登記申請書の書き方、ポイントを司法書士が解説!

不動産を相続したら、相続登記を申請することになります。その際は、「登記申請書」を作成して相続登記の申請をしなければなりません。不備があるとスムーズに名義変更できないので、正しいやり方を押さえておきましょう。今回は不動産の登記申請書の書き方を司法書士が書式つきでご紹介します。
不動産を相続したら、相続登記を申請することになります。その際は、「登記申請書」を作成して相続登記の申請をしなければなりません。不備があるとスムーズに名義変更できないので、正しいやり方を押さえておきましょう。今回は不動産の登記申請書の書き方を司法書士が書式つきでご紹介します。
目次
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「相続登記」は不動産登記簿に記録された所有者などが亡くなった場合に、権利を取得した人に名義を変更する手続きです。
所有者などが亡くなった場合、自動的に不動産登記簿が変更されることはありません。手続きをしないと亡くなった人が所有者としていつまでも記録に残ります。所有権が移転したことを示すためには、相続登記を行うことが必要です。
相続登記手続きは一般的に、法定相続分で申請する場合と、遺産分割協議で決まった割合に従って申請する場合のどちらかが多いです。どちらのケースでも、登記申請書を作成して、添付書類とともに管轄法務局に提出することになります。
登記申請書は不動産の登記を申請する際に、法務局へ提出する書類です。
「登記申請書」という専門のフォーマットはありません。必要事項を記載した書面を任意に作成し、提出することになります。なお、法務局のサイトで書式をダウンロードすることが可能です。
法務局のウェブサイトにある「不動産登記の申請書様式について」を参考にしてください。
参考:法務局│不動産登記の申請書様式について
「不動産登記の申請書様式について」のページには、申請する登記の内容や、申請の状況に合わせて、いくつかの登記申請書のサンプルが示されています。
例えば、被相続人が不動産を単独で保有していて、遺言はなく遺産分割協議も行っていない場合を考えてみましょう。法定相続割合で相続登記を申請する場合は、「所有権移転登記申請書(相続・法定相続)」が該当します。
19番目に掲示されていますので、確認してみてください。
他には、公正証書遺言が残っていた場合に使用する「所有権移転登記申請書(相続・公正証書遺言)」や、遺産分割協議の内容に従う場合に使用する「所有権移転登記申請書(相続・遺産分割)」などのサンプルが掲示されています。状況に合うものを探して選びましょう。
また、このページをうまく表示できない場合は、「登記申請書 法務局」で検索すると、「不動産登記の申請書様式について」を検索サイトから直接見つけることができます。様式と記載例が掲示されているので、どちらもダウンロードしておくとよいでしょう。
それでは、法定相続割合で相続登記を申請する場合を前提に、書き方を確認します。先ほどの「所有権移転登記申請書(相続・法定相続)」の記載例を参照してください。
まず、登記の目的を記載します。被相続人が単独で所有している不動産を相続した場合は、「所有権移転」と記載します。単独所有ではなく、不動産の共有持分を相続した場合は、「〇〇(被相続人の名前)持分全部移転」と記載しましょう。
この他にもケースによって書き方が異なる場合があります。司法書士に依頼せず、自分で登記する場合は、法務局の登記相談を利用するとよいでしょう。
続いて、登記の原因です。相続登記の場合は、被相続人の死亡日(戸籍上の死亡日)を記載します。
その下には、相続人を記入する欄があります。まず、記載例にならって被相続人の氏名を記入します。それとともに、相続人の住所と氏名、連絡先の電話番号を記入します。複数の相続人がいて、不動産を分割して相続する場合は、各相続人が引き継ぐ持分もあわせて記載します。
例えば、2人で分けて相続する場合は以下のようになります。
○○市○○町1丁目2番3号 持分2分の1 法務太郎
○○市○○町4丁目5番6号 持分2分の1 法務花子
以上が申請の内容で、それ以降は申請に付随する情報を記載します。まず、添付情報です。登記申請書に添付する書類の内容を記載します。記載例には、登記原因証明情報と住所証明情報が示されています。
登記原因証明情報は、登記の原因となる事実が発生したことを示す書類です。法定相続割合に従う相続登記の場合は、相続が発生したことが登記原因です。従って、被相続人の出生から死亡までの経過が分かる戸籍謄本または除籍謄本、相続人であることがわかる相続人の戸籍謄本などが添付書類になります。
また、法定相続情報証明制度を利用している場合には,法定相続情報一覧図の写しを提出することで戸籍等の添付に代えることができます。
その下には、登記識別情報通知希望の有無を記載します。特段の事情がなければ、通知を受けてよいでしょう。また、申請書を提出する日も記載します。
続いて、課税価格と登録免許税額を記載する欄があります。課税価格は固定資産評価額、登録免許税額は課税価格の0.4%が原則です。異なる場合もありますので、自分で申請する場合は法務局で相談するとよいでしょう。
最後に、相続登記の対象となる不動産を記載します。登記事項証明書を取得し、それぞれの情報を転記しましょう。土地は、不動産番号、所在、地番、地目、地積を記載します。建物は、不動産番号、所在、家屋番号、種類、構造、床面積などを記載するとよいでしょう。
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相続登記に強い司法書士を探す例えば、複数の不動産が相続対象で、単独で所有しているものと共有のものが混ざっていることがあります。その場合は、登記の目的を「所有権移転及び〇〇持分全部移転」に変更しましょう。
また、さまざまな状況の登記申請書サンプルが法務局のホームページに掲示されています。合った記載例を参考に登記申請書を作成するとよいでしょう。
作成した登記申請書は、所定の登録免許税額に相当する収入印紙を張り付けた用紙、添付書類とともに、法務局で提出しましょう。郵送での提出も可能です。
相続登記を行うには登記申請書の作成が必須です。作成が難しいと感じるときや、作成方法がわからない場合は、お近くの司法書士へ依頼しましょう。
(記事は2021年10月1日時点の情報に基づいています)
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