土地と建物の固定資産税とは

固定資産税とは

土地と建物(以下「家屋」という)の固定資産税は、毎年1月1日現在の土地と家屋の所有者に対して、その土地と建物の所在する市町村(東京23区内の場合は都)が課税する税金です。税額は、土地と家屋の固定資産税評価額をもとに算定されます。毎年5月~6月頃に市町村から所有者に対して納税通知書が送られ、それに記載された税額を所有者が一括又は分割で納めます。

また、土地及び家屋が市街化区域内に所在する場合には、固定資産税に加えて都市計画税もあわせて課税されますが、以下、土地及び家屋の固定資産税に絞って解説していきます。

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固定資産税の計算式

土地の固定資産税は原則として以下の算式で算定されます。
土地の固定資産税=土地の課税標準額×税率(1.4%)

土地の課税標準額は、地目(宅地、農地等)によって計算方法が異なります。宅地の場合、原則として、地価公示価格(土地を売買する際の時価の目安)の7割水準の固定資産税評価額が課税標準額となります。ただし、住宅用地のように課税標準の特例措置が適用される場合は、課税標準額は固定資産税評価額よりも相当低くなります。固定資産税評価額は、3年ごとの評価替えの年度に評価され、次の評価替えの年度まで据え置かれます。直近では、令和3年が評価替えの年度でした。

家屋の固定資産税は原則として以下の算式で算定されます。
家屋の固定資産税=家屋の課税標準額×税率(1.4%)

家屋の課税標準額は、基本的には新築時に一度評価され、その後は3年ごとの評価替えの年度で経年減価と建築費水準の時点修正が行われます。新築時の家屋の固定資産税評価額は、実際の建築費用の6~5割程度の場合が多いとされています。

土地のみの固定資産税は高い

住宅用地に対する課税標準の特例措置

住宅が建っている土地の固定資産税は「住宅用地に対する課税標準の特例措置」の適用により、住宅のない土地のみの場合に比べて相当低くなります。

住宅用地に対する課税表樹の特例措置

以下、特例措置について簡単な計算例を示します。
【計算例①】
戸建住宅の敷地150㎡ 固定資産税評価額2400万円
150㎡≦200㎡ → 土地全体の固定資産税評価額1/6となる。
土地の課税標準額=2400万円×1/6=400万円

【計算例②】
戸建住宅の敷地300㎡ 固定資産税評価額3600万円(単価12万円/㎡)
300㎡>200㎡ → 200㎡分は固定資産税評価額1/6、100㎡分は固定資産税評価額1/3となる。
200㎡分:12万円/㎡×200㎡×1/6=400万円
100㎡分:12万円/㎡×100㎡×1/3=400万円
土地の課税標準額=400万円+400万円=800万円

「特定空家等」の敷地の適用除外

平成28年度から賦課期日(1月1日)において、「空家等対策の促進に関する特別措置法」に基づく除去等の勧告を受けた「特定空家等」の敷地については、上記「住宅用地に対する課税標準の特例措置」の適用対象外とされています。

適用除外とされるまでの流れは以下国土交通省の資料の図の通りです。勧告の次の段階である命令に違反した者は、50万円以下の過料に処されることとされています。老朽化した空き家を放置している場合には、特に取り扱いに注意が必要です。

出典:国土交通省「空家等対策特別措置法について 資料4」(令和3年2月4日)p11

土地の固定資産税を下げる方法

更地に住宅を建てる

現在持っている土地が建物の立っていない更地の場合、住宅を建てることで先に紹介した「住宅用地に対する課税標準の特例措置」の適用により固定資産税は相当低くなります。なお、この特例措置の対象となる住宅用地としては、以下の2パターンがあります。

【特例措置の対象となる住宅用地】
① 専用住宅(専ら人の居住の用に供する家屋)の敷地の用に供されている土地で、その上に存在する家屋の総床面積の10倍までの土地

② 併用住宅(一部を人の居住の用に供する家屋で、その家屋の床面積に対する居住部分の割合が4分の1以上あるもの)の敷地の用に供されている土地のうち、その面積に下表の率を乗じて得た面積(住宅用地の面積がその上に存在する家屋の床面積の10倍を超えているときは、床面積の10倍の面積に下表の率を乗じた面積)に相当する土地

特例措置の対象となる住宅用地

①専用住宅の敷地は、戸建住宅の敷地や賃貸アパート等の共同住宅の敷地が代表例です。
②併用住宅の敷地は、店舗住宅や事務所住宅等の居住部分を含む複合用途の家屋の敷地になります。②併用住宅の敷地に関しては、居住部分の割合が1/4以上であることが特例措置の前提条件です。

土地を分筆する

土地の固定資産税の評価は、「一筆」単位で行われます。
この点に着目し、例えば、下図のように一筆の土地上に自宅と賃貸アパートが建っているような土地の場合、赤点線部分で分筆することで、自宅部分の土地の形状がいわゆる旗竿地となり、不整形地評価減の適用を受けることができます。つまり、固定資産税評価額が下がるため固定資産税も下がることになります。

図表:一筆の土地上に複数の建物があるケース(その1)

他には、例えば、下図のように一筆の土地上に自宅と賃貸アパートが建っており、かつ固定資産税路線価(単価)の異なる2つの道路に接面しているような土地の場合、赤線部分で分筆することで、自宅部分の土地は固定資産税路線価の低い道路Bにのみ接面するようになります。つまり、固定資産税評価額が下がるため固定資産税も下がることになります。

図表:一筆の土地上に複数の建物があるケース(その2)

土地の固定資産税を下げるときの注意点

更地に住宅を建てるにしても、土地を分筆するにしても、それ相応の時間とコストがかかります。

賃貸アパートを建てて賃貸経営を開始する場合には、土地の固定資産税だけでなく建物の固定資産税や所得税など他の税金もかかります。賃貸経営にあたっては税金だけでなく、家賃収入から各種支出を控除した残りのキャッシュの推移を予測して中長期的にみてキャッシュフローが回るかどうかが特に大事です。単に税金の節税だけを目的として始めるべきものではありません。
土地の分筆により固定資産税の節税に繋がるケースは上記以外にもありますが、分筆してもさほど固定資産税の節税にならない場合もあります。

土地の固定資産税で悩んだら一人で判断せずに、不動産に精通した税理士にまずは相談するのがよいでしょう。

(この記事は2021年10月1日現在の情報に基づきます)