目次

  1. 1. 税務署の相続税の無料相談 どんな説明を受けられる?
    1. 1-1. 一般的な相続税のルールだけでなく、個別の相談も可能
    2. 1-2. 路線価を調べることもできる
    3. 1-3. 節税に関する相談はできない
  2. 2. 相続税申告の相談をする方法
    1. 2-1. 電話で相談する
    2. 2-2. 税務署に訪ねる場合は、事前予約を
    3. 2-3. 被相続人の住所を管轄する税務署に相談するのが基本
  3. 3. 税務署で相続税の相談をする注意点
    1. 3-1. 相談できる時間が限られている
    2. 3-2. 相続の予備知識や資料が必要になる
    3. 3-3. 税務署のアドバイスに誤りがあっても責任はとってもらえない
  4. 4. 相続税申告に不安があるときは税理士への依頼がおすすめ
    1. 4-1. 適切な節税のアドバイスが受けられる
    2. 4-2. 相続税の計算、書類作成、手続きを任せられる
  5. 5. まとめ 節税の相談は税理士に

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税務署では、正しく申告・納税してもらうために相談に応じています。電話相談のほか、税務署で職員と面談して質問することもできます。

具体的に、どんな相談ができるのか、もしくは相談できないことはあるのか、解説します。

税務署に相談した場合、一般的な税法のルールだけでなく、個別事情に踏み込んだ質問をすることができます。相続税申告書の作り方や、申告書に添付すべき書類、税額計算、控除や特例の条件など気になる点があれば確認しておきましょう。

私が税務署の職員として相続税の相談に対応していた頃、相談内容の多くは、「土地の評価方法」についてでした。

その具体例を、一部紹介したいと思います。

土地の評価の算定基準となる「路線価」は国税庁ホームページで公開されており、路線価図から相続物件の場所を指定することで把握することができます。ところが、「路線価図から相続物件を見つけられない」と相談に来られる方が少なくありませんでした。

その理由は、路線価図は一般的な住所に使われる「住居表示」で表記されており、土地の登記情報に使われている「地番表示」とは異なっていることです。

税務署には地番から住居表示を知ることができる「ブルーマップ」という特殊な地図があります。相談者はその地図を使って、相続物件の場所を特定し、路線価を調べることができます。

税務職員が対応に困るのが、「節税できる方法を教えてほしい」というものです。税務署が相談に応じるのは、あくまで納税者に正しく納税してもらうことを目的としています。相続税の有利不利について相談者にアドバイスするためではありません。

従って、相談者の状況を総合的に聞き取って節税プランを提案するといったことは期待できません。仮に相続税を抑制できる特例を見落としていたとしても、税務署の職員の方から率先して「この制度を使えば、相続税の節税になりますよ」といったことを教えてはもらえないでしょう。

節税について踏み込んだアドバイスを希望する場合は、税理士に依頼することをおすすめします。

相続税に関する疑問がある場合、「電話で相談する」もしくは「税務署を訪ねて相談する」という二つの方法があります。

相続税の申告に関する一般的な税金の質問や相談であれば、国税局電話相談センターが適しています。ここには電話対応を専門的に担当する職員が配置され、速やかに回答を得られる可能性が高いからです。

一方、税務署の窓口に電話をする場合、税務署の職員は電話対応のほかにも様々な業務を抱えているため、すぐに回答してもらえないことがあります。税務署への電話相談は、税務署から届いた書面への問い合わせや、税金の納付が難しい場合など、特別なケースに限ったほうがいいでしょう。

なお、国税局電話相談センターに電話をする場合も、税務署の窓口に電話をする場合も、まずは所轄の税務署の電話番号にかけることになります。音声案内が流れるので、国税局電話相談センターにつなぐ場合は「1」を、税務署の窓口につなぐ場合は「2」をプッシュしてください。

税務署の窓口で職員と面談して相談する手順について説明します。

一般的に、相続税の申告に関する相談は資産課税部門、納付に関する相談は徴収部門で受け付けています。

さきほど紹介した路線価の相談のように、電話だけでは確認できないことも、税務署を訪ねることで解決することができるケースがあります。複雑な土地の評価計算や、被相続人(亡くなった人)の家族関係が複雑な場合、特例的な計算方法といった内容であれば、電話よりも直接相談をしたほうが効率的に答えを得ることができるでしょう。

税務署で相談をする場合、事前予約をしておくとベターです。突然税務署を訪れても、待ち時間が生じるおそれがあり、十分な相談時間が確保できないおそれがあるからです。

事前予約をする場合は、税務署に電話相談をするときの要領で、音声案内で「2」を押して税務署の職員につないでもらったうえで、予約日時の希望を伝えます。このとき、名前や住所のほか、相談内容を簡単に聞かれるので、あらかじめ相談内容を整理しておきましょう。

相続税の申告については、「被相続人の住所」を管轄する税務署に行います。そのため、相談をする際も、被相続人の住所を管轄する税務署を選ぶのが基本です。

しかし、被相続人の住所が遠方にある場合など、別の税務署に相談をしたいという方もいるでしょう。そうした場合には、都合の良い税務署で相談をすることもできますが、相談内容によっては所轄の税務署でなければ答えられないケースがあります。そのため、事前予約をする際には、相談内容と合わせて被相続人の住所も伝え、相談が可能かを確認しておくと安心です。

なお、国税庁や国税局の庁舎には、対面で対応している相談窓口はありません。

相続税申告について税務署に相談する際に押さえておくべき注意点を紹介します。

税務署が相談に対応してくれるのは、平日の日中に限られてしまいます。電話相談もできますが、電話がつながるまでに時間がかかることもあります。

「相談する時期」にも注意が必要です。確定申告シーズンは税務署は多忙になるため相談を受けられる職員が少なく、面談の予約も取りにくくなります。申告期限が迫っているような場合は別ですが、できれば1月から3月は避けて相談することをおすすめします。

なお、相続税の申告期限は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10カ月です。限られた期間内に正しく申告をするため、税務署へ相談する手順も踏まえて、申告までのスケジュールを立てておきましょう。

税務署に相談をする際、まず意識しておきたいのが「正しく情報を伝える」ということです。たとえば遺産の内訳や、相続人の数などの情報は、相談者の方でなければ分からないものです。相談の前提となる情報が誤って伝わると、回答も誤ったものとなってしまいます。

そのため、相談に臨む際は、相談に関係する資料を持参するようにしましょう。たとえば土地の評価について相談したいのであれば、土地の所在地や面積の分かる図面や、権利関係の分かる登記事項証明書を持参すると、税務署の職員は正しく情報を把握し、回答することができます。

効率的に相談をするには、事前にある程度、相続税のルールを理解しておくことも大切です。まず、国税庁ホームページに掲載されているパンフレットタックスアンサー(よくある税の質問)のコーナー、もしくは市販書などから相続税について学び、ご自身の状況に当てはめたうえで税務署に相談すると、相談時間を短縮することができます。

税務職員のアドバイスに基づいて税務申告したにもかからず、申告書に不備が見つかってトラブルになったとしても、税務署は責任をとってくれません。難しい判断が求められる場合は、税務署だけでなく、税の専門家である税理士にも相談するほうが安心でしょう。

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相続税申告をする際、申告内容に誤りがないか、相続税を抑えたいけどどうしてよいのかわからないなどの悩みがあることでしょう。そんなときは、税理士への相談をお勧めします。費用が心配という方もいるかもしれませんが、相談だけであれば無料で対応する事務所もあります

ここでは、相続税申告を税理士に依頼するメリットを紹介します。

相続税はちょっとした判断ミスが命取りになります。たとえば小規模宅地の特例や配偶者の税額軽減などの要件を勘違いすると、納税額が大幅に増加するリスクがあります。

こうした特例の適用要件の判断は難しく、専門家に任せたほうが安心です。相続税に強い税理士のサポートを受ければ、目の前の一次相続だけでなく、いずれ来る二次相続などの対策まで考えてもらえます。

相続税の申告は一筋縄ではいきません。相続が発生したからといってすぐに申告書を作れるわけではなく、相続人や相続財産の確認、遺産分割を行う必要があります。これらの手続きに手間取ってしまうと、10カ月以内の期限までに申告納税を行うのは困難です。

さらに、相続税の計算は複雑です。とくに相続財産のなかに不動産がある場合は、評価計算を行うために土地の路線価や形状などを確認する必要があります。しかも、相続した不動産に小規模宅地の特例を使うのであれば、遺産分割のやり方によって計算が変わるため、最適な分割方法を考えなくてはなりません。

このような手続きや計算を税理士に一括して任せることができれば、節税につながるほか、手続きなどの負担が大きく減ることは間違いないでしょう。

税務署は相続税に関する相談に無料で対応してくれますので、積極的に活用しましょう。しかし、税務署は正しく申告・納税してもらうために相談に応じているわけであって、節税の観点からアドバイスしてくれるわけではありません。

制度や控除を活用した適切な節税をしたいと考えているのであれば、税の専門家である税理士に相談することを検討してみましょう。

(記事は2022年11月1日時点の情報に基づいています)

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