備えに役立つコミュニケーション 家族のほか地域サービスの活用を
年齢を重ねると、身体機能や記憶力が低下していきます。こうした「機能低下」は避けられません。久しぶりに会った親が老け込んでいて驚いた、という経験をした人もいるのではないのでしょうか。備えとして役に立つのが「三つのコミュニケーション」です。記事を監修してくれる「ソーゾク博士」は、三菱UFJ信託銀行/MUFG相続研究所・小谷亨一所長さんです。
年齢を重ねると、身体機能や記憶力が低下していきます。こうした「機能低下」は避けられません。久しぶりに会った親が老け込んでいて驚いた、という経験をした人もいるのではないのでしょうか。備えとして役に立つのが「三つのコミュニケーション」です。記事を監修してくれる「ソーゾク博士」は、三菱UFJ信託銀行/MUFG相続研究所・小谷亨一所長さんです。
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きょう、二軒隣のおばあちゃんに会ったんだけど、歩くスピードが遅くなっていないかしら。
そういえば、ご主人が亡くなってから元気がないし、前より忘れ物もすると言っていたな。
ご家族は知ってるのかどうか心配。こんな時を考えて備えたほうがいいことはあるのかしら。
加齢による機能低下には誰も、あらがえません。大事なのは、加齢との共生です。その準備として「イベントカレンダー」を作っている人もいるようです。
それって何ですか。
家族との間で、さまざまな情報を共有するカレンダーです。例えば、お墓の管理料の額と支払時期をまとめたり、カードや税金の支払いの日付などを書いたりしておきます。自分の備忘録にもなりますし、将来、家族も一緒にお金を管理する時に、すぐに把握できます。文字を通じての「家族コミュニケーション」の一つですね。
口頭だけで伝えると忘れるから、情報を整理してもらえると助かる。友人から聞いたけど、親がけがした後、以前のように入浴や掃除ができなくなったって。仕事しながらのサポートは大変と言っていた。
家族だけでのサポートは、とても大変なので、地域の力も借りましょう。例えば、包括支援センターやケアマネジャーとの連携です。
具体的に、どんなメリットがあるのでしょう。
介護サービスには、居宅サービスというものがあります。そのうち、生活援助では、例えばけがをして生活に支障が出るような場合、掃除や洗濯、買い物のサポートなど、多岐にわたって支援してくれます。もしも困ったことがあれば、一度地域包括支援センターに相談してみてください。
それは助かる。
また、お子さんが同居していない場合には、実家のご近所さんと世間話をすることも大切です。最近の親の様子について聞けるからです。子どもが知らなくても、近所の人が親の異変に気づいていることもあります。これは、いわば「地域とのコミュニケーション」です。
けっこう、知らないこともありそう。
そうですね。仕事で忙しいと対応方法がわからず、自分だけで頑張りがちです。しかし、親の生活や財産に関して専門家に相談すると気が楽になり、適切なアドバイスも受けられます。これが「専門家とのコミュニケーション」です。これら三つを活用することが備えになるはずです。
・お金に関する備忘録を
・地域のサポートを活用する
・自分だけで頑張らず、専門家に相談する
(今回のソーゾク博士=三菱UFJ信託銀行/MUFG相続研究所・小谷亨一所長、構成=相続会議編集部)
(記事は朝日新聞土曜別刷り紙面「be」に掲載した内容を基に掲載しています。2022年4月1日時点での情報に基づきます)
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