目次

  1. 1.遺贈寄付とは
  2. 2.遺贈寄付の寄付先の選び方
  3. 3.インターネットでの遺贈寄付パンフレット一括取り寄せも便利
  4. 4.遺言書の作成は、弁護士などに相談を

遺贈寄付とは、遺言書に「私の財産の一部を○○団体に遺贈する」などと書いて、死後に遺産を特定の団体に無償で譲り、その活動に役立ててもらうことです。

「お世話になった団体に恩返ししたい」「自分の思いを未来につなげたい」「将来を担う子どもたちの教育に役立てて欲しい」など理由はさまざまですが、遺贈寄付は「人生最期の社会貢献」の手段となっています。

相続人がいない「おひとり様」の遺産の継承方法としても、遺贈寄付は注目されています。おひとり様が亡くなると、遺産は最終的には国庫に帰属します。国の財源となりますが、その使い道を決めることはできません。一方で、遺贈寄付であれば、遺産の行き先を指定できるため、自分の思いを託すことができます。

では、寄付先の団体をどう選べばよいのでしょうか。

どうせなら、お世話になった団体や、関心ある社会課題の解決に取り組む団体に寄付したいと多くの人が考えるでしょう。例えば、「自然が好き」であれば自然保護団体が候補にあがるかと思います。

寄付したいと思う団体や分野が見つかったら、インターネットなどを活用して情報収集しましょう。問い合わせをして、担当者に話を聞いてみたり、パンフレットを取り寄せたりしてもよいでしょう。遺贈寄付専用のパンフレットを用意している団体もあります。

さらに関心ある団体のイベントやボランティアに参加すれば、リアルな体験を通し、その団体についてより深く知ることができるでしょう。

情報収集を通し、その団体の理念や遺贈寄付した遺産の使われ方がわかったら、自分の考え方や思いと照らし合わせながら、寄付先を決定しましょう。寄付先は、一カ所だけでなく、複数箇所を指定することも可能です。

なお、遺言書を書く前に、寄付先に遺産を受け取ってもらえるか必ず確認しましょう。どんな遺産でも受け取ってくれるわけではありません。特に不動産は受け取ってもらえない可能性があります。

遺贈寄付について関心はあるけど、寄付先について当てがないという方は、「遺贈寄付ウィーク2023」のWEBサイトを活用するといいでしょう。遺贈寄付を決めた人たちの声とともに、様々な団体の取り組みが紹介されています。

また、インターネット上の遺贈パンフレットの一括請求サービスを利用すると便利です。個別に団体に問い合わせをする手間が省け、複数の団体の特徴を知り、比較することができます。

例えば、寄付や社会課題、SDGsについて情報発信するメディアを運営するgooddo社は、国や自治体が認めた複数の団体の遺贈寄付の取り組みに関するパンフレットを無料で取り寄せることができるサービスを展開しており、遺贈のおすすめ寄付先を紹介しています。パンフレットでは、遺贈寄付の始め方や、遺言書の作成例についても紹介されています。

また、「いぞう寄付の窓口」からも資料請求できます。

自分の遺産を特定の団体に活用してもらうには、遺言書を残す必要があります。ただし、遺言には守らないといけないルールがありますので、作成時には注意が必要です。

民法968条に「自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない 」と定められています。本文をパソコンで書いたり、印が押されていなかったりすると、その遺言書は無効となり、自分の意思も果たせなくなってしまいます。

遺言書の書き方に不安やわからないことがある場合は、弁護士や司法書士など専門家に相談することをおすすめします。

(記事は2023年9月1日時点の情報に基づいています)

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