葬儀後に後悔を残さないために 「知らないまま決めてしまう」を防ぐ視点【未来へつなぐ 人生のしまいかた】
終活コーディネーターの吉原友美さんが終活について語る連載「未来へつなぐ 人生のしまいかた」。葬儀は悲しみの中で限られた時間に判断を迫られ、「知らないまま決めてしまう」ことが後悔につながりやすい場面です。今回は、葬儀の現場で見えてきた失敗のパターンと、後悔を減らすために事前にできる準備を整理します。
終活コーディネーターの吉原友美さんが終活について語る連載「未来へつなぐ 人生のしまいかた」。葬儀は悲しみの中で限られた時間に判断を迫られ、「知らないまま決めてしまう」ことが後悔につながりやすい場面です。今回は、葬儀の現場で見えてきた失敗のパターンと、後悔を減らすために事前にできる準備を整理します。
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「もっと早く知っていれば、落ち着いて選べたのに……」。葬儀が終わった後、ご遺族からそんな言葉を聞くことがあります。
葬儀は、故人が細部を確認することができず、準備や判断は原則ご遺族が担うことになります。ご遺族から故人への最後の愛情表現の機会でもある一方で、普段は触れる機会の少ない事柄ばかりで知識がないまま、悲しみの中で、短期間に決断しなければならない現実があります。
葬儀がどれだけ多くの人手を必要とする儀式か、ご存知でしょうか。ご遺体の搬送、安置、納棺から、通夜・告別式の進行、セレモニーホールから火葬場への移動、火葬の立ち会いまで。それぞれの場面で専門知識を持ったスタッフが必要です。
通夜と告別式だけでも、司会進行、受付対応、会場設営、料理の手配、返礼品の準備、駐車場の誘導など、同時に複数の業務が動いています。
一方で、現代は人手不足の時代です。特に地方ではスタッフの確保が難しいこともあります。だからこそ、十分な人員を配置できる体制が整っているか、繁忙期でも対応できる余力があるかといった点は、葬儀社を選ぶうえで確認しておきたい視点です。
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相続の相談が出来る弁護士を探す葬儀の場面で起きやすいのは、十分に分からないまま決めてしまい、後から「こうなるとは思わなかった」と感じるケースです。実際にあった例をいくつかご紹介します。
【ケース1:見積書の内容を理解しないまま決めてしまった】
「家族葬プラン50万円」という表示を見て契約したものの、棺のグレード、返礼品、料理、寺院へのお礼、火葬場への移動費用などが別料金で、最終的に想定の倍近くに。「基本プラン」には最低限のものしか含まれていないのが業界の慣習ですが、初めてだとそのことをご存じない方も多いのが実情です。
【ケース2:何が必要で何が不要か、判断できなかった】
棺の素材、祭壇の花の種類、遺影写真の加工。様々な選択肢が提示される中、「故人のために」と思うと、すべてが必要に思えてしまいます。悲しみの中で冷静に判断するのは難しく、後から「あれは本当に必要だったのだろうか」と悩むことになりかねません。
【ケース3:価格だけで選んでしまった】
最安値を選んだものの、当日のスタッフが少なく、段取りが十分でなかった。「父の最期の日なのに、バタバタして落ち着かなかった」。葬儀は価格だけでなく、担当者の説明の分かりやすさや人柄、当日の人員体制に加え、会社としての信頼性によっても満足度が左右されやすい面があります。
見落とされがちですが重要なのが、葬儀社の経営体力です。数年前に事前相談をして会員になっていた葬儀社が、いざという時には廃業していたり、別の会社に吸収合併されて契約内容が引き継がれず、一から探し直すことになったりするケースもあります。
近年は葬儀業界でも再編が進み、小規模な葬儀社が大手に買収されることや、経営が立ち行かなくなることもあります。だからこそ、事前相談の際には、会社の設立年数、実績、スタッフの人数、保有する式場の数なども確認しておくと安心です。長く地域に根差している会社か、安定した経営基盤があるかといった点も、安心して任せられる葬儀社かどうかの判断材料になります。
葬儀の準備は、本人が元気なうちに家族で希望や情報を整理しておくだけで、いざという時の判断が変わります。後悔を減らすために、まず家族で共有しておきたいこと、次に葬儀社への事前相談で確認したいこと、そして見積もりや体制の比較で押さえるポイントを順に整理します。
【POINT1:自分の希望を整理しておく】
葬儀の規模、宗教儀式の有無、使いたい式場、遺影にしてほしい写真、火葬場の希望などをノートに書き留めておいたり、家族が生前に聞き取っておいたりするだけで、負担は大きく減ります。ただし、「絶対にこうしてほしい」と縛りすぎず、「できればこうしてほしいが、その時の状況で判断してほしい」というスタンスで共有しておくと現実的です。
【POINT2:葬儀社と事前相談をする】
本人が元気なうちにご家族と葬儀社へ相談に行くことをおすすめします。事前相談の大きなメリットは、時間があることです。実際の式場を見学し、プランをじっくり聞き、疑問点を納得いくまで質問できます。担当者の人柄や会社の雰囲気、スタッフの対応も確かめられます。
また、式場が清潔に保たれているか、スタッフが十分にいるか、受付の対応は安定しているかといった点から、会社の体力や信頼性がうかがえることもあります。事前相談の後も、年に一度でも連絡を取り、会社の様子を確認しておくと安心につながります。
【POINT3:見積もりを正しく読み解く】
見積書では、基本プランに何が含まれているかを確認しましょう。棺、骨壺、霊柩車、式場使用料、人件費、火葬場への移動費用などは代表例です。あわせて、含まれていないものが何かも必ず確認してください。総額はいくらになるのか、具体的な数字を出してもらうことが大切です。誤解なく、納得して進めるためにも欠かせません。
【POINT4:複数社を比較し、体制も確認する】
2〜3社から見積もりを取り、話を聞いて比較してみましょう。その際、スタッフの体制についても確認します。「通夜・告別式には何人のスタッフが配置されますか」「繁忙期でも対応できますか」「火葬場への移動は誰が同行しますか」など、当日の運営体制を具体的に聞くことで、安心感が変わってきます。
全国47都道府県対応
相続の相談が出来る弁護士を探す葬儀で後悔が残る背景には、「知らないまま決めてしまった」という事情があることも少なくありません。逆に言えば、見積もりの見方や、何を質問すればよいか、葬儀がどれだけの人手で成り立っているか、信頼できる葬儀社をどう見極めるかを知っているだけで、落ち着いて故人を想う余裕が生まれます。余裕があるからこそ、心を込めて見送ることができます。
元気な今だからこそ、冷静に考え、比較し、自分の価値観を整理できます。近くの葬儀社に事前相談を予約する、資料を取り寄せる、家族とどんな葬儀がよいか話し合う。そうした小さな一歩が、「知らなかった」という後悔を防ぎ、故人を心から想える葬儀につながります。葬儀社を選ぶ目を養うことが、最後のセレモニーを大切なものにするための、終活の第一歩です。
(記事は2026年1月1日時点の情報に基づいています)
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