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相続トラブル回避のカギは「領収書」 親の財布を管理する家族がすべきこと
皆さんは、自分の親に相続の対策をしてもらいたいと思ったことはありませんか。実際、自分の親が相応の年齢になると、もめないように相続について十分考えてもらいたいと考えるお子さんは少なくないと思います。しかし、自分の親に向かって直接、「相続について考えてほしい」とはなかなか言いづらいですよね。下手すれば、親子関係がギクシャクしてしまうことにもなりかねません。
もちろん、相続については、相続される本人(親)がやる気にならなければ、基本的には何も対策はできません。親が相続について真剣に考えてくれないと嘆くお子さんも少なくないでしょう。ただ、子どもの立場であっても、相続のトラブル対策が可能な場合があります。今回は、その一つをご紹介します。
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1. 領収書で相続トラブルを回避
それは、高齢の親が認知症などの理由により、同居する子どもにお金の管理を任せているようなケースです。
このような場合、親子だからかお金の管理が甘くなりがちです。領収書などの証拠を逐一残していない、なんてこともあるでしょう。仮に同居している子どもが適切にお金を管理したとしても、証拠が無ければ、他の兄弟から「お金の管理」について疑念をもたれかねません。最悪の場合、収拾がつかず、泥沼の相続争いに発展する恐れさえあります。
適切に使っていた証拠(領収書)がないために、お金を管理する子どもが、どんなに説明しても、他の兄弟に理解してもらえない―。
このようなトラブルに巻き込まれないためにも、親のお金を管理することになった場合には、使ったお金の領収書などをきちんと保存した上で、以下のような明細書(帳簿)を作るとよいでしょう。明細書では、1.いつ、2.何に、3.いくら使ったのかを明記するとともに、1~3を証明できる領収書(★)を一緒に貼付して保存しておくとよいでしょう。
手間がかかる作業かもしれませんが、ここまで対策しておくことで、余計なトラブルのリスクを抑えられます。実際、このような状況の方が私のところにご相談にいらっしゃる際には、必ず明細書を作成するようお伝えしています。
2. 親の財産のリストアップも相続対策
相続対策というと、どうしても遺言書を書くなどの本人しかできない対策を思い浮かべる方も多いかと思います。しかし、上記のとおり生前から子どもだけでもできる相続対策もあります。
また、こんな方法もあります。親の遺言書がない場合、遺産分割協議(遺産をどう分け合うかを話し合う家族会議のようなもの)が必要となります。詳しい説明はまたの機会にしたいと思いますが、遺産分割協議では、①故人の遺産をリストアップして、②相続人(家族)の間で分け方を協議する、という流れとなります。特に①については、それとなく本人に確認することが可能です。親の財産のリストアップを生前からしておくことも、立派な相続対策となります。
親が相続対策してくれないと諦める前に、まずはご自身でできるところから始めてみませんか。
(記事は2019年10月1日時点の情報に基づいています)
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