固定資産税の納税者はどう決まるのか

固定資産税は、土地や家屋、償却資産などの固定資産に対してかかる地方税です。固定資産の所在する市町村(東京23区内は都)に支払います。

マイホームを持っている人なら、毎年、固定資産税や都市計画税を支払っているはずなので、固定資産税は土地や建物にかかるものと認識していると思います。具体的には以下のようなものが対象です。

〔土地〕
田、畑、宅地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、その他の土地(雑種地)
〔家屋〕
住家、店舗・工場(発電所・変電所含む)、倉庫、その他の建物
〔償却資産〕
構築物、機械・装置、工具・器具及び備品、船舶、航空機などの事業用資産で、法人税法又は所得税法上、減価償却の対象となるべき資産。ただし、自動車税種別割、軽自動車税種別割の課税対象となるものは除く。

(出典:東京都主税局

そして、この税金を納める人(納税義務者)は、「1月1日現在、土地、家屋及び償却資産の所有者として、固定資産課税台帳に登録されている人」です。つまり、毎年1月1日現在の所有者が支払うことになっています。

固定資産税額の確認方法と特例

納税額は、土地や建物の場合、固定資産税評価額をもとに算出される課税標準額の1.4%が基本です。決定した税額は通常、年4回に分けて支払います。税額計算の基礎となる固定資産税評価額は、3年に1度の評価替えが行われていて、土地や建物などの不動産の売買価格(実勢価格)の7割程度の価格となっています。

固定資産税評価額は、マイホームを持っている人なら、毎年送られてくる固定資産税課税明細書を見ればわかります。マイホーム以外で、自分が所有していない不動産の固定資産税評価額を調べたい場合は、各市町村にある固定資産課税台帳を閲覧することで確認できます。

ちなみに、マイホームの土地(住宅用地)については、200㎡までの部分の価格を6分の1(200㎡超の部分は3分の1)で計算してくれる特例があります。建物部分についても新築住宅については、3年間(マンションなどは5年間)、認定住宅では5年間(マンションなどは7年間)、120㎡相当分までは固定資産税を半額にしてくれる特例などがあります。詳しくは各市町村、県税事務所などにお問い合わせください。

故人の財産にも固定資産税は発生

それでは、相続の際に関係してくる固定資産税について解説します。

親が所有していた土地や建物を相続した場合、相続財産である親名義の土地や建物にも固定資産税はかかります。先ほども触れたとおり、固定資産税の納税義務者は1月1日現在の所有者です。土地や建物の所有者であった親が亡くなっても、当然ながら、その年の固定資産税の納税義務者は親となります。

亡くなった時点で親が固定資産税の納税を済ませていれば問題ありません。しかし、納めていなかった場合は、遺産分割などの相続手続きが終わるまでの間、便宜上の代表者(代表相続人)を決めて、とりあえず納税を済ませておくのが得策です。なぜなら、固定資産税を滞納すると延滞金がかかってしまうからです。

つまり、とにかく誰かが先に支払っておくわけです。支払ったからといって、その人が対象となる不動産の所有者として確定するわけではありません。滞納扱いにならないために、代表者が一旦立て替えておくというイメージです。その後、遺産分割が終わったら、正式な所有者と話し合って税負担を清算するのが通例です。

遺産分割前の税負担者は?

また、親が亡くなった時期が年の後半になったら、亡くなった翌年の1月1日時点では、まだ遺産分割が終わっていないケースもあるでしょう。その場合、遺産分割されていない土地や建物は相続人全員の共有財産です。従って、1月1日現在の所有者は相続人全員となります。

しかし、このときは相続の登記が完了していないので、亡くなった親あてに納付書が送られてしまいます。それを避ける手段として、市町村あてに「相続人代表者指定届」を出せば、指定された相続人あてに納付書が送られてきます。納付書の存在を知らずに納付期限を過ぎてしまう事態を避けるためにも有効でしょう。

このように、遺産分割が終わっていない場合の土地建物の固定資産税は誰が負担するのでしょうか。一般的には、法定相続分に応じて分担したり、相続人全員の話し合いで決めたりして納税することになります。そして、遺産分割が終わり、新所有者が確定したら、その翌年以降は新所有者が固定資産税を支払います。

相続後の名義変更を忘れずに

相続した不動産の名義変更には、登録免許税や必要になる証明書等を取得するための手数料など費用負担が発生します。一方、名義変更をしなかった場合のペナルティはありません。

「名義変更をしなくてもペナルティがないのであれば放っておこう」と思っている人が多いのかどうかはわかりませんが、土地や建物の名義は亡くなった父親のままとか、ひどい場合は祖父名義の土地や建物にそのまま住んでいる人も少なくないようです。

そのような土地や建物の場合、将来的な相続の際に大きくもめる場合もあります。遠い昔の相続については、遺産分割協議書の作成や戸籍の収集など、手続きが煩雑になる可能性も高くなります。

そうした事態を避けるためにも、相続をした土地や建物については、早めに名義変更をしましょう。また、相続財産にそのような不動産があった場合には、早めに専門家に相談するなど、手続き等についても確認しておくとよいでしょう。

(記事は2020年3月1日時点の情報に基づいています)