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相続放棄は弁護士に相談すれば安心 手続きを丸ごと代行で失敗回避! 費用も解説
相続放棄を弁護士に相談するメリットや費用をまとました(c)Getty Images
親が亡くなったら、借金や未払いの税金などのマイナスの財産が残されるかもしれません。相続したくない場合には「相続放棄」を検討しましょう。
ただし、手続きには期限があり家庭裁判所に提出する書類を作成するなど、自分で進めるにはハードルが高いです。自分で対応すると失敗のリスクが高いので、心配な方は弁護士に依頼しましょう。弁護士に相談すれば、複雑な手続きを代行してもらえるだけでなく、相続財産の調査や債務の詳細確認を踏まえて、相続放棄が最適かどうかも判断してもらえます。
相続放棄を弁護士に相談・依頼するメリットや弁護士の選び方、費用について、相続放棄に詳しい弁護士が解説します。
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1. 相続放棄とは
1-1. 資産も負債も一切相続しないこと
相続放棄とは、相続人になれる人が資産も負債も含めて「一切の相続をしない」と申し述べることです。有効に相続放棄できれば、その人ははじめから相続人ではなかった扱いになります。親に借金があっても相続放棄をすれば、借金を引き継ぐ心配がありません。
特に財産がなくて借金や未払い家賃などの負債だけが残されているなら、相続放棄を検討するようお勧めします。
1-2. 相続放棄の期限は3カ月
相続放棄は、基本的に「相続開始を知ってから3か月以内」に家庭裁判所へ「相続放棄の申述書」を提出しなければなりません。つまり3か月の間に財産内容や借金を把握して、書類を揃えて裁判所での手続きをしなければなりません。期限を過ぎると相続放棄が認められなくなります。
1-3. 【注意】遺産を処分すると、相続放棄できなくなる
遺産の一部を使ったり処分したりすると、相続人が故人のプラスの財産だけでなくマイナスの財産もすべて引き継ぐ「単純承認」とみなされます。その時点で相続放棄はできなくなってしまいます。たとえ相続放棄の手続きが成立した後でも、無効となります。相続放棄を選択する可能性があるのなら不用意に遺産に触れてはなりません。
2. 相続放棄を弁護士に相談するメリット
相続放棄について検討しているのであれば、まず弁護士にアドバイスを求めてみましょう。以下のようなメリットがあります。
2-1. そもそも相続放棄がベストな選択かアドバイスをもらえる
親が借金していても、必ずしもすべての事案で相続放棄すべきとは限りません。負債より資産が多いときに相続放棄すると損をしてしまうでしょう。
一度、相続放棄をすると、撤回はできません。後悔しないためには、正確に財産と負債を把握し、比較したうえで冷静に判断する必要があります。
弁護士に相談して状況を伝えれば、弁護士が相続放棄すべきかどうかアドバイスしてくれます。
2-2. 裁判所での手続きや書類の準備について助言してもらえる
相続放棄するときには家庭裁判所へ書類を提出したり照会書へ解答したりなど、手間のかかる手続きに対応しなければなりません。適切に対応しなければ相続放棄が認められない可能性もあります。
弁護士に相談すると、どういった書類を集めれば良いのか、どこで入手できるのか、申述書や回答書はどのように記載すべきかなどをアドバイスしてもらえるので安心です。
2-3. 限定承認についてアドバイスしてもらえる
資産内容が不明な場合「限定承認」をすればプラスの財産の範囲内でのみマイナスの財産を相続することも可能です。
自分ではこういった微妙な判断は困難ですが、弁護士に相談すると、限定承認が適したケースややり方について教えてもらえるので、ベストな選択が可能となるでしょう。
2-4. 相続財産の計算方法を教えてもらえる
相続放棄するかどうか決めるときには「財産の評価」が必須です。ただ遺産の評価方法は専門的で、素人にはなかなかわかりづらいでしょう。弁護士に相談すると、相続財産の評価方法を確認できるので、相続放棄すべきかどうか適切に判断できます。
相続放棄についてよく理解するためにも、専門家への問い合わせを検討してみてください。
3. 相続放棄の手続きを弁護士に依頼するメリット
弁護士にアドバイスを求めるだけでなく、相続放棄の手続きそのものを依頼することもできます。弁護士に手続きを依頼することには、次のようなメリットがあります。
3-1. 手間をかけず正確に、期限内に手続きを進められる
相続放棄するときには、必要書類を過不足なく集めて正確に申述書を作成し、照会書に適切な回答をする必要があります。
自分ではすべてに対して適切な対応をするのが難しくなりますが、弁護士に任せていれば安心できるでしょう。書類集めや提出などの手間も省けます。「3カ月以内」との期限も、弁護士ならば確実に手続きしてくれます。何もしないで待っていれば相続放棄が完了するのは大きなメリットとなるでしょう。
3-2. ほかの相続人とのトラブルを回避できる
相続放棄は自分1人でもできますが、相続放棄によって次順位の相続人に相続権が移ってしまうので、きちんと他の相続人へ説明しないと親族間トラブルになる可能性があります。
弁護士に依頼していれば、弁護士から他の相続人へ手続きの意味や内容を正しく伝えてもらえます。他の相続人が相続放棄を希望するときには、方法も教えてあげられるので、親族関係を悪化させずに済むでしょう。
3-3. 債権者への対応も委ねられる
遺産の中に借金などの負債が含まれている場合、相続放棄が完了すれば支払義務はなくなります。しかし、手続きが完了するまでの間に、貸金業者をはじめとする債権者(お金を借りていた借入先)から支払いの督促がくる可能性があります。放置していると訴訟されるおそれもあるので、まずは話し合いをしなければなりません。自分で対応すると労力がかかりますし、精神的にもストレスがかかるでしょう。
弁護士が交渉してくれれば、債権者側も無理な主張はできません。相続放棄が完了するまで待つしかなくなりますし、相続放棄が完了すれば支払義務がないことが確定するので堂々と支払いを断れます。債権者対応を委ねられるのは弁護士に依頼する大きなメリットです。
3-4. 期限を過ぎても相続放棄できる可能性がある
相続放棄は「相続開始を知ってから3か月以内」に行う必要があり、期限を過ぎると受理されません。ただ弁護士に依頼したらこの期間を過ぎていても相続放棄できるケースがあります。遺産がないと信じており、信じたことに過失がなければ相続放棄が受理される可能性があるのです。
弁護士に依頼すると、期限後の相続放棄を認めてもらうための方法を検討してもらえます。自分では相続放棄を諦めざるを得ないケースでも、弁護士に依頼すると希望がつながるのは、大きなメリットといえるでしょう。
4. 弁護士費用の相場は5~10万円
相続放棄を弁護士に依頼すると、5万~10万円程度の費用がかかります。対応してもらえる内容は以下のとおりです。
- 財産調査
- 戸籍謄本などの取得
- 申述書作成、提出
- 家庭裁判所とのやり取り
- 回答書の作成、提出
- 受理書の取得、依頼者への説明、依頼者への交付
- 万一債権者から連絡が来たときの対処
このように、相続放棄の準備段階から終了後の債権者への対応まで、何もかもやってもらえるので、大変心強いでしょう。なお、対応範囲は、依頼する弁護士や契約内容によって変わることもあるため、契約時にはどこまで対応してもらえるのかを確認するようにしてください。
5. 相続放棄を相談する弁護士の選び方
相続放棄を依頼する場合、弁護士なら誰でも良いわけではありません。すべての弁護士が相続案件に詳しいわけではないためです。「相続案件の経験が豊富で相続分野に力を入れている弁護士」を選びましょう。
また、費用の内訳から具体的な金額などを明確に説明してくれる弁護士を選ぶとよいでしょう。相談者の悩みに寄り添ってくれるか、対応は丁寧で誠実か、相談者にとって不利なことも正直に伝えてくれるかという視点も大切です。
相続放棄を相談しても「やはり相続したほうがよい」という結論が出たとき、相続税申告や相続登記の手続きが必要となる可能性があります。そういったケースに備えて税理士や司法書士などの他の専門家と連携している弁護士を選ぶのがおすすめです。
これまでの実績などはホームページで確認し、無料相談を活用して実際に事務所に足を運んで、信頼できる弁護士を選びましょう。
6. 相続放棄の手続きの流れ
弁護士に依頼すれば、相続放棄の手続きを代行してもらえますが、自身でも概要を把握しておくとよいでしょう。流れを把握していることで、弁護士とのスムーズなやりとりも可能となり、弁護士の仕事ぶりを適切に確認することも可能となります。
相続放棄の手続きと流れのイメージ図
以下、相続放棄の具体的な流れと重要な期限について詳しく解説します。
6-1. 相続放棄をすべきかどうかの検討をする
まずは、相続放棄すべきかどうかの検討です。
そのためには、相続財産の全体像を把握することが重要です。プラスの財産(不動産、預貯金、株式など)とマイナスの財産(借金、保証債務、未払いの家賃、税金など)を調査し、マイナスの財産のほうが多い場合は基本的には相続放棄を選択した方がよいでしょう。
また、処分の見込みがたたない山林のように相続を避けたい遺産があったり、被相続人やほかの相続人と一切関わりたくないといった事情があったりする人も相続放棄を選択するとよいでしょう。
相続放棄すべきかを検討する段階で弁護士に相談することで、適切な判断ができます。
6-2. 必要書類を作成し、家庭裁判所へ相続放棄の申述を行う
相続放棄を決めたら、家庭裁判所で「相続放棄の申述」をしなければなりません。亡くなった人の戸籍謄本・住民票の除票、相続放棄したい人の戸籍謄本、相続関係を証明する書類などを準備し、相続放棄申述書とあわせて、管轄の家庭裁判所に提出します。
相続放棄の「相続開始を知ってから3か月以内」の期限は、家庭裁判所に申述書を提出するまでの期限です。この先の手続中に期限が過ぎたとしても、期限内に申述書の提出を済ませていれば相続放棄は受理されます。
6-3. 裁判所から相続放棄の照会書が送られてくる
申述後、家庭裁判所から相続放棄の照会書が送られてくるので、照会書の回答欄に記入して返送します。照会書には相続放棄の意思や動機などについて質問があるため、慎重に対応する必要があります。
6-4. 相続放棄受理通知書を受け取り手続き完了
照会書の回答内容に問題がなければ相続放棄が「受理」され、自宅宛に相続放棄申述受理通知書が送られてきます。これで無事に相続放棄できたことになります。
7. 相続放棄は弁護士と司法書士、どっちに依頼すべき? 違いは?
相続放棄を専門家に依頼する際、弁護士と司法書士のどちらを選ぶべきか迷う方も多いでしょう。両者の違いを理解して、適切な専門家を選びましょう。
7-1. 弁護士と司法書士の業務範囲の違い
弁護士は、「相続放棄の手続き全般に関する代理権」があります。一方で、司法書士には「書類を作成する代理権」しかありませんので、裁判所とのやりとりなどは自分で行う必要があります。
相続放棄における弁護士と司法書士の業務範囲の違い
|
弁護士 |
司法書士 |
| 相続放棄の申し立て手続き |
書類作成から裁判所への 申立てまで代理できる |
書類作成のみ 申立ては本人が行う |
| 相続放棄照会書や回答書 |
本人に代わって回答できる |
回答できない |
| 費用相場 |
5万円~10万円 |
3万円~5万円 |
| 債権者やほかの相続人への対応 |
対応できる |
対応できない |
7-2. 弁護士への依頼が特に適しているケース
以下のような状況では、司法書士よりも弁護士への依頼をおすすめします。
【他の相続人とのトラブルが予想されるケース】
相続争いが発生しており他の相続人とのトラブルが予想されるケースでは、他の相続人への対応も任せられる弁護士への依頼がおすすめです。
【期限が迫っているケース】
申述までの期限が迫っているケースでは、書類の提出までを任せられる弁護士に依頼するのがよいでしょう。期限を過ぎてしまった場合でも、弁護士であれば相続放棄を受理してもらえる可能性があります。
【債権者への対応が必要なケース】
相続放棄が認められるまでの期間であっても、債権者への対応は大きなストレスとなります。債権者から督促を受けている、訴訟を提起されているなど債権者への対応が必要なケースでは、弁護士に対応を任せておくと安心です。
単純な相続放棄であれば司法書士でも対応可能ですが、複雑な事情がある場合や包括的なサポートを求める場合は、弁護士への依頼が安心です。
8. 相続放棄を弁護士に相談することに関連して、よくある質問
Q. 相続放棄の期限(3ヶ月)を過ぎてしまった場合、弁護士に相談すれば何とかなる?
相続放棄を検討する動機となる財産や負債の存在を知らず、知らなかったことに相当の理由がある場合には、相続放棄が認められる可能性があります。
ただし、この場合でも、財産や負債を知ってから3か月以内には申述書の提出を済ませる必要があります。特別な理由なく期限を過ぎてしまった場合には、弁護士に相談しても相続放棄は認められません。
Q. 相続放棄は自分でもできる?弁護士に依頼する必要はある?
相続放棄は自分でもできますが、弁護士に依頼すると時間や手間をかけずに手続きを進められます。また、自分自身では相続放棄すべきかを正しく判断できない可能性もあります。弁護士に相談すれば、財産や負債の状況を踏まえた正しい判断ができるので安心です。
Q. 複数の相続人が相続放棄したい場合、弁護士にまとめて依頼できる? 費用は安くなる?
同順位の相続人と配偶者は、まとめて相続放棄できます。その際、共通の書類は1通で済むため、書類の発行手数料は安くなります。弁護士費用も、まとめて依頼すれば割引されるケースが多いでしょう。
ただし、次順位の相続人については、先の相続人の相続放棄が認められたあとで改めて手続きが必要となるため、費用も個別にかかります。
Q. 相続放棄の弁護士費用が安い事務所を探すにはどうすればいい?
相続放棄の弁護士費用は、個別の事情によって異なる可能性もあるためインターネット上の情報だけで正確な金額を把握するのは難しいでしょう。費用が安い事務所を探すには、無料相談を活用して複数の事務所で見積りを作成してもらうのが確実です。
法テラスの利用条件を満たしているのであれば、法テラスを利用するとより安い金額で弁護士に依頼できます。ただし、相続放棄といった重大な事項については、安ければよいというのではなく、しっかり手続きを進めてくれる事務所を選ぶことの方が重要です。
9. まとめ 相続放棄を検討したら弁護士に相談を
相続放棄に失敗すると、借金などの負債を相続してしまって大変な不利益が発生します。簡単かつ確実に相続放棄を成功させるには、弁護士のサポートが必要といえるでしょう。「相続放棄した方が良いのかも」という考えが頭をよぎったときには、お早めに弁護士に相談してみてください。
(記事は2025年10月1日時点の情報に基づいています)
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