死亡届の提出期限は7日以内! 届出が遅れると起こる5つのリスク
死亡届には提出期限があります。「死亡後7日以内」とされているので、遅れないように早めに提出しましょう。遅れると「過料」のペナルティを科されるリスクも発生します。死亡届の期限や遅れるリスク、遅れたときの対処方法などをわかりやすく解説します。
死亡届には提出期限があります。「死亡後7日以内」とされているので、遅れないように早めに提出しましょう。遅れると「過料」のペナルティを科されるリスクも発生します。死亡届の期限や遅れるリスク、遅れたときの対処方法などをわかりやすく解説します。
目次
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そもそも死亡届とはどういった書類でしょうか? 死亡診断書や死体検案書との違いについても確認しましょう。
死亡届は、人が死亡した事実を申告するための届出用書類です。死亡届が出されないと、役所は人が死亡した事実を把握できず、戸籍の書き換えなどの各種手続きができません。届出があると役所で戸籍が書き換わり、本人が死亡したことが法律的に確認されます。
死亡届には、親族などの届出人が署名押印する必要があります。
「死亡診断書」は医師が作成する診断書の一種で、本人が死亡した事実や原因を証明するためのものです。
死亡診断書は生前に担当してもらっていた医師に作成してもらいましょう。死亡届と一体になっており、死亡届を提出する際には死亡診断書の部分も持参しなければなりません。作成費用は医療機関によって異なりますが、5000円程度が目安です。
以上のように、死亡届と死亡診断書は一体とはなっていますが、目的や作成者などが異なる点を認識しておきましょう。
死亡診断書に似た書類に「死体検案書」があります。死体検案書とは、事故死や変死などが起こって監察医が検死した場合などに作成される書類です。
通常の病死などであれば死亡診断書を作成できますが、変死や事故の場合には死亡診断書を作成できないので死体検案書を死亡届を提出する際に持参しなければなりません。
つまり、死亡届の提出時には死亡診断書と死体検案書のどちらか一方を持参する必要があります。死亡診断書は通常の死亡のケース、死体検案書は事故死や変死の場合に作成されるという違いがあります。
死亡届の提出期限は、国内で死亡した場合は「死亡を知った日から7日間」、国外で死亡した場合には「死亡を知った日から3カ月以内」です。国内の場合には7日しかないので、早めに提出しましょう。
届出ができる人
死亡届の届出ができるのは以下の人です。
提出先
死亡届は、本人の死亡地あるいは本籍地、または届出人の住所地の役所へ届け出る必要があります。届出先の役所を間違えないようにしましょう。
必要なもの
死亡診断書または死体検案書も必要です。これらの書類は死亡届と一体になっているので、切り離さないで持参しましょう。提出すると原本を返してもらえないので、コピーをとっておくとよいでしょう。
受付時間
死亡届は基本的に24時間365日、いつでも提出できます。ただし、役所によっては夜間や土日祝などは「提出」のみができて「受付」が行われないケースもあります。その場合、開庁時間に再度役所へ行かねばなりません。
葬儀社へ代理での死亡届を依頼する際、代理で死亡届の提出を依頼するケースがあります。その際、死亡届や死亡診断書のコピーをとっておきましょう。原本は返してもらえないからです。
また、印鑑などの重要なものを葬儀社の担当者へ預けるケースがあり、その場合のリスクは念頭に入れておく必要があります。必ず預り証を発行してもらい、届出が終わったら速やかに返還を受けましょう。さらに、代理で死亡届の提出を依頼した場合、別途、追加で費用がかかる可能性もあります。事前にプランや費用をチェックしておくことも重要です。
死亡届の提出期限に遅れると主にどういったリスクがあるのか、見ていきましょう。
期限内に死亡届を提出しないと「5万円以下の過料」の制裁が科される可能性があります。
過料とは、行政罰の一種で金銭を払わなければならないものです。刑事罰の罰金ではないので前科はつきません。とはいえ、お金を払わなければならないのは不利益となるでしょう。
死亡届を提出しないと、役所で火葬許可証を受け取れません。そのままでは葬儀や埋葬ができない状態になってしまいます。
死亡届を提出しないと、死亡が発覚するまで年金支給が停止されません。結果的に不正受給になってしまう可能性があり、詐欺などを疑われるリスクも発生します。
年金の不正受給になると、あとでまとめて返還を請求されるので、払えなくて困ってしまう人も少なくありません。
死亡届を提出しないと、健康保険や介護保険の資格喪失届ができません。
本来なら健康保険から葬祭費や埋葬料を受け取れますが、こういったお金も受け取れないままになります。保険料の引き落としも続いてしまい、無駄な費用がかかり続けるでしょう。
死亡届を提出しないと、故人の住民票の抹消ができません。たとえば世帯主変更が必要なケースでも変更できず、過料が科される可能性もあります。
以上のように、死亡届を期限までに提出しないとさまざまなリスクが発生します。親族が死亡したらすぐに届出を行いましょう。
死亡届は提出期限に遅れても受け付けてもらえます。万が一7日の期限に間に合わなかったとしても、早めに役所へ死亡診断書を持参して届出をしましょう。
死亡届を提出したら、早急に葬儀の手配をして実施しましょう。住民票は抹消されるので、必要に応じて世帯主変更の届出も行いましょう。
その後、遺産分割のため遺言書の調査、相続人調査や遺産分割協議などの手続きに対応する必要があります。
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相続手続きに強い司法書士を探す死亡届を提出したあとの主な流れを簡単に説明します。まずは下記の図版で大まかなイメージを把握しておくと、理解しやすいはずです。
では、死亡届を提出したあとの流れをもう少し詳しく見ていきましょう。
・葬儀を執り行う
まずは死亡届と引き換えに火葬許可証を受け取り、葬儀を執り行いましょう。
・健康保険や年金の手続きを行う
死亡届を提出したら、すぐに健康保険や年金、住民票の世帯変更などの手続きも行うべきです。健康保険の場合は死亡後14日以内、年金の場合は10日または14日以内に行う必要があります。国民年金の場合は14日、厚生年金の場合には10日となっています。
・遺言書がないか調べる
遺産相続を進めるため、遺言書があるかどうかを調べなければなりません。遺言書があれば遺言書に従って相続するからです。自筆証書遺言が法務局に預けられていないか、公正証書遺言が作成されていないか、自宅に遺言書が保管されていないかなど詳細に調べましょう。
・相続人調査をする
相続人調査とは、戸籍謄本類を取得してどのような相続人がいるかを確定する手続きです。基本的には故人が生まれてから死亡するまでのすべての戸籍謄本類を取得しなければなりません。1通でも漏れがあると不備となり、不動産の名義を変更する相続登記などの各種手続きを受け付けてもらえなくなってしまいます。抜け漏れが生じないように慎重に取得していきましょう。
・相続財産調査をする
どのような遺産があるかも調べて評価額を明らかにします。
・相続放棄を検討する
遺産(資産や負債)を相続したくない場合、相続放棄しなければなりません。相続放棄は「自分のために相続があったことを知ってから3カ月(熟慮期間)」の期限内に行う必要があります。
・準確定申告を行う
亡くなった人に代わって確定申告をする必要がある場合の準確定申告の期限は、相続開始を知ってから4カ月以内です。
・遺産分割協議を行う
遺言書がない場合には相続人が全員参加して、遺産分割協議をしなければなりません。協議が成立するには、全員が合意する必要があります。遺産分割協議を行っても合意できない場合、遺産分割調停や審判を行って解決をめざしましょう。
・相続税を申告納付する
相続税の申告納税の期限は相続開始を知ってから10カ月以内です。
・遺留分侵害額請求を行う
「遺留分」とは相続人が受け取れる遺産の最低保障額のことです。たとえば遺言書で極端に少ない相続分が指定されていた場合、「遺留分侵害額請求」を行うことで最終的には遺留分が保障されます。遺留分侵害額請求の期限は相続開始と遺留分侵害の事実を知ってから1年以内です。なお、相続人ごとの遺留分の割合は下の図のとおりです。亡くなった人の兄弟姉妹は遺留分の対象とはなりません。
遺産相続の手続きは非常に複雑で、やらなければならないことが目白押しです。
普段忙しくしている方が期限内に適切に対応するのは難しいでしょう。相続手続きは司法書士や弁護士に依頼するのがお勧めです。
専門家に対応を依頼すれば、相続人が行わればならない作業が大幅に減って、大きく手間を省けます。スピーディなだけではなく正確に手続きができるので、関係各庁から補正を求められるリスクもなくなるものです。
期限を守り、労力をかけずに確実に手続きを行うため、相続手続きは専門家へ依頼しましょう。
死亡届の提出期限は「死亡を知った日から7日」です。故人の親族の方や同居していた方は、早めに死亡届を作成して役所へ提出しましょう。
相続手続きで迷ったときには弁護士や司法書士に相談するのが得策です。相続に力を入れている専門家は無料相談を実施している場合も多いので、気軽に問い合わせてみましょう。家族が亡くなった後には、戸籍の収集など、多くの書類集めが必要です。相続手続きに関連する書類集めは、主に司法書士が代行してくれます。相続会議には全国の弁護士や司法書士、税理士を検索できるサービスがあります。ぜひ信頼できる専門家を探してみてください。
(記事は2022年10月1日時点の情報に基づいています)
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