相続税がかかるかどうかわからない場合の相談も税理士に

  • 友達から「父親の遺産を相続したら、税金がかかったし手続きも大変だった」って聞いたわ。税金がかかると聞くと、ドキッとしちゃう。

    妻・正子
  • はははっ。わが家にそんな財産はないから縁遠いな。

    夫・一郎
  • そうとは限りませんよ。相続税の基礎控除額が引き下げられて(3千万円+600万円×法定相続人の数)になって以来、課税される人が増えているんです。価値の高い都心の戸建て住宅に住んでいたり、土地を所有していたりすると、控除額を超えてしまうこともありますよ。

    ソーゾク博士
  • 知らなかった。そんな風に言われたら気になるな。

    一郎
  • そもそも税金がかかるのかどうか分からないのに、手続きまで考えられない。

    正子
  • そういった時は、税の専門家・税理士に相談してみましょう。遺産の価値を調べて、相続税の納付が必要なのかどうかも判断してくれます。まずはセルフチェックが大事ですが、不安があったら相談してみてください。財産額が基礎控除額を超えていても特例を使えば相続税はかからない場合も多いですし、逆に「申告は必要ないだろう」と思っていたら、実は必要だった、という事態もあり得ます。

    博士
  • 数字が苦手だから、ちゃんと計算してくれるのは助かるな。

    一郎

生前の相続対策の相談も税理士に依頼できる

  • 依頼人の代理として相続税の申告や納付の手続きもしてくれます。相続税の手続きは、亡くなった日の翌日から10カ月以内に終わらせる必要があるので、差し迫った場合には相談してみてください。

    博士
  • ちょっと待てよ。遺産が預貯金だけなら計算は簡単だけど、不動産があるようなケースは?

    一郎
  • ちょっと計算が難しくなるかもしれません。財産の評価は、相続税を計算するうえで、大切なことの一つです。複雑な土地や、非上場株式は評価が難しいので、税理士に依頼したほうが安心でしょう。もしも、計算を間違った場合、税務署から指摘を受けるかもしれません。

    博士
  • ほかにもしてくれることはあるのかな。

    一郎
  • 生前の相続対策もサポートしてくれます。たとえば生前贈与を活用すると、非課税枠を使って早いうちに子どもたちに財産を渡せます。

    博士
  • そんな対策があるのね。私の実家でも提案してみようかしら。

    正子
  • 生前対策のパターンは、さまざま。どれが適しているのかは家庭によって異なるので、気になったら相談してみてください。

    博士
  • 自分にぴったりの相続対策を考えるのは難しそうだから、税理士に相談するのもいいね。でも、どうやって税理士を探せばいいんだろう。

    一郎
  • 税理士と一口に言っても、それぞれ得意分野があります。次回は相続に強い税理士の選び方を解説していきましょう。

    博士

税理士に依頼できること

● 相続税の納付が必要かどうかの判断
● 相続税の申告、納付の手続きを代行してくれる

(今回のソーゾク博士=税理士法人山田&パートナーズ・税理士清三津裕三さん、構成=相続会議編集部)

(記事は朝日新聞土曜別刷り紙面「be」に掲載した内容を基に掲載しています。2022年10月1日時点での情報に基づきます)