目次

  1. 1. 事業承継を相談すべき先は?
  2. 2. 誰を後継者にするかが事業承継の第一歩
  3. 3. 報酬額についてはあらかじめ確認を

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■顧問税理士
事業承継について一番多い相談先は顧問税理士になります。経営者にとって身近な存在である上に会社の内情を一番理解しているため、意思疎通が図りやすいためです。しかし、顧問税理士といっても事業承継について専門的な知識を持っているとは限らないので、顧問税理士が事業承継に詳しくない場合は、事業承継専門のコンサルティング会社や公的機関などに相談しましょう。顧問税理士が事業承継に詳しくなかったために、事業承継の検討をやめてしまう経営者が多くいるのが現状です。

■取引先の金融機関
取引先の金融機関は普段から顔を合わせているため、相談しやすい場合が多いです。また、事業承継を進めるにあたり一度は声をかける存在です。最近は事業承継に力を入れている金融機関が多いため、適切な対応や提携している専門家を紹介してくれる金融機関が多くなっています。ただし、担当者によっては融資を前提とした事業承継を進められたりする場合もあるため注意が必要になります。

■事業承継専門のコンサルティング会社
事業承継は国の課題であるため、事業承継を専門にしているコンサルティング会社は多く存在します。事業承継に詳しい専門家が集結している場合が多く、様々な視点から提案を受けることができます。

■事業引継ぎ相談窓口・事業引継ぎ支援センター
中小企業庁から委託を受けて実施している公的機関になります。事業引継ぎ相談窓口は全国47都道府県の各認定支援機関(商工会議所などの支援機関)に設置されており、事業承継に関する情報提供や助言を受けられます。また、事業引継ぎ支援センターは、事業引継ぎ相談窓口と同様の公的機関になり、現在は北海道、宮城県、東京都、静岡県、愛知県、大阪府、福岡県の7か所に設置しています。より専門的に事業承継のアドバイスを受けることができます。

■商工会議所
商工会議所は経営者向けのさまざまなサポートを実施しているため、会員は事業承継に詳しい専門家に無料で相談をすることができます。

■税理士・公認会計士・弁護士・司法書士・行政書士などの士業
事業承継を積極的に取り扱っている士業の方は多くいます。ただし、分野に偏りがある場合が多いため、各士業と連携をしているか確認をした方が良いでしょう。

■M&Aのコンサルティング会社・仲介業者
M&Aにより承継させる場合の相談先にM&Aコンサルティング会社や仲介業者があります。M&Aは豊富な実績や経験が必要になる場合が多いため、M&Aの専門会社に相談するとスムーズに進めることができます。また、各士業と連携している場合が多いため、いろいろな相談に対応してもらえます。

事業承継の相談を受けるにあたり、後継者をリストアップができていない経営者が多くいます。経営者にとって後継者を決めることは一番悩み、かつ、時間がかかるところです。そのため、早めに一人又は複数人の候補者を見つけることが重要になります。後継者の選定は「親族内から選定」「親族外の役員・従業員や社外の人を招集して選定」「M&Aなどによる承継」に大きく分類することができます。誰を後継者にするかにより事業承継の手法やプランニングが異なりますので、まず誰を後継者にするかが第一歩になります。

また、自社の価値を把握していない経営者が多くいます。一般的に親族内の承継であれば、株式の贈与や譲渡、あるいは将来の相続を踏まえ自社の価値を低くして承継したいという経営者が多いのに対して、M&Aなどで外部に売却する場合は自社の価値を高くしたい経営者が多くいます。誰を後継者にするかにより考え方が大きく異なります。そのために顧問税理士に現状の価値を計算してもらいましょう。

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上述のように事業承継はさまざまな相談先がありますが、経営者は下記の点に注意しながら相談先を選定しましょう。

1 会計・税務・法務に詳しい
事業承継は様々な法律と税金の知識が絡むことが多いので、士業や事業承継専門のコンサルティング会社であれば税理士・公認会計士・弁護士・司法書士や行政書士などの各士業と連携しているか確認をした方がよいでしょう。

2 報酬額
事業引継ぎ相談窓口・事業引継ぎ支援センターや商工会議所は公的な機関のため、初回の相談料が無料の場合があります。最終的には専門家に依頼することになるため、そのとき報酬が発生しますが、事業承継について漠然としている場合は、まずこのような公的な機関に相談してもよいでしょう。また、M&Aの専門会社の報酬は成功報酬の場合が多いです。高額な取引が行われる場合は報酬が高額になりますので、あらかじめ報酬額については確認をした方がよいでしょう。

3 M&Aの実績がある
M&Aをする検討する場合はM&Aの実績が多くある会社に相談しましょう。M&Aは買い手の選定から条件交渉、従業員などへの説明、法務・税務の検証、そして契約書の作成など親族内の承継と比較して検討事項が多くあります。そのため、経験や実績のある会社でないと将来訴訟になり、M&Aをしたものの従業員が大量に退職してしまう可能性がありますので、実績のある会社を相談先にするとよいでしょう。

中小企業にとって経営者が変わることは想像以上に従業員や外部の取引先に与える影響は大きくなりますので、相談先の選定も重要になってきます。事業承継の相談先は年々増加していますが、相談先によって経験や進め方も変わってきますので、事前に相談先の特徴を確認したうえで相談するようにしましょう。その前に、経営者には相談するという行動をまず一歩踏み出してほしいと思います。

(この記事は2021年2月1日現在の情報に基づきます)

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