遺言による相続で相続登記申請書を作成する場合のひな形

相続人が故人の遺言によって不動産を相続するために相続登記する場合、相続登記申請書を作成し、必要書類を添えて法務局に提出しなければなりません。

相続登記申請書のひな型は下記のとおりです。法務局のウェブサイトにて書式のダウンロードが可能ですので、そちらも参考にしてみてください(不動産登記の申請書様式について:法務局 (moj.go.jp))。

遺言による相続登記申請の書式は「所有権移転登記申請書(相続・公正証書遺言)」か「所有権移転登記申請書(相続・自筆証書遺言)」です。自身の状況に合う方を選んでください。

登記申請書のひな型
登記申請書のひな型

遺言による相続登記申請書の作成方法

次に、上記のひな型をもとに、相続登記申請書で記載すべき事項を個別に説明します。状況によって書き方が変わることもあるため、作成したらいったん法務局で相談をしてみてください。

1. 登記の目的

被相続人が単独で所有している不動産を相続した場合は「所有権移転」と記載します。他方、被相続人が共有持分を有しているに過ぎない場合は「〇〇(被相続人の名前)持分全部移転」と記載します。

2. 原因

「〇〇年〇〇月〇〇日相続」と記載します。〇〇には被相続人が死亡した日を記載してください。

3.相続人

まず、被相続人(死亡した方)の氏名を記載してください。

次に、「相続人」として不動産取得者の住所および氏名を記載し、申請人が末尾に押印してください(認印可)。住所および氏名は、住民票の写しに記載されているとおりに正確に記載することが大切です。

加えて、連絡先の電話番号を記載してください。申請書の記載内容等に補正する点がある場合、登記所の担当者から連絡が来ることがあるからです。

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3. 添付書類

まず、「登記原因証明情報」として、遺言書や被相続人が死亡した事実が分かる被相続人の除籍謄本、相続人であることが分かる相続人の戸籍謄本などが必要です。

また、「住所証明情報」として、不動産取得者の住民票の写しが必要です。

4. 登記識別情報の通知希望の有無・申請日

登記識別情報通知は特段の事情がなければ通知を希望しましょう。また、申請書を提出する日も記載します。

5. 課税価格や登録免許税

課税価格は固定資産評価額、登録免許税額は課税価格の0.4%が原則です。自身で申請を予定している場合は法務局で相談すると良いでしょう。

6. 不動産の表示

登記の申請をする不動産について、登記事項証明書を取得し、同書に記録されている通りに正確に記載しましょう。なお、不動産番号を記載した場合は、土地の所在、地番、地目および地籍(建物の所在、家屋番号、種類、構造および床面積)の記載を省略することが可能です。

遺言によって相続登記申請する手順

次に、遺言によって相続登記を申請する際の手順を説明します。

1. 遺言書を準備する

自筆証書遺言で相続登記申請をする場合、遺言書原本に加えて家庭裁判所の検認済証明書が必要です。そのため、事前に家庭裁判所に遺言書を提出して検認請求をし、検認済証明書を取得しましょう。なお、自筆証書遺言が法務局で保管されている場合(遺言書保管制度を利用している場合)、遺言書原本の代わりとして、法務局で遺言書情報証明書を取得しましょう。この場合、上記の検認請求は不要です。

公正証書遺言で相続登記申請をする場合、公正証書遺言の正本または謄本が必要です。紛失などで手元にない場合は公証役場で交付してもらいましょう。

2. 他の必要書類を集める

被相続人の除籍謄本などの他の必要書類を集めましょう。詳細は次の項目を参考にしてみてください。

3. 登記申請書を作成する

遺言書や必要書類の準備ができたら、これらの記載内容をもとに登記申請書を作成しましょう。ひな型や作成方法は上記のとおりです。

4. 必要に応じて法務局で相談

法務局では無料の登記相談(要予約)を受け付けています。必要書類の準備と登記申請書の作成が整ったら、一度法務局に相談に行ってみると良いでしょう。

5.管轄の法務局に申請・登記識別情報通知書の交付

所定の登録免許税額に相当する収入印紙とともに、登記申請書と必要書類を管轄の裁判所に提出しましょう。不備がなければ申請が受理され、法務局から登記識別情報通知書が交付されます。登記情報通知書は重要な書類ですので大切に保管しておきましょう。

遺言による相続登記申請の必要書類

遺言書によって相続登記申請をする場合の必要書類は下記のとおりです。

  • 被相続人の除籍謄本
  • 被相続人の住民票または戸籍の附票
  • 不動産を取得した人の戸籍謄本および住民票の写し(※マイナンバー(個人番号)が記載されていないもの)
  • 固定資産評価証明書
  • 遺言書
  • 検認済証明書(※公正証書遺言以外で遺言書保管制度を利用していない場合)。
  • 相続関係説明図(※必須ではありませんが、相続関係説明図を提出することで、戸籍謄本等の原本を返却してもらえます。前記の法務局のウェブサイトに記載例があります。参考にしてみてください)。

相続登記は司法書士へ依頼できる

一から方法を調べて相続登記を申請するには手間や時間がかかります。登記の専門家である司法書士に依頼をすればスムーズに申請をしてもらえますので、自身で進めることに不安がある場合は司法書士に依頼してみることをお勧めします。

まとめ

相続人が遺言による相続登記を行う場合には、登記申請書を作成するだけではなく家庭裁判所に対する検認請求など様々な対応が必要です。困ったときには司法書士に相談すると良いでしょう。

(記事は2022年5月1日時点の情報に基づきます。)