「こんなに少ないはずがない」遺産額をめぐる疑念がもめ事を呼ぶ

ーー相続の相談で一番多いのはどのような案件でしょうか?

遺産の「使い込み」を疑うケースです。親などの家族が亡くなり、子どもら相続人が遺産額を知った時「いや、こんなに少ないはずがない。もっとあったはずだ」、「家族が使い込んだのではないか?」と、同居していた家族や親しかった人が、別の相続人から疑われるケースです。遺産分割は、遺産を相続人の間で分ける作業ですから、話がまとまらず相談に来られるケースが多いです。ところが遺産はどこに何があるのかがわかりにくいことも多く、同居していた親族ですら知らない預貯金が見つかる場合もあり、使い込みを疑った場合の解決は、なかなか難しいのです。

ーーどのようにして解決をはかるのでしょう?

故人の銀行口座のお金の動きは、10年前までさかのぼることができるので、まず、口座の履歴を検証します。まとまった金額のお金が引き出されていた場合、それは何に使ったのかを調べます。ただ、口座からお金を引き出されていたからといって、必ずしも使い込まれたというわけではありません。医療費や介護費、ちょっとした買い物などのために、同居していた家族が本人から頼まれて引き出すこともあります。

そうした履歴を検証しながら、話し合いで調整します。ところが、亡くなる直前に大きなお金が引き出されるなど、不自然なケースがあっても、使い込まれたかどうかは証拠のないことがほとんどです。証拠があれば訴訟をする方法もありますが、お金をかけて訴訟までやるケースは少ないです。

ーー弁護士に依頼すると裁判まで発展するイメージがあります。

私たちの役目には、もめ事を確実に終わらせることもあります。裁判になると時間も費用もかかります。裁判をすることをさけ、話し合いで終わらせるようにすることも信頼できる弁護士の役割だと思っています。使い込みを疑うケースの場合、これまで不仲だったことによる感情がもめ事に発展している原因であることも多いものです。普段、仲が良くないきょうだいの場合はなおさらです。そこで何がもめ事の原因なのかを見極め、お金の動きを調べた上で、ある程度のところで妥協案を提示すると疑念も消え、和解につながることが多いです。

ーー裁判にまで発展するのはどのようなケースでしょうか。

相続人同士の感情がもつれている場合です。時間とお金がかかってもいいから、どうしても相手の主張を認めたくない、白黒をはっきりさせたいというようなケースです。これは、必ずしも遺産の金額の大小は関係ありません。もっと小額の遺産でも調停や審判にまで至ることもあります。

「弁護士が間に入ることで、相続人同士のもめ事を、当事者が直接やりとりしなくても解決に導くことができます」という小師健志弁護士
「弁護士が間に入ることで、相続人同士のもめ事を、当事者が直接やりとりしなくても解決に導くことができます」という小師健志弁護士

弁護士という法律の専門家を間に挟むことで、公平かつスムーズに話し合いが進む

ーー弁護士に相談するメリットにはどのようなことがあるでしょうか?

弁護士は本人に代わって交渉する権限を持っていますので、相続人同士が直接接触せずに、代理の弁護士が交渉することで、スムーズに話し合いが進むと思います。法律の専門家に相談しているということが牽制にもなり、むだなもめ事を事前に回避もできます。もちろん依頼人の要望に沿った上でという前提ですが、決して依頼人だけの利益を考えるのではなく、法律に基づき相続人全員が納得できる着地点を見いだせるように導くように心がけています。

ーー弁護士に相談するのは、どのタイミングがいいのでしょうか?

これは早いに越したことはありません。遺産相続の問題は遺留分に配慮した遺言書である程度トラブルを回避できるものです。それがもめてから、また相続人間の関係性が悪化してからとなると、解決が遠のいてしまいます。「これはもめそうだな」と感じたら、まだ被相続人が元気なうちに相談していただければ、もめないような遺言書の書き方からアドバイスします。たとえばご自身が被相続人の場合「介護で世話になっている長男の妻にも遺産を残したい」といった要望を伺い、被相続人の意思を反映した分割案を提示したり、スムーズな話し合いにつながる手紙の書き方などを提案することもできます。

ーーもめるのは何が原因なのでしょうか?

様々な要因がありますが、遺言書がないともめるケースが多いですね。その場合、やっかいなのが不動産です。遺言書がないと法定相続分で分けますが、基本は不動産を売却して分配します。しかし、たとえば同居していた長男などが、そのまま所有したいと主張することがあります。そこで分配分を現金で支払えないとなると話がこじれます。「調停で話し合いがまとまらず審判となっても「土地・建物は共有」との判断をされるのが一般的です。つまり根本的な解決になっていないので、あらためて共有物に関する手続きをする必要があります。

そうならないためにも遺言書は重要です。また、相続人以外の人が介入するとめも事が大きくなる傾向があります。相続人同士で話がまとまりかけていたところに、それぞれの配偶者や第三者が口を出して話がこじれることも少なくありません。

小師さんは、「弁護士事務所の初回の無料相談を利用して、信頼できる弁護士を探してみるのもいいでしょう」といいます。
小師さんは、「弁護士事務所の初回の無料相談を利用して、信頼できる弁護士を探してみるのもいいでしょう」といいます。

無料相談を利用して、自分にあった信頼できる弁護士を探すことが大切

ーー弁護士に相談する場合、何を用意すればいいのでしょうか?

被相続人が亡くなっている場合は、相続人が遺言書、遺産目録、相続人の続き柄と人数をまとめていただくといいでしょう。大事なことは隠し事をしないこと。自分に不利なことなど、言いたくないこともあるかもしれませんが、後から事実がわかると二度手間になってしまいます。今はインターネットなどで簡単に知識を得られるので、その確認のために弁護士を活用するのもいいと思います。まずは気軽に無料相談を利用してください。

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ーー弁護士に依頼すると時間と費用がかかるというイメージがありますが?

交渉で早期に解決できる場合には費用はおさえられると思います。また、調停や裁判となった場合でも、費用については遺産の金額に応じて決めていくことが一般的ですが、事務所によって異なります。無料相談などを活用し、複数の弁護士事務所に見積もりを出してもらって、納得のいく弁護士に相談されるといいと思います。

ーー弁護士選びのポイントを教えてください。

弁護士にはそれぞれ得意分野がありますが、特に相続は不動産や税金の問題も関わってくるので総合力が求められます。ある程度の経験のある人に任すのがいいと思いますが、数か月、長ければ数年間併走する相手ですので相性も大事だと思っています。話をしてみて、この人なら任せられるという信頼感を得られるか。私は話を丁寧に聞いて、依頼者の希望に則りつつも、デメリットやリスクも伝えます。そして必ず着地点を提示し、依頼者の納得のいく結論に導くように心がけています。

若井総合法律事務所

東京都の池袋と新橋に事務所を構える。「すべてのクライアントのために親身になって対応し、弊所と関わりを持って良かったと思ってもらうことのできる事務所」をモットーにしている。

(記事は2022年10月1日現在の情報に基づきます)