農地が市街化区域なら、届け出だけで売却OK

前回、農地を売却しようとしたものの、うまくいかなかった事例を紹介しました。相続した農地は処分できないのでしょうか。そうとも限りません。農地法5条を見てみましょう。

第五条 農地を農地以外のものにするため又は採草放牧地を採草放牧地以外のもの(農地を除く。次項及び第四項において同じ。)にするため、これらの土地について第三条第一項本文に掲げる権利を設定し、又は移転する場合には、当事者が都道府県知事等の許可を受けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。

(中略)

七 前条第一項第八号に規定する市街化区域内にある農地又は採草放牧地につき、政令で定めるところによりあらかじめ農業委員会に届け出て、農地及び採草放牧地以外のものにするためこれらの権利を取得する場合

(後略)

簡単に要約すると、農地の所有者が農地を、宅地など農地以外のものにすることを前提として、売却したり賃貸したりするには、原則として都道府県知事等の許可が必要であると規定されています。
重要なのは中略後の記載です。農地が市街化区域内にある場合には、あらかじめ農業委員会への届け出があれば許可は必要ないことになっています。

つまり、市街化区域内の農地は、条件が合えば許可を受けずに届け出のみで売却が可能です。届け出で済む場合は許可を受けるよりも手続きが簡易です。
私の事務所への相談事例で、処分に至るのは市街化区域内の農地が多いです。

農地がある場所を自治体の都市計画図で確認を

「市街化区域」は耳にしたことがある言葉かもしれません。
内容は都市計画法に定義されています。

第七条 都市計画区域について無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため必要があるときは、都市計画に、市街化区域と市街化調整区域との区分(以下「区域区分」という。)を定めることができる。ただし、次に掲げる都市計画区域については、区域区分を定めるものとする。

市街化区域は、「すでに市街地を形成している区域及びおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」とされています。

対象の土地が市街化区域かそうでないかは、自治体の公表する都市計画図を見るなどで確認することができます。例えば、私の住む八戸市では都市計画図をインターネット経由で閲覧できるようになっています。「市町村名 都市計画図」などで検索するとよいでしょう。
見てもよくわからない場合は、市役所、町役場等に電話して聞いてみても教えてもらえる可能性が高いと思います。

次回は、農地を相続する際の手続きなどについてまとめます。

(記事は2020年4月1日時点の情報に基づいています)