は満年齢で数えます。相続開始日が先月1日で、その日時点で10歳4カ月の相続人の場合、相続開始日の年齢は10歳です。(20歳―20歳)×20万円=100万円となり、この相続人の控除額は100万円となります。控除額が相続税額を上回り引ききれない場合には、残りの金額は扶養義務者であるほかの相続人の税額から引くこともできます。

    博士

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成年年齢引き下げで適用年齢が18歳未満に

  • 4月1日に、成年年齢が18歳に引き下げられましたよね。未成年者控除も影響を受けますか。

    一郎
  • はい。適用年齢が20歳未満から18歳未満に変わります。4月1日以降の相続開始案件からは、先ほどの計算式の成年年齢を18歳にして計算してください。つまり、控除額は減少することになります。

    博士
  • 必要な手続きと注意点は?

    一郎
  • 相続税申告書第6表「未成年者控除額・障害者控除額の計算書」という書類に記載して申告をします。未成年者は一人で法律行為を行えないので要注意です。相続での遺産分割も法律行為とされています。未成年者単独では遺産分割協議に参加できません。また、親と子が共同相続人の場合、利害関係が生じるため親は子の代理人になれません。この場合には家庭裁判所に親以外の人を「特別代理人」に選任してもらう必要があります。

    博士

未成年者控除が使える条件

・相続開始時に未成年である
・法定相続人である
・相続や贈与で財産を得た など

(今回のソーゾク博士=税理士・鈴木まゆ子さん、構成=相続会議編集部)

(記事は朝日新聞土曜別刷り紙面「be」に掲載した内容を基に掲載しています。2022年4月1日時点での情報に基づきます)