遺言書作成を弁護士に依頼する理由 相続人でもめないために
相続争いを避けるためには、生前に十分な準備をしておくことが必要です。効果的な対策としては、遺言書を作成してもらうことでしょう。ただし、遺言書の作成には法律で厳格なルールが定められており、ルールに反した遺言書は無効となり、かえって相続争いを招くおそれがあります。遺言書作成は弁護士に依頼すると安心です。この記事では、弁護士に依頼すべき理由について解説します。
相続争いを避けるためには、生前に十分な準備をしておくことが必要です。効果的な対策としては、遺言書を作成してもらうことでしょう。ただし、遺言書の作成には法律で厳格なルールが定められており、ルールに反した遺言書は無効となり、かえって相続争いを招くおそれがあります。遺言書作成は弁護士に依頼すると安心です。この記事では、弁護士に依頼すべき理由について解説します。
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遺言書とは、被相続人が生前に自身が保有する財産の処分についての意思を書面に残したものをいいます。遺言書が法律に従って正しく作成されている場合には、基本的には遺言どおりに被相続人の財産が分配されます。
多くの相続争いは、故人の財産の分配方法をめぐって発生します。遺言がきちんと作成されていれば、争いを避けることができるため、両親や祖父母が元気なうちに遺言を書いてもらうことが有効です。
遺言の作成方法は、民法によって厳格なルールが定められています。遺言を自分で作成する場合、手書きやワープロなどで作成して自宅内で保管しておくケースが目立ちますが、自分で作成した遺言が有効とされるためには「自筆証書遺言」として民法上定められた様式に基づいていなければなりません。
自筆証書遺言の様式としては、遺言の全文、日付及び氏名を本人が手書きし、押印する必要があります(民法968条1項)。2019年1月に施行された改正民法によって、遺言に添付する財産目録に関してはパソコンなどで作成し署名押印することも認められました。
しかし、遺言書の本文がパソコンで作成されたものは依然として無効です。自分で作成した遺言は民法上の様式に従っていないことが多く、他の相続人から遺言としての有効性が争われるケースが後をたちません。
相続争いを回避する目的で遺言を作成する際には、できれば公証役場で作成する「公正証書遺言」とすることをおすすめします。自筆証書遺言は自宅などで保管されるため紛失のリスクがありますが、公正証書遺言は公証役場でも保管されるため安心です。
公正証書遺言を作成する際には、遺言の案文は基本的に遺言者が作成しなければなりません。公証人に一から作成してもらえるわけではないため注意が必要です。
公正証書遺言であっても、遺言書の文言に間違いやあいまいなところがあると、後から争いになることもあります。相続争いを回避するためには、弁護士に公正証書遺言の案文作成を依頼することが望ましいでしょう。
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相続の相談が出来る弁護士を探す両親や祖父母の遺言の作成を弁護士に依頼していた場合、死後に相続に関するトラブルが発生したときに、遺言作成を依頼した弁護士に相談しやすいというメリットもあります。
本来は遺言を作成する段階で、できるだけ相続争いが生じないようにするものですが、隠し子の存在や、思わぬ財産・負債の発覚など、生前には想定できなかった事態が生じることもゼロではありません。
トラブルが発生してから弁護士を探すのは大変なことです。この点、遺言を作成した弁護士であれば、故人の生前の思いや財産状況もよく知っていますので相談しやすいといえます。このような相続開始後の予期せぬトラブルに備える意味でも、弁護士に遺言作成を依頼しておくことが有効です。
両親や祖父母が不動産や預貯金など多くの財産がある場合には、生前に遺言書を用意するよう頼んでおくことが大切です。遺言書がある場合とない場合とでは、死後に相続争いが発生する可能性は大きく異なります。
一方で、せっかく遺言書を残してもらったのに無効となってしまっては意味がありません。相続争いを避けるために遺言書を作成する場合には、相続問題に詳しい弁護士に依頼しましょう。
(記事は2020年7月1日現在の情報に基づきます)
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