大阪府豊中市には東豊中、緑丘、上野といった高級住宅街があり、治安が良いといわれています。資産価値が高い不動産も多いため、このような場所に不動産を所有している場合には、その分割をめぐってトラブルになったり、相続税に関する困りごとが出てくる可能性があります。相続をスムーズに進めるには、早い段階で専門家に相談することが重要です。本記事では、豊中市で遺産問題を相談できる窓口と、窓口選びのポイントを紹介していきます。
目次
相続手続きを滞りなく終了させるために欠かせないのが、専門家のサポートです。困りごとを専門家に相談する際には、まず無料相談窓口を利用すると良いでしょう。豊中市在住の方が利用できる無料相談所には、主に以下のようなものがあります。
弁護士は法律に関わる手続き全般に対応できる専門家です。相続に関わる業務では、以下のようなものに対応しています。
遺産分割に関するトラブルが起こっている場合だけではなく起こることが予想される場合、また連絡が取れない相続人がいる場合などには、弁護士事務所への相談がお勧めです。弁護士は法律に基づいた的確なアドバイスをくれる以外にも、依頼人の代理として手続きを進めてくれたり、遺産分割に関する交渉をしてくれたりするなどの方法で、相続問題の解決に力を貸してくれます。相続人同士の話し合いだけでの問題解決が難しい場合には、依頼を前提として弁護士事務所に相談しましょう。
豊中市内には相続に詳しい弁護士事務所が多数あり、その中には無料相談を行っている所もあります。ただし初回の相談料は無料でも、2回目以降は有料になるケースもあるため事前に確認しておきましょう。
司法書士は登記をメインに行う専門家で、相続の際には以下のような業務に対応してくれます。
遺産の中に不動産がある場合には相続登記が必要になります。相続登記の手続きは、司法書士に相談すると手続きをサポートしてくれます。ただし、相続トラブルや相続税の申告などには対応できません。
司法書士事務所の中には初回の相談を無料で行っている所もあり、相続手続きの進め方や必要書類の揃え方、記入方法などについてアドバイスをもらえます。相続登記を自分で行うのは非常に難しいため、初めから依頼を前提として司法書士事務所に相談すると良いでしょう。
税理士は税の専門家で、相続の際には以下のような業務に対応してくれます。
亡くなった人の遺産が多く、基礎控除の金額を超えてしまい相続税が発生する場合や、納める相続税の負担をできるだけ軽くしたい場合には、税理士への相談がお勧めです。
税理士事務所の中には初回の相談を無料で受け付けている所もあり、申告手続きの方法やどれぐらい相続税を納める必要があるかについて教えてもらえます。また、税理士に依頼すると相続税の申告手続きを代行してもらえます。
生前の段階で税理士に相談しておくと、節税対策についてもアドバイスをもらえます。相続税の申告や生前の節税対策について依頼を検討している場合には、初めから税理士事務所へ相談しましょう。
豊中市役所では豊中市在住の人を対象として、弁護士、司法書士、税理士に相続に関する無料相談を実施しています。相談時間は25分まで、相談方法には対面、電話、Zoomがあります。事前に電話かオンラインでの予約が必要です。相談回数は1日1回まで、1年度中2回までとなっています。既に専門家に依頼済みであったり、係争中の案件に関しては相談できません。なお、録音と録画は禁止です。
市役所が実施している無料相談は気軽に相談しやすいというメリットがありますが、相談担当者が必ずしも相続を得意としているとは限りません。ただし、どこに相談するべきか分からなかったり、いきなり専門家に相談するのは敷居が高いと感じる場合には、このような相談窓口を利用すると良いでしょう。
| 相談窓口名 | 場所 | 電話番号 | 相談日時 |
|---|---|---|---|
| 弁護士相談 | 豊中市中桜塚3-1−1 豊中市役所 第二庁舎1階 広報戦略課広聴係 （窓口番号101） |
06-6858-2034 予約方法についての詳細は ホームページを確認してください |
水曜・金曜 13時～17時 第2曜 9時30分～13時30分 （除外日あり） ※各日16人 |
| 司法書士相談 | 豊中市中桜塚3-1−1 豊中市役所 第二庁舎1階 広報戦略課広聴係 （窓口番号101） |
06-6858-2034 予約方法についての詳細は ホームページを確認してください |
月曜 13時～16時 （除外日あり） ※各日6人 |
| 税理士相談 | 豊中市中桜塚3-1−1 豊中市役所 第二庁舎1階 広報戦略課広聴係 （窓口番号101） |
06-6858-2034 予約方法についての詳細は ホームページを確認してください |
月曜 13時～16時 （除外日あり） ※各日6人 |
法テラスは居住地などに関係なく日本中どこの法テラスでも相談できます。法テラスとはトラブルの解決に必要な法律的な情報やサービスを提供できるよう、国が設置している機関です。豊中市内には法テラスはないため、アクセスの良い法テラス大阪の利用をお勧めします。
法テラスは資産や収入が定められた基準以下の人が、無料で弁護士や司法書士へ相談できます。法テラスで同一案件を無料で相談できるのは、3回までです。なお、相談は予約制となっています。法テラスに直接相談する場合は、専門家を自分で選ぶことはできません。しかし、依頼したい専門家が決まっていてその専門家が法テラスと契約している場合には、専門家経由で法テラスの利用を申し込めます。
高齢や障害などの理由で法テラスまで出向くことが難しい場合には、弁護士が自宅などへ出向いて出張法律相談を受けられる可能性があるので、電話で相談してみることをお勧めします。
| 相談窓口名 | 場所 | 予約電話番号 | 相談日時 |
|---|---|---|---|
| 法テラス大阪 | 大阪市北区西天満1-12-5 大阪弁護士会館地下1階 |
0570-078329 （平日9時〜17時） |
月曜～土曜 10時15分～15時20分 |
弁護士会は、弁護士や弁護士会が会員となっている団体で、相続全般や相続トラブルに関する相談に向いています。豊中市に弁護士会はないため、アクセスの良い大阪弁護士会に相談すると良いでしょう。
大阪弁護士会には遺言・相続センターが設置されていて、相続に関する無料電話相談を受け付けています。相続だけではなく、遺言に関する相談にも対応可能です。相談時間は概ね20分以内となっています。
大阪弁護士会の遺言・相続センターに電話すると、初めは大阪弁護士会の担当職員が対応してくれ、その後1時間以内に改めて弁護士から折り返しの電話が入り、相談できます。
| 相談窓口名 | 場所 | 電話番号 | 相談日時 |
|---|---|---|---|
| 遺言・相続センター 無料電話相談 |
大阪市北区西天満1-12-5 | 06-6364-1205 | 平日 10時～12時 13時～16時30分 |
司法書士会とは、司法書士法に基づいて設立された法人です。司法書士の業務は不動産や法人登記に関する手続きを行い、相続に関わる業務として相続登記を行います。豊中市に近い大阪司法書士会は、大阪市中央区にあり司法書士総合相談ホットラインと相続登記手続相談センターを開設しています。どちらも相続に関する電話相談を無料で受け付けています。
司法書士ホットラインに相談する場合、同一案件についての相談は1回のみ、相談時間は1組30分以内となっています。利用を希望する場合には、事前の予約が必要です。
| 相談窓口名 | 場所 | 電話番号 | 相談日時 |
|---|---|---|---|
| 司法書士総合 相談ホットライン |
大阪市中央区和泉町1-1-6 | 06-6941-5758 | 水曜 13時30分～16時30分 |
| 相続登記手続 相談センター |
大阪市中央区和泉町1-1-6 | 06-6946-0660 | 火曜 13時30分～16時30分 |
税理士が行う相続に関する業務には、相続税の申告や節税対策についてのアドバイスなどがあります。豊中市に近畿税理士会の支部はありませんが、近隣に豊能支部があります。
近畿税理士会には、大阪国税局の管轄となる近畿2府4県の税理士が所属しています。近畿税理士会は支部と協力して面接や電話による「税務相談」を行っています。その支部の中には豊中市を管轄する近畿税理士会豊能支部もあり、隣接する池田市で税務相談が行われています。予約優先となっているため、確実に相談したい人は事前に予約していくことをお勧めします。相談時間は1組25分程度です。
| 相談窓口名 | 場所 | 電話番号 | 相談日時 |
|---|---|---|---|
| 豊能支部 無料税務相談 |
池田市城南2-1-21 豊能納税協会2階 |
072-753-9296 | 水曜 13時～16時 ※受付は15時30分まで （祝祭日を除く） |
| もしもし税金相談室 | ー | 050-8880-0033 | 平日 10時〜16時 |
相続した不動産の名義変更手続き（相続登記）は法務局で行います。豊中市には法務局がないため、相続登記に関する相談は隣接する池田市にある大阪法務局池田出張所で行うとよいでしょう。
また、大阪法務局本局では無料登記相談が定期的に開設されていて、司法書士に相続登記に関する相談ができます。利用は本人に限られ、書類への記入は自分で行う必要があります。相談時間は原則として30分、予約優先なので事前に予約しておきましょう。
税務署とは税金に関する業務を担当する行政機関です。相続に関連する税金には相続税がありますが、相続税の申告や納税は税務署で行います。
豊中市は豊能税務署の管轄になっています。豊能税務署では相続税の相談を電話や対面で受け付けています。対面での相談を希望する場合には事前予約が必要です。
税務署では必要書類への記入方法や申告期限など一般的な内容の相談は可能ですが、節税など個々に事情が異なる内容の相談には対応していないため、注意しましょう。
| 相談窓口名 | 所在地 | 電話番号 | 相談日時 |
|---|---|---|---|
| 電話相談センター | ― | 0570-00-5901 | 8時30分～17時 （土日祝日および 12月29日～1月3日を除く） |
| 豊能税務署 | 池田市城南2-1-8 | 072-751-2441 | 9時～17時 （土日祝日および 年末年始除く） |
行政書士とは行政書士法に基づく国家資格者で、官公署に提出する許認可などの書類作成や提出代理などを業務としています。相続に関わる業務には、遺言書作成のサポートや遺産である預金の払い戻し、争いのない遺産分割協議書の作成などがあります。
豊中市は大阪府行政書士会豊能支部の管轄となっているため、相談内容が行政書士の業務の範囲内である場合にはこちらに相談するとよいでしょう。大阪府行政書士会豊能支部では、豊中市役所で定期的に無料相談会を実施しています。相談会は予約制となっているため、必ず事前に予約しておきましょう。
| 相談窓口 | 場所 | 電話番号 | 相談日時 |
|---|---|---|---|
| 無料相談会 | 豊中市桜塚3-1-1 豊中市役所 第二庁舎1階 広報戦略課広聴係 （窓口番号101） |
06-6858-2034 | 第3木曜 13時～16時 |
豊中市在住の人が無料相談先を選ぶ際には、以下のようなポイントを押さえておくと相談先選びに失敗しにくくなります。
相続と一口に言ってもその内容は多岐にわたるため、相続税の問題であれば税理士にというように、内容ごとに対応できる専門家が異なります。そのため自分の抱えている相続の悩みや困りごとが、どの専門家であれば対応できるかという点を自分で把握してからそれぞれの専門家に相談する必要があります。
また業務としては対応できる専門家であっても、必ずしも相続に関わる問題を得意としているとは限りません。そのため専門家の事務所に相談に行く前に、その事務所のウェブサイトをチェックし相続に関する実績が豊富かという点を確認しておく必要があります。
相続に関する相談を行う際は、どの専門家の業務の範囲内か、依頼を検討している専門家が相続問題を得意としているかの2点を事前に確認しておくことが大切です。
相続手続きの手順や必要書類の記入方法など、一般的なアドバイスをもらえば自分で相続手続きができる場合には、公的な無料相談でも十分なケースがほとんどです。
一方で、自治体や公的機関などが実施している無料相談の場合には、相談できる内容が手続き方法や書類への記入方法など一般的な内容に限られることがあります。そのため、個々に事情が異なる節税対策や遺産分割協議に関わるトラブルといった問題を相談する場合には、依頼を視野に入れて専門家へ相談しましょう。
自治体や公的な機関が行う無料相談であっても、対応してくれる専門家は弁護士・司法書士・税理士と異なる場合があります。それぞれ業務内容が異なるため、専門分野以外の相談には的確な情報やアドバイスをもらえない可能性があります。
また、公的な無料相談の場合には業務の範囲内であっても、相談内容が相続トラブルなどの場合には踏み込んだアドバイスをもらえない可能性があります。このような場合には初めから依頼を視野に入れて専門家の事務所の無料相談に行くことをお勧めします。
相談先までのアクセスも、相談先選びの重要なポイントです。相談は先着順のケースもあるため、自宅などからあまりアクセスの良くない場所にある相談先の場合には、到着が遅くなり相談できない可能性も出てきてしまいます。時間的に余裕を持って往復できる相談先を選ぶことをお勧めします。
自治体や公的機関の無料相談の場合には、実施日が平日の昼間のみというケースもあります。そのため、平日に仕事をしている人は相談のための時間を捻出するのが困難な場合も考えられます。そのような場合には土日や夜間でも対応している専門家事務所や、オンラインでの相談に対応している相談窓口を利用しましょう。
相続トラブルは弁護士に相談すべき案件ですが、どの弁護士であっても相続問題に強いという訳ではありません。これは司法書士や税理士に関しても同じことが言えます。そのため、業務の範囲だけではなく、相続問題を得意としているかという点にも注意して専門家を選ばなければなりません。ここでは、相続に強い専門家の探し方について解説していきます。
専門家を探す際にインターネットを利用するのは、非常に効率的な方法です。
豊中市在住の人が弁護士を探す際には「豊中市 相続 弁護士」というキーワードで検索すると、専門家がヒットするでしょう。複数の専門家のウェブサイトがヒットした場合には、その弁護士の得意分野や実績などを比較できます。その中に気になる弁護士がいた場合には、事務所へ相談に行きましょう。
複数の弁護士が気になる場合には、それぞれの事務所に行って、自分に合いそうかそうかといった点についてもチェックしてみることをお勧めします。
弁護士だけではなく司法書士や税理士に相談したい場合にも、このようにしてインターネットを活用しましょう。
インターネットで専門家を検索した場合、専門家ごとのランキングや口コミがヒットすることもあります。しかし、これらにはサイトの運営者や投稿者の主観が入っていることを忘れてはいけません。
どのサイトや口コミでも高い評価を得ている専門家でも、自分と相性が合うかどうかは別の問題だからです。実際に事務所に相談に行き、自分との相性や対応などを確認してから依頼するかどうかを決めましょう。
相続問題で専門家に依頼したことがある友人や知人など、近い関係の人に専門家を紹介してもらうのも良い方法です。実際にその専門家に依頼して良い結果が出た人からの紹介なので、信頼できる専門家である可能性は非常に高いと言えます。
しかし抱えている相続問題は人それぞれなので、知人などと同様に満足が行く結果が必ずしも得られる訳ではないという点に注意しておきましょう。
「相続会議」には、豊中市内の相続に強い専門家が掲載されています。ここに掲載されている専門家の事務所の中には無料相談を実施してる所もあるため、自分が抱えている困りごとを無料で相談することもできます。
豊中市内に気になる専門家がいない場合には、近隣の市に検索範囲を移して専門家を探すことができる他、全国のオンライン相談に対応している専門家を探すこともできます。このように、希望するエリアや相談方法によって専門家を比較できるので、効率的に自分の抱えている問題解決に役立ちそうな専門家を探せます。
無料相談の中には、20分から30分程度と時間が決められているものもあります。その時間をフル活用し有益なアドバイスを得るためには、以下に紹介するコツを知っておく必要があります。
相続に関わる不明点や疑問点を、箇条書きで文書化しておきましょう。こうすることで聞き漏らしを防ぐことができ、アドバスしてもらった内容を忘れてしまっても、見返して思い出すことができます。
また、専門家に相談内容を理解してもらいやすくなるというメリットもあります。
相談事に関わる資料を、なるべく多く持参しましょう。亡くなった人の戸籍謄本や、遺産分割協議に関する悩み事であれば亡くなった人と相続人の関係や人数が分かるものなどです。
相続トラブルに関して弁護士に相談する場合には、これらの資料と共に起こった出来事を時系列順のメモにまとめていくと、現在の状況を理解してもらいやすくなります。
専門家に相続に関する相談をする場合には、事実を正確に伝えましょう。自分に都合が悪いことを隠して相談すると、それが露見した場合に専門家の信頼を失ってしまい最悪の場合には依頼を断られてしまいます。
相談を行う際には、事実を正確に伝えることは非常に重要です。
相続手続きの中には期限が定められているものもあり、これらの中には期限を過ぎてしまうとペナルティが科されたり、手続き自体ができなくなってしまったりするものもあります。
また、相続トラブルの場合には時間の経過と共に深刻度が高まり、専門家でも解決が困難になることもあるため、相続が発生したら早めに専門家に相談することが大切です。
2025年3月1日時点での豊中市の人口は39万7,569人となっています。交通アクセスのよい自然豊かな教育文化都市でありながら、富裕層が多い閑静な住宅街もある市として知られています。
豊中市の住宅地における公示地価の変動率は2024年で2.7％、2025年で3.7％と2年連続で上昇しています。このまま上昇が続いていくと仮定すると、地価と連動する売買価格の上昇も見込まれるため、遺産が基礎控除の額を超え相続税が発生するケースが増えるものと予想されます。
加えて、裁判所による「令和5年司法統計年報 3 家事編」をみると、豊中市を管轄する大阪家庭裁判所で2023年に取り扱った遺産分割事件（終局区分別）は1032件となっています。
これらのデータをみると、相続トラブルは誰にでも起こり得るものだと考えられます。相続発生時のトラブルに備えて、信頼できる専門家を探しておくのは非常に重要です。
豊中市内には公的なものや専門家の事務所などによる相続の無料相談窓口があるため、相続に関する困りごとを抱えた際に気軽に相談できます。
相続に関わる不安や困りごとがある場合には、幅広い相談や依頼に対応できる専門家のサポートが必要不可欠です。ただし専門家ごとに対応できる分野は異なるため、事務所のウェブサイトや「相続会議」を活用して、自分の悩み事を誰に相談すべきかを確認しましょう。
「相続会議」には相続問題を得意とする専門家が多数掲載されています。住んでいるエリアや相談内容に応じて無料相談ができる専門家を探すことができるので、ぜひご活用ください。
（記事は2025年4月1日時点の情報に基づいています）
