名古屋の相続相談先9選【無料】 最適な窓口の選び方を解説
名古屋市にお住まいの方は多くの財産を持っているケースが多いため、亡くなった際には相続トラブルや相続税の課税に注意が必要です。弁護士をはじめとする相続の無料相談窓口を活用しながら、スムーズな相続手続きの完了を目指しましょう。本記事では、名古屋市にお住まいの方が利用できる、相続の無料相談窓口を紹介します。
名古屋市にお住まいの方は多くの財産を持っているケースが多いため、亡くなった際には相続トラブルや相続税の課税に注意が必要です。弁護士をはじめとする相続の無料相談窓口を活用しながら、スムーズな相続手続きの完了を目指しましょう。本記事では、名古屋市にお住まいの方が利用できる、相続の無料相談窓口を紹介します。
目次
相続手続きを円滑に終えるためには、専門家や行政機関に相談してアドバイスを受けることが効果的です。
名古屋市にお住まいの方が利用できる相続の無料相談窓口としては、主に以下の9種類があります。
「相続手続きの進め方がわからない」「遺産分割で揉めている」といった場合は、相続に詳しい専門家に相談するのがお勧めです。
名古屋市内には多数の弁護士、税理士、司法書士が存在し、それぞれの対応分野で相続に関する相談を受け付けています。初回相談については、30分から60分程度無料で対応してもらえる事務所が多くあります。
専門家によって相続業務に携わった経験の差があるため、経験の豊富な専門家を見極めることが大切です。事務所の公式ホームページや、「相続会議」のようなポータルサイトの事務所紹介ページが参考になります。
なお、初回相談は無料でも、実際に専門家に依頼をする際は、依頼費用が発生します。正式に依頼する前に専門家へ確認し、見積もりを提示してもらいましょう。
法テラス(日本司法支援センター)は、市民と法専門家の距離を縮めるために設立された公的機関です。愛知県内には、法テラス愛知があります。
収入と資産がいずれも一定水準以下の場合に限り、法テラスと契約している弁護士または司法書士による無料相談(30分×3回まで)と、依頼費用の立替払い制度を利用できます。経済的な余裕がなく、依頼費用の支払いが難しい場合は、法テラスの利用を検討しましょう。
事務所名 | 住所 | 電話番号 | 予約受付時間 |
---|---|---|---|
法テラス愛知 | 名古屋市中区栄4-1-8 栄サンシティービル15F |
0570-078341 | 平日9時~17時 |
なお、法テラスに直接相談する際は、相談や依頼をする弁護士・司法書士を自身で選ぶことができない点に注意してください。
これに対して、法テラスと契約している弁護士や司法書士へ先に相談すれば、ご自身で依頼先を決めてから、弁護士や司法書士を通じて法テラスの利用を申し込むことも可能です。
名古屋市内の市役所や区役所では、弁護士、税理士、司法書士などと連携して、相続に関する相談会を実施しています。住民であれば誰でも無料で利用可能です。
市役所・区役所における相談会は予約制が一般的で、相談時間は1回あたり20分から30分程度です。たとえば、名古屋市役所では平日の13~16時に、各区役所では月2回の指定日の13~16時に、弁護士による法律相談を行っています。
実施日程などの詳細については、各役所の担当者にご確認ください。
いきなり専門家の事務所に足を運ぶことに抵抗を感じる方は、まずは市区町村役場の無料相談を活用してみるとよいでしょう。ただし、担当者が相続に詳しいとは限りません。また、相談時間が限られているため、複雑な事案については十分なアドバイスを受けられないことがある点にも注意が必要です。
弁護士会は、弁護士を統括する自治組織です。相続手続きで困ったとき、相続トラブルが発生しているときは、弁護士会への相談を検討しましょう。
愛知県弁護士会では定期的に無料相談会を実施しており、相続に関する相談会もあります。相談会の日程は公式のウェブサイトに掲載されているので、気になる方はチェックしてみてください。
また、無料でない相談窓口もあるものの、愛知県弁護士会が県内各地に置いている法律相談センターでも相続に関する相談に応じています。名古屋市には名古屋法律相談センター(有料)と三の丸法律相談センター(初回無料)があります。
相談窓口名 | 住所 | 電話番号 | 予約受付時間 | 相談日時 |
---|---|---|---|---|
名古屋法律 相談センター |
名古屋市中村区 名駅3-22-8 大東海ビル4F |
052-565-6110 | 9時10分~16時30分 (土日祝日を含む) |
相続専門相談 ※有料 月曜日:9時20分〜14時 水曜日:11時45分〜16時25分 土曜日:14時10分〜16時25分 祝日:9時20分〜11時35分 |
三の丸法律 相談センター |
名古屋市中区 三の丸1-4-2 愛知県弁護士会館内 |
052-203-1651 | 予約不要 | 平日13時〜15時30分 ※家庭裁判所における調停・審判・訴訟の当事者になった人が対象(初回無料) |
司法書士会は、司法書士を統括する自治組織です。司法書士は相続登記をメインに取り扱っているほか、トラブルが起こっていない場合の相続手続きにも対応しています。
愛知県司法書士会は県内5か所に総合相談センターを設けており、ウェブでの相談も可能です。名古屋には名古屋総合相談センターがあり、1時間程度の初回相談を無料で受け付けています。毎週水曜日が特に相続について相談しやすい「相続・成年後見相談Day」となっています。
また、愛知県司法書士会の「登記・相続電話ガイド」では、相続手続きや相続登記についての電話相談を行っています。なお、通話料は相談者負担です。
相談窓口名 | 電話番号 | 予約受付時間 | 相談日時 |
---|---|---|---|
名古屋総合 相談センター (予約受付) |
052-683-6686 | 電話予約:平日10時〜15時 インターネット予約:365日24時間 |
平日:13時〜16時 土曜日:10時〜13時 【女性司法書士による 女性のための相談Day】 毎月第3木曜日:10時〜13時 ※いずれも祝日年末年始などを 除く |
登記・相続 電話ガイド |
050-3533-3707 | − | 平日10時~13時 (祝日・年末年始などを除く) |
税理士会は、税理士を統括する自治組織です。税理士は、相続税の申告や相続税対策など、相続のうち税金に関する部分に対応しています。
名古屋税理士会は税務相談室を設け、税に関してまずは気軽に相談できる無料相談窓口として対応しています。
相談窓口名 | 電話番号 | 相談日時 |
---|---|---|
税務相談室 | 052-752-7211 (電話相談) |
毎週火曜日(第5火曜日、祝日・年末年始などを除く) 13時30分~16時30分(16時最終受付) |
行政書士会は、行政書士を統括する自治組織です。行政書士は、相続関係図や遺言書の作成など、相続に関する書類の作成業務を行います。
ただし、相続登記や相続税申告、相続トラブルに関する案件には、行政書士は関与できません。相続登記なら司法書士、相続税なら税理士、相続トラブルなら弁護士に相談しましょう。
愛知県行政書士会は本部を名古屋市に設け、無料相談会を行っています。
また、名古屋地区にある各支部でも定期的に無料相談会を行っているようです。たとえば中央支部では年に数回、名古屋支部では毎月第3火曜日に開催しています。場所や日時、受付時間などの詳細は、支部の公式ウェブサイトでご確認ください。
相談窓口名 | 電話番号 | 予約受付時間 | 相談日時 |
---|---|---|---|
愛知県行政書士会 常設無料相談会 |
052-908-7255 | 10時〜16時 | 毎月第2火曜日(祝日を除く)10時〜16時 |
法務局は相続登記(相続した不動産の名義変更)を取り扱う場所です。登記手続きを行うときは、相続不動産の所在地を管轄する法務局の本庁または出張所に申請をします。
名古屋市を管轄するのは名古屋法務局本局(名古屋市のうち中区、東区、北区、中村区、西区、千種区、昭和区)、熱田出張所(名古屋市のうち熱田区、南区、中川区、港区、瑞穂区、緑区)、名東出張所(名古屋市のうち名東区、守山区、天白区)です。相続登記の手続きについて不明な点がある場合には、相続不動産の所在地の管轄庁を確認したうえで問い合わせましょう。不動産登記管轄区域については名古屋法務局による「名古屋法務局 不動産登記/商業・法人登記の管轄区域一覧」でご確認ください。
相続税の申告は、亡くなった人の住所地を管轄する税務署に申告書を提出して行います。相続税に関する税法のルールや、申告書の書き方については、税務署の職員に相談することができます。税務署の場所や電話番号は、国税庁の「税務署所在地・案内(愛知県)」でご確認ください。
ただし、税務署では節税に関するアドバイスや申告手続きの代行はできません。仮に税務職員のアドバイスが間違っており、それに従って申告した結果、追徴課税の対象になったとしても、税務署は一切責任を負いません。
そのため、具体的な節税のアドバイスを受けたい場合や、相続税申告の代行を依頼したい場合には、相続に詳しい税理士に相談するのが有効です。
税務署名 | 所在地 | 電話番号 | 管轄地域 |
---|---|---|---|
熱田税務署 | 名古屋市熱田区 花表町7番17号 |
052-881-1541 | 熱田区、南区、 緑区、豊明市 |
昭和税務署 | 名古屋市瑞穂区 瑞穂町字西藤塚1番地の4 |
052-881-8171 | 昭和区、瑞穂区、天白区、 日進市、長久手市、愛知郡 |
千種税務署 | 名古屋市千種区 振甫(しんぽ)町3丁目32番 |
052-721-4181 | 千種区、名東区 |
中川税務署 | 名古屋市中川区 尾頭橋1丁目7番19号 |
052-321-1511 | 中川区、港区 |
名古屋北税務署 | 名古屋市北区 清水5丁目6番16号 |
052-911-2471 | 北区、守山区 |
名古屋中税務署 | 名古屋市中区 三の丸3丁目3番2号 名古屋国税総合庁舎 |
052-962-3131 | 中区 |
名古屋中村税務署 | 名古屋市中村区 太閤3丁目4番1号 |
052-451-1441 | 中村区 |
名古屋西税務署 | 名古屋市西区 押切2丁目7番21号 |
052-521-8251 | 西区、清須市、 北名古屋市、西春日井郡 |
名古屋東税務署 | 名古屋市東区 主税(ちから)町3丁目18番地 名古屋第三国税総合庁舎 |
052-931-2511 | 東区 |
名古屋市にお住まいの方が相続について無料で相談したい場合には、以下の観点から相談先を選ぶとよいでしょう。
弁護士、司法書士、税理士は、それぞれ取り扱っている業務の内容が異なります。そのため、自身が相談したい内容に対応できる専門家に相談することが大切です。
■弁護士:法律に関する業務全般(紛争性があるものを含む)
・相続財産の調査
・相続人の調査
・遺産の名義変更手続き
・遺産分割
・遺留分侵害額請求
・遺言書の作成
・相続放棄(書類作成+代理)
■司法書士:登記手続き。その他、紛争性がない相続手続き
・相続財産の調査
・相続人の調査
・遺産の名義変更手続き(特に不動産の相続登記)
・相続放棄(書類作成のみ)
■税理士:税金に関する業務
・相続税の申告
・生前の相続税対策(タックスプランニング)
たとえば、遺言書の有効性に疑問がある場合や、相続人同士の意見が合わず遺産分割の話し合いが進まない場合には、法律に強い弁護士に相談しましょう。
相談する専門家を間違えると二度手間になる可能性がありますが、隣接士業と連携している専門家に相談すれば、相続のお悩みを一括で相談することができます。どの専門家に相談するべきか迷った場合には、隣接士業と連携している専門家を選ぶとよいでしょう。
相続手続きに関する簡単な質問であれば、気軽に相談ができる相談できる窓口を選ぶのがよいでしょう。名古屋市にお住まいであれば、相続登記については司法書士会の登記・相続電話ガイドまたは法務局、相続税については名古屋税理士会の税務相談室または税務署が適しています。
これに対して、遺産や相続人の構成などを考慮した具体的なアドバイスが欲しい場合、実際に手続きを依頼したい場合には、はじめから弁護士、司法書士、税理士の事務所へ相談するのがお勧めです。
専門家への相談は無料でも、実際に手続きを依頼する際は依頼費用がかかります。
自身で依頼費用を準備できる場合は、専門家に直接依頼すれば問題ありません。
しかし、依頼する手続きによっては費用が高額になることがあります。依頼費用が準備できない場合は、法テラスの利用をご検討ください。収入と資産がいずれも一定水準以下であれば、弁護士費用や司法書士費用を立て替えてもらうことができます。ただし、税理士費用の立て替えは、法テラスでは行っていません。
法テラスに相談した場合は、自身で相談先の専門家を選ぶことができません。これに対して、法テラスと契約している弁護士または司法書士へ先に相談すれば、依頼先を自身で選んだうえで、専門家経由で法テラスの利用を申し込むことができます。
名古屋市で相続に関する無料相談を利用する場合は、窓口の受付日時が自分のスケジュールと合うかどうかも確認しておきましょう。
行政機関や弁護士会、司法書士会、税理士会の相談窓口が開いているのは、原則として平日の日中です。仕事や育児で忙しい方は平日の日中に相談するのが難しいため、受付日時が幅広い専門家事務所へ相談することをお勧めします。
弁護士、司法書士、税理士の事務所の中には、夜間や土日祝日でも相談に応じているところがたくさんあります。平日の日中に相談するのが難しい方は、各専門家の事務所に連絡して、夜間・土日祝日の相談に対応してくれるかを確認してみてください。
相続手続きを円滑に進めるためには、相続に関する業務を得意とする専門家に相談することが大切です。
相続業務に特化した専門家を探すには、一例として以下の方法が考えられます。
Googleなどの検索エンジンを活用すると、相続業務を取り扱っている専門家を探すことができます。
たとえば「弁護士 名古屋市 相続 無料相談」と検索すると、名古屋市で相続の無料相談を行っている弁護士が表示されるでしょう。その弁護士のウェブサイトで無料相談を申し込むことができます。
「相続会議」は、相続に強い弁護士、司法書士、税理士の事務所を検索できるポータルサイトです。エリアや相談内容から、簡単に相談先候補を探すことができるため、自宅近くで対応可能な専門家を探す際にお勧めです。
「相続会議」には無料相談を受け付けている専門家も多数登録されていますので、相続でお困りの方は「相続会議」の活用をご検討ください。夜間や土日祝日の対応が可能な事務所も探すことができます。
相続の無料相談を有効に活用するためには、特に以下の3点に留意しましょう。
相続に関する相談は、20分程度から長くて1時間程度と、時間が限られているケースがほとんどです。相談しながら質問を考えていると、本当に聞きたいことが聞けないまま、時間切れになってしまうことも。
相談時間を有効に活用するためには、聞きたいことを事前に決めて、メモにまとめておきましょう。たとえば、遺産分割の相談であれば、「不動産を姉妹で共有名義にするか、妹だけに相続させるかで悩んでいる」など、相談したいことを明確にしておくことが大切です。
質問メモを準備したうえで無料相談に臨めば、当日は落ち着いて相談ができるでしょう。また、相談時間の範囲内で、より多くの質問について回答を得ることができます。
相続の無料相談を利用する際は、関係のありそうな資料を持参しましょう。たとえば、以下のようなものが挙げられます。
戸籍謄本は、亡くなった人の相続人が誰なのかを明確にするために必要な書類です。相談を受ける専門家にとっても、きちんとした資料があることで具体的なアドバイスがしやすいため、戸籍謄本はできるだけ持参するようにしましょう。
また、相続に関連する出来事をまとめた時系列表を持参することも有用です。たとえば、遺産の使い込みによるトラブルについて弁護士に相談する際は、「いつ使い込みを知ったか」「確認できる使い込みの日にちと金額」を整理しておくと、弁護士から適切なアドバイスをもらえるでしょう。
相続の相談をするときは、自分に不利な事実であっても、包み隠さず正直に話しましょう。
自身に都合が悪い事実を隠していると、正しいアドバイスがもらえません。それだけでなく、相談していた内容が嘘だと発覚すると、専門家からの信頼をなくしてしまい、最悪の場合には専門家に辞任されてしまうことも考えられます。
辞任されてしまったとしても、原則として着手金は返してもらえませんので、嘘をつかずに真実を伝えるようにしましょう。
名古屋市は周辺地域に比べて地価が高く、また近年では住宅地平均価格が上昇しています。そのため、持ち家があるだけで相続税の基礎控除を超え、相続税の申告が必要になるケースが多くあります。
また、亡くなった被相続人が多額の財産を残すケースも多く、遺産分割などに関するトラブルも頻発しています。裁判所の「令和4年司法統計年報 3 家事編 |」の62ページによると、名古屋家庭裁判所にて2022年に取り扱った遺産分割事件(終局区分別)は661件で、名古屋高裁管内で最多です。
名古屋市にお住まいの方は、元気なうちに生前の相続対策を検討しましょう。家族を交えて話し合う機会を設けたり、生前贈与を活用した節税対策を採ったりと、早い段階から相続を見据えた準備を整えておくことが大切です。
名古屋には専門家や行政機関、自治体など、相続に関する無料相談窓口が充実しています。
相続手続きについて具体的な相談をしたい場合や、依頼まで検討している場合であれば、各専門家の無料相談を利用するのがお勧めです。専門家ごとに対応業務の内容が違いますので、相談したい内容に応じて相談先を使い分けましょう。
相続業務の経験が豊富な弁護士、司法書士、税理士を探す際は、「相続会議」の利用が便利です。エリアや相談内容からの検索で、無料相談ができる弁護士を簡単に探すことができます。ぜひ「相続会議」をご活用ください。
(記事は2024年5月1日時点の情報に基づいています)