目次

  1. 1. 遺産分割協議書とは
  2. 2. 遺産分割協議書の書き方
    1. 2-1. 紙や文具などに決まりはない
    2. 2-2. 当事者を明らかにする
    3. 2-3. 作成日付を入れる
    4. 2-4. 誰がどの遺産を取得するかわかりやすく書く
    5. 2-5. 相続人全員が署名捺印する
    6. 2-6. 複数ページにわたる場合、契印する
    7. 2-7. 全員分の写しを作成して1人1通ずつ保有する
  3. 3. 遺産分割協議書の利用目的、提出先
    1. 3-1. 遺産分割協議書の利用目的
    2. 3-2. 相続手続きを行う際、遺産分割協議書の提出先は?
  4. 4. 遺産分割協議書の作成を弁護士や司法書士に依頼する

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遺産分割協議書は、相続人たちが遺産分割協議で合意した結果をまとめた書類です。協議がまとまっても、遺産分割協議書を作成しておかないと合意内容が明らかになりませんし、不動産や株式の名義変更、預貯金の解約払い戻しなどもできません。遺産分割協議書は、遺言書がない場合、相続する際には必ず作成しなければならない重要書類です。

遺産分割の基本が気になる方は「遺産を相続することになったら?最初に必要な『遺産分割協議』を解説」をお読みください。

遺産分割協議書を作成する場合、利用する紙や文具などに制限はなくパソコンで作成しても構いません。自由に作成できるものですが、必要な項目をもらさず記入することが大切です。
「遺産分割協議書」とタイトルを書いて作成を始めましょう。

遺産分割協議書を作成する際、亡くなった誰の遺産相続なのか、誰が相続人なのか明らかにする必要があります。被相続人の名前、死亡日、最終の住所地や相続人の氏名、住所を明記しましょう。

遺産分割協議書を作成した日付を書き入れます。

重要なのは、どの相続人がどの遺産を取得するか、わかりやすく書くことです。遺産が特定されていなかったら遺産分割協議書が無効になる可能性があります。相続財産が土地の場合、「謄本の表題部」の「所在、地番、地目、地積(土地の面積)」などをすべて引き写しましょう。預貯金なら金融機関名、支店名、預金の種類、口座番号、口座名義人を書いて特定します。
自動車の場合には自動車登録証の表示を写し、株式の場合には発行会社名、株式の種類、株式数によって特定しましょう。

まず必要になるのが、相続人全員の捺印です。法律上「実印でないといけない」という決まりはありませんが、後の不動産名義変更などの相続手続きを考えると「実印」を使っておくべきです。印鑑登録していない相続人がいたら、先に役所で印鑑登録をしてから遺産分割協議書に捺印してもらいましょう。

遺産分割協議書が複数ページに及ぶ場合には、ページの間に契印をします。契印も相続人全員が実印で行う必要があります。遺産分割協議書が多くのページにわたる場合、押印箇所が少なくなるよう、袋とじで作成することをお勧めします。

遺産分割協議書が完成したら、相続人全員分を作成して、一人1通ずつ保有します。この協議書を使って、各相続人が相続した財産の名義変更などを進められるようになります。

遺産分割協議書を作るのに不安を感じた場合、一度、弁護士への相談を検討するのはいかがでしょうか。その他の手続きについても、アドバイスを受けることができます。

遺産分割協議書の利用目的は2つあります。1つは相続人の間で相続分をめぐる争いなどの蒸し返しを防ぐことです。もう1つは不動産や車、預金や株式などの名義変更や売却手続きの際に必要になるからです。
せっかく遺産分割協議を成立させても、遺産分割協議書を作成しておかないと、他の相続人が「合意していない」などと言って合意した内容を覆される可能性があります。
また遺産分割協議書がないと不動産や車、預貯金などの名義変更ができないので、相続財産が亡くなった被相続人名義のままになります。誰のものかわからなくなり、トラブルにつながる恐れがあります。

相続手続きの際、遺産分割協議書の主な提出先は以下の通りです。

  • 不動産の名義変更…不動産を管轄する法務局
  • 車の名義変更…陸運支局
  • 預金の名義変更、解約払戻…金融機関
  • 上場株式の名義変更、売却…証券会社
  • 非上場株式の名義変更…発行会社

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遺産分割協議書は正しい方法で作成しないと無効になり、相続手続きにも使えません。もしも不安があるなら、司法書士や弁護士に作成を依頼するのも1つの方法です。専門家であれば有効な書面を作成してくれますし、司法書士なら引き続いて不動産の相続登記も依頼できます。
弁護士は当事者の代理人となって交渉や調停を行うことができるので、万が一、他の相続人ともめてしまっても解決を依頼できるかもしれません。
自分たちだけで相続手続きを進めるのが難しいと感じたら、専門家に相談するのも一つの手です。

(記事は2019年9月1日時点の情報に基づいています)

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