1.借金も相続の対象になる

亡くなった方に借金があれば、相続人に相続されます。借金を相続したら、相続人が自分で支払わなければなりません。

「借金を相続したかもしれない」という心当たりがあれば、正しい調べ方を知って負債をしっかり洗い出す必要があります。借金の調べ方としては、信用情報機関へ開示請求する方法が有効です。郵便受けや自宅の各場所、通帳の記帳内容などもしっかり確認しましょう。

1-1.相続の対象となる借金

たとえば以下のような借金や負債はすべて相続の対象です。

●消費者金融、クレジットカードやカードローンの負債(一括払い、分割払い、リボ払い、ショッピング、キャッシングすべてが相続されます)
●事業用のローンや融資残
●個人からの借金
●滞納家賃
●滞納水道光熱費
●滞納通信料、スマホ代
●滞納税
●連帯保証債務

相続人の立場になったら、借金が残されていないか慎重に調べなければなりません。ただし、被相続人が以下のような負債を負っていた場合には、支払いが免除されるのが通常です。

●住宅ローン
団体信用生命保険によって完済されます。

●奨学金(日本学生支援機構)
本人が死亡した場合、日本学生支援機構へ申請すれば免除してもらえます。

1-2.相続放棄によって借金を免除してもらえる

負債を相続したくない場合、相続放棄が有効です。相続放棄するとその人は「初めから相続人ではなかった」ことになるので、一切相続せずに済みます。

ただし、相続放棄には期限があるので要注意。基本的に「相続開始を知ってから3カ月以内」に家庭裁判所で「相続放棄の申述」をしなければなりません。期限を過ぎると借金を相続せざるを得なくなる可能性が高くなってしまうので、心当たりのある方は急いで手続きをしましょう。

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2.消費者金融、クレジットカードやローンなどの調べ方

次に借金や負債の種類別に調べ方を紹介していきます。

まずは消費者金融やクレジットカード、カードローンなどの消費者向けローンの調べ方をみてみましょう。

2-1.信用情報機関へ情報開示請求する

これらの消費者向けローンについては、「信用情報機関」へ情報開示すると正確に把握しやすいので覚えておきましょう。

信用情報機関とは、個人のローンやクレジットの利用履歴を登録している専門機関のこと。その人がどこの貸金業者や金融機関からどのくらいの借り入れをしているかを詳細に把握しています。相続人であれば、被相続人の信用情報を取得できるので、借金の明細を知りたければぜひ開示申請してみてください。

信用情報機関には以下の3種類があるので、すべてに対して情報開示請求しましょう。

JICC
郵送またはアプリ、窓口申請で受け付けています。郵送やアプリで申請すると10日前後で開示書類が送られてきます。

CIC
郵送またはWEB上での申請、窓口申請により受け付けています。郵送で申請した場合には10日前後で開示書類が送られてきます。WEB申請の場合、その場で閲覧可能です。

KSC
郵送のみで申請を受け付けています。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響により、JICCやCICでも窓口申請が制限されている可能性があるので事前に確認することをお勧めします。

【必要書類】
信用情報の請求手続を行う際には以下の書類を用意しましょう。

●開示請求の申請書
●相続関係を証明する戸籍謄本類
●被相続人の除籍謄本や住民票除票
●相続関係説明図
●申請者の本人確認書類

【費用】
窓口申請なら500円、その他の場合には1000円がかかります。

2-2.自宅内を調べる

信用情報をみても100%確実に借り入れ状況を把握できるとは限りません。漏れが生じないように、自宅内に以下のような資料が残されていないか確認してみてください。

●契約書控え(金銭消費貸借契約書、借用書、カード利用約款など)
●通帳の引き落とし内容(カードローンの引き落とし記録など)
●振込証
●滞納した場合に自宅へ届いている督促状、内容証明郵便、裁判所からの書類など

3.個人の借金や滞納税、滞納公共料金の調べ方

個人からの借金や滞納税、公共料金やスマホ代などの未払い分については信用情報に載らないので、別の方法で調べる必要があります。

3-1.自宅内を調べる

まずは自宅内に以下のようなものが残されていないか、みてみましょう。

●契約書(金銭消費貸借契約書、借用証、賃貸借契約書など)
●請求書、督促状(滞納していると、国や自治体、電力会社などの債権者から支払いの請求書が届きます)
●手帳の記録(本人が借り入れについて手帳に記録している場合もあります)

3-2.郵便受けを必ずチェックする

借金や負債を調べる際には、必ず郵便受けをチェックしましょう。通常、支払いを延滞したらどのような債権者も督促状を送ってくるものです。

3-3.留守電をチェックする

被相続人の携帯電話に督促の電話がかかってくるケースもよくあります。留守電の内容も確認しましょう。

4.連帯保証債務に要注意

特に被相続人が事業者だったケースでは、連帯保証債務に注意しなければなりません。

連帯保証債務の場合、主債務者が返済している限り保証人のもとへ督促が来ませんし、保証人が支払いも行わないのが通常です。それでは相続人が負債の存在を知るきっかけがありません。結果的に見過ごされてしまいがちです。

しかし、主債務者が払わなくなったとたんに相続人へ莫大な請求が来るので、相続人たちはたちまち困ってしまうことになります。

被相続人が法人を経営している場合には会社の負債を保証している可能性が高く、付き合いで知り合いの経営者の保証人になっているケースも少なくありません。会社関係書類も含めてチェックし、連帯保証債務がないか確認しましょう。

まとめ:相続放棄には期限があるので、早めの対応が肝心

借金の調べ方はケースによってさまざまで、手間のかかる作業です。正確に行わないと漏れが生じて借金を強制的に相続させられてしまうリスクもあります。また、相続放棄には期限もあるので、早めの対応が肝心といえるでしょう。自分たちだけで対応すると不安が残ります。

より確実に安全な方法で借金や負債の相続を避けたい方は、弁護士などの専門家へ相談してみてください。

(記事は2021年3月1日時点の情報に基づいています)