京都の相続の無料相談先9選 選び方のポイントを解説
日本の都として政治や文化の中心地だった京都はいま、世界中から観光客が集まる都市です。京都市を中心として、京都府内には多額の資産がある方も多くいます。そのような方が亡くなると、親族間で遺産の分け方を巡ったトラブルが起こるケースがよくあります。円滑・円満に相続手続きを完了するために、弁護士をはじめとする各種無料相談窓口の利用をご検討ください。本記事では、京都府にお住まいの方が利用できる無料相談窓口を紹介します。
日本の都として政治や文化の中心地だった京都はいま、世界中から観光客が集まる都市です。京都市を中心として、京都府内には多額の資産がある方も多くいます。そのような方が亡くなると、親族間で遺産の分け方を巡ったトラブルが起こるケースがよくあります。円滑・円満に相続手続きを完了するために、弁護士をはじめとする各種無料相談窓口の利用をご検討ください。本記事では、京都府にお住まいの方が利用できる無料相談窓口を紹介します。
目次
相続手続きを円滑に終えるためには、専門家や行政機関に相談してアドバイスを受けるのが効果的です。
京都府在住の方は、主に以下の無料相談窓口を利用できます。
相続手続きの進め方に不安がある場合や、相続トラブルが起こっている場合は、相続業務を得意としている専門家へ初めから相談することがお勧めです。
相続に対応できる主な専門家としては、弁護士、司法書士、税理士が挙げられます。京都府内には多数の弁護士、税理士、司法書士事務所があってそれぞれの対応分野で相続に関する相談を受け付けており、中には相続に特化した事務所もあります。
専門家によって相続業務に携わった経験の差があるため、経験の豊富な専門家を見極めることが大切です。また、初回相談は無料でも、2回目以降の相談には料金がかかる場合がありますので、相談前に調べておくとよいでしょう。事務所の公式ホームページや、「相続会議」のようなポータルサイトの事務所紹介ページから、専門家選びの参考になる情報が得られます。
京都府内の市役所、区役所、支所では、各専門家と連携して相続に関する相談会を行っています。
たとえば、京都市では市内在住の方を対象として、弁護士による京都市民法律相談を実施しています。消費生活総合センターおよび各区役所・支所が相談窓口となっており、1組につき20分以内で相談に応じています。限られた相談時間を有効に活用するために、対面相談の場合は、サイト内にある京都市民法律相談票を印刷のうえ、記入をして、相談の際に持参するとよいでしょう。
相談窓口は以下の表のとおりです。
相談窓口名 | 電話番号 | 予約受付時間 | 相談日時 |
---|---|---|---|
消費生活 総合センター |
075-366-3349 | <電話および来所予約> 希望する相談日の週の月曜日 午前9時から相談日当日まで 午前9時~午後5時 <インターネット予約> 希望する相談日の前の週の月曜日 午前9時から日曜日まで |
毎月第2・第4火曜日 第2・第4木曜日 午後6時~午後8時 (電話相談のみ) ※祝日、年末年始などの 閉庁日を除く |
北区役所 | 075-432-1208 | <電話および来所予約> 希望する相談日の週の月曜日 午前9時から相談日当日まで 午前9時~午後5時 <インターネット予約> 希望する相談日の前の週の木曜日 午前9時から日曜日まで |
毎週水曜日 午後1時15分~午後3時35分 (対面相談のみ) ※祝日、年末年始などの 閉庁日を除く |
上京区役所 | 075-441-5040 | ||
左京区役所 | 075-702-1029 | ||
中京区役所 | 075-812-2426 | ||
東山区役所 | 075-561-9114 | ||
山科区役所 | 075-592-3088 | ||
下京区役所 | 075-754-8769 (予約専用) 075-371-7170 (問い合せ先) |
||
南区役所 | 075-632-8171 (予約専用) 075-681-3417 (問い合せ先) |
||
右京区役所 | 075-861-1264 | ||
西京区役所 | 075-381-7197 | ||
西京区役所 洛西支所 |
075-332-9318 | ||
伏見区役所 | 075-611-1144 | ||
伏見区役所 深草支所 |
075-642-3203 | ||
伏見区役所 醍醐支所 |
075-571-6135 |
このほかに、京都府では、広域振興局管内の庁舎で、弁護士による無料法律相談を行っています。相談には予約が必要ですので、相談を希望する方は、あらかじめ公式ウェブサイトから詳細をご確認ください。
どの専門家に相談するべきか分からない方は、まずはこうした市区町村役場で行っている無料相談窓口を利用してみるのも1つの手です。ただし、必ずしも担当者が相続に詳しいとは限らず、相談時間も短く限定されているため、複雑な事案については十分なアドバイスを受けられないことがある点に注意が必要です。
法テラス(日本司法支援センター)は、市民と弁護士・司法書士との距離を縮めるために設置された公的機関です。
収入と資産がいずれも一定水準以下の方を対象に、法テラスと契約している弁護士または司法書士による無料法律相談(30分×3回まで)を行っています。また、対象者は依頼費用の立替払い制度も利用できますので、経済的にお困りの方は、法テラスの活用をご検討ください。
京都府内には、京都市に法テラス京都があります。
事務所名 | 住所 | 電話番号 | 予約受付時間 |
---|---|---|---|
法テラス京都 | 京都市中京区御池通東洞院西入笹屋町435 京都御池第一生命ビルディング3F |
0570-078332 | <電話予約> 平日9時~17時 インターネット予約は こちらから |
また、以下に該当する方で相談場所に出向くのが難しい場合は、法テラス京都の弁護士等による自宅や入院先への出張相談を利用できる場合があります。詳細は電話でお問い合わせください。
なお、法テラス経由で法律相談をする場合は、自身で相談先の弁護士・司法書士を選ぶことができません。ただし、法テラスと契約している弁護士・司法書士へ先に相談すれば、ご自身で依頼先を決めてから、その弁護士や司法書士を通じて法テラスの利用を申し込むことができます。
弁護士会は、弁護士を統括する自治組織です。弁護士は相続トラブルの予防・解決をはじめ、相続に関するさまざまな業務に対応できます。
京都弁護士会では遺言・相続に関する相談窓口を設けています。対面相談は有料ですが、電話相談であれば20分まで無料で相談することができます。
また、京都弁護士会で設置している京都弁護士会館や各法律相談センターでも法律相談を受け付けています。相談は原則として有料ですが、相談者の資力が基準に該当する場合は、無料で相談が可能です(法テラス指定相談場所)。
相談窓口名 | 電話番号 | 受付時間 |
---|---|---|
遺言・相続に関する相談窓口(電話相談) | 075-255-4990 | 平日13時〜15時30分 (年末年始、祝日を除く) |
司法書士会は、司法書士を統括する自治組織です。司法書士は不動産の相続登記を取り扱っているほか、紛争性のない場合の相続手続きにも対応しています。
2024年4月1日から相続登記が義務化されたことに伴い、京都司法書士会は同会会館での相談に従来の「登記・法律相談」に加えて、「相続登記相談」を新設しました。相続登記の手続きに特化した相談会ですので、相続不動産に関するお悩みがある方は、こちらの機会に相談してみるとよいでしょう。
また、京都司法書士会は京都府内で無料の相談会を多数開催しています。無料相談会はこちらから検索と予約ができます(実際の相談会の名称は曜日によって異なる場合があります)。
相談会 | 電話番号 | 相談日時 |
---|---|---|
登記・法律相談 | 075-255-2566(相談予約専用) | 火・木曜日15時~17時 木曜日19時~21時 土曜日10時~12時 |
相続登記相談(新設) | 月・水・金曜日15時~17時 土曜日10時~12時 |
法務局は相続登記(相続した不動産の名義変更)を取り扱っています。不動産を相続する場合は、不動産の所在地を管轄する法務局の本庁、支局、出張所で相続登記の手続きを行う必要があります。
京都府は「京都地方法務局」が管轄しており、府内各地に支局・出張所が設置されています。相続登記の手続きについて不明な点がある場合は、相続不動産の所在地の管轄庁に問い合わせましょう。不動産登記管轄区域については京都地方法務局による「京都地方法務局 不動産登記/商業・法人登記の管轄区域一覧」でご確認ください。
また、京都地方法務局は京都司法書士会と共同で「相続・遺言相談センター」を開設し、無料相談(1回30分以内・要予約 )を行っています。相談会場は以下のとおりです。
相談窓口名 | 住所 | 電話番号 | 相談日時 |
---|---|---|---|
京都地方法務局 | 京都市上京区荒神口通河原町 東入上生洲町197 京都地方法務局 本局 3階相談室4 |
075-585-4113 | 月・水・金曜日14時〜16時 ※祝日、年末年始を除く |
京都地方法務局 宇治市局 |
宇治市宇治琵琶33-2 京都地方法務局 宇治市局 1階 |
075-585-4113 | 第2・第4火曜日15時〜17時 ※祝日、年末年始を除く |
税理士会は、税理士を統括する自治組織です。税理士は、相続手続きの中でも相続税申告や所得税の準確定申告など、税金に関する業務に特化しています。
近畿税理士会では、近畿2府4県の各地に税務相談センターを設け、税金に関する無料相談を実施しています。京都府内にある相談センターの場所や電話番号、相談日時は「京都府内の税務相談センター一覧」からご確認ください。
行政書士会は、行政書士を統括する自治組織です。行政書士は、遺産分割協議書や遺言書の作成など、相続手続きで必要な書類の作成を行います。
ただし、法律的な判断を要する相談や、相続登記、相続税申告に関する相談には対応できません。これらの事項については、弁護士、司法書士、税理士といった対応分野の専門家に相談しましょう。
京都府には「京都府行政書士会」が設置されています。
京都府行政書士会では、毎週水曜日に本会で無料相談会を開催しています。また、府内各地にある支部でも定期的に無料相談会を実施しているようです。開催日時や場所などの詳細は、京都府行政書士会のウェブサイトで確認してみてください。
税務署は、国税の申告や納付を受け付けている機関です。相続税は国税ですので、相続税が必要とされる場合は、税務署で申告と納付を行う必要があります。
相続税申告は、亡くなった人の住所地を管轄する税務署に申告書を提出して行います。税額の計算方法や申告書の書き方など、相続税について分からないことがあれば、税務署の職員に相談することができます。税務署の場所や電話番号は、国税庁の「税務署所在地・案内(京都府)」でご確認ください。
ただし、税務署に相談しても、節税のアドバイスや申告手続きの代行はしてもらえない点に注意が必要です。また、仮に税務職員のアドバイスが間違っており、それに従って申告した結果、追徴課税の対象になったとしても、税務署は責任を負ってはくれません。
そのため、自身に合った節税対策を行いたい場合や、相続税申告の手続きを一通り依頼したい場合は、相続に詳しい税理士に相談するのがお勧めです。
京都にお住まいの方が相続の無料相談先を選ぶ際のポイントは、以下のとおりです。
弁護士、司法書士、税理士は、それぞれ取り扱うことができる業務が異なります。そのため、自身が相談したい内容に合った専門家に相談することが大切です。
■弁護士:法律に関する業務全般(紛争性があるものを含む)
・相続財産の調査
・相続人の調査
・遺産の名義変更手続き
・遺産分割
・遺留分侵害額請求
・遺言書の作成
・相続放棄(書類作成+代理)
など
■司法書士:登記手続き、その他の紛争性がない相続手続き
・相続財産の調査
・相続人の調査
・遺産の名義変更手続き(特に不動産の相続登記)
・相続放棄(書類作成のみ)
など
■税理士:税金に関する業務
・相続税の申告
・生前の相続税対策(タックスプランニング)
など
なお、隣接士業と連携している専門家事務所に相談すれば、相続手続きを幅広くサポートしてもらえます。「相続会議」では、隣接士業と連携している事務所も多数掲載していますので、相談先の専門家を選ぶ際に活用してみてください。
相続手続きに関する一般的な質問であれば、公的機関の窓口に相談するのがよいでしょう。京都にお住まいであれば、相続登記については司法書士会の相続登記相談または法務局、相続税については近畿税理士会の税務相談センターまたは税務署が適しています。
これに対して、相続人関係の複雑なお悩みや、財産内容を考慮した節税対策などを相談したい場合には、初めから弁護士や税理士などの事務所へ相談することをお勧めします。
専門家への相談は無料でも、実際に手続きを依頼する際は依頼費用がかかります。自身で依頼費用が準備できるのであれば、専門家に直接依頼しましょう。
依頼費用の捻出が難しい場合は、法テラスの利用をご検討ください。収入と資産がいずれも一定水準以下であれば、弁護士費用や司法書士費用を立て替えてもらうことができます。なお、税理士費用の立て替えは、法テラスでは行っていません。
法テラスと契約している弁護士・司法書士を通じて法テラスの利用を申し込むことができます。まずは「相続会議」などを通じてお近くの弁護士を探し、法テラスを利用できるかどうか、電話やメールで問い合わせてみましょう。
行政機関や弁護士会、司法書士会、税理士会の相談窓口が開いているのは、原則として平日の日中です。仕事や育児で忙しく、平日の日中に相談するのが難しい方は、受付日時が幅広い専門家事務所への相談がお勧めです。
弁護士、司法書士、税理士の事務所の中には、夜間や土日祝日の相談にも応じてくれるところも多数あります。各専門家の事務所に問い合わせて、夜間・土日祝日の相談に対応しているかを確認してみてください。
円滑に相続手続きを終えるためには、相続業務の経験を豊富に有する専門家に相談するのが一番です。
相続業務の経験を豊富に有する専門家は、以下の方法で探すことができます。
Googleなどの検索エンジンを活用すると、相続業務を取り扱っている専門家を探すことができます。
たとえば「司法書士 地域名 相続 無料相談」と検索すると、お住まいの地域で相続の無料相談に対応している司法書士を探すことができます。検索して出てきたウェブサイトにアクセスすると、問い合せフォームや電話番号が記載されているはずです。そこから無料相談を申し込むことができます。
相続ポータルサイトとは、弁護士や司法書士、税理士など、相続に強い専門家の情報がまとまっているサイトです。
相続ポータルサイトの1つである「相続会議」には、全国各地の弁護士、司法書士、税理士が登録されています。また、登録されている専門家の多くは、初回相談を無料で受け付けています。
エリアや相談内容から自身に合った専門家を検索できますので、相続でお困りの方はぜひ利用してみてください。
相続の無料相談を有効に活用するためのポイントは、以下の3つです。
相続に関する無料相談は、相談時間や相談回数が限られているケースがほとんどです。相談しながら質問を考えていると、本当に聞きたいことを質問する前に時間切れになってしまうこともあります。
無料相談を有効に活用するためには、聞きたいことや最終的な希望を明らかにして、メモに残しておくのがよいでしょう。メモを準備したうえで無料相談に臨めば、当日は落ち着いて相談できます。
相続の無料相談を利用する際は、相談内容に関係のありそうな資料はできるだけ持参しましょう。たとえば、以下のようなものが挙げられます。
戸籍謄本は、亡くなった人の相続人が誰なのかを明確にするために必要な書類です。相続税額を計算する際や遺産分割を考える際に役立つ資料ですので、なるべく持参するようにしましょう。
また、相続に関連する出来事をまとめた時系列表を作成しておくのも有効です。たとえば、遺産の使い込みによるトラブルについて弁護士に相談する際は、「使い込みを知った日」「確認できる使い込みの日にちと金額」を整理しておくと、弁護士から適切なアドバイスをもらえるでしょう。
相続の相談をするときは、事実を正確に伝えることが大切です。
自身にとって不都合な事実を隠していると、正しいアドバイスを受けることができません。それどころか、相談していた内容が嘘だと発覚すると、専門家からの信頼をなくして辞任されてしまう可能性もあります。
こうした事態を防ぐために相談の場では、自身に不利益なことも含めて事実を漏れなく伝えましょう。
京都は三代都市圏の1つである大阪府に隣接しているほか、日本を代表する観光都市でもあり、特に利便性の高いエリアや居住環境が良好なエリアは不動産価値が高い傾向にあります。そのため、京都に不動産を持っている方が亡くなると、相続税の基礎控除を超え、相続税の申告が必要になるケースが多いです。
また、多額の財産を所有する方の相続では、遺産分割に関するトラブルが生じることがよくあります。裁判所の「令和4年司法統計年報 3 家事編 |」の62ページによると、京都家庭裁判所にて2022年に取り扱った遺産分割事件(終局区分別)は320件で、大阪高裁管内では大阪家庭裁判所、神戸家庭裁判所に次いで多い結果となっています。
相続税対策やトラブル対策は、生前のうちから取り組んでおくのが効果的です。家族を交えて話し合う、相続に詳しい専門家に相談するなど、早い段階から相続を見据えた対策を検討しましょう。
京都には専門家や行政機関、自治体など、相続に関する無料相談窓口が充実しています。
相続に関する具体的なアドバイスが欲しい場合や、実際に手続きを依頼したい場合は、弁護士、司法書士、税理士などの専門家に相談するのがお勧めです。相続手続きの中には期限が設けられているものもありますので、不安がある方は早めに相談しましょう。
相続業務に強い弁護士、司法書士、税理士を探す際は、「相続会議」といった相続ポータルサイトの利用が便利です。エリアや相談内容からの検索で、無料相談を受け付けている専門家を簡単に検索できますので、ぜひご活用ください。
(記事は2024年6月1日時点の情報に基づいています)