福岡の相続の無料相談窓口11選! 相談できる内容や相談先の選び方も解説

福岡県は交通・産業・観光などあらゆる面で九州地区の中核を担っている県です。県内には福岡空港と北九州空港があり、観光客でにぎわうエリアも多数あります。一方で農業や林業が盛んな一面もあるため、農地や山林、持ち家の相続でトラブルや相続税申告が発生する可能性があります。相続の問題は早めに専門家に相談しましょう。本記事では、福岡にある相続の無料相談窓口、窓口の選びかた、有効活用のコツについて紹介します。
福岡県は交通・産業・観光などあらゆる面で九州地区の中核を担っている県です。県内には福岡空港と北九州空港があり、観光客でにぎわうエリアも多数あります。一方で農業や林業が盛んな一面もあるため、農地や山林、持ち家の相続でトラブルや相続税申告が発生する可能性があります。相続の問題は早めに専門家に相談しましょう。本記事では、福岡にある相続の無料相談窓口、窓口の選びかた、有効活用のコツについて紹介します。
目次
福岡で相続の無料相談できる主な窓口は、以下のものが挙げられます。
相続トラブルに発展する可能性がある場合や、すでにトラブルが起こっている場合は、法律に基づいた対処ができる弁護士に相談しましょう。弁護士が対応できる主な相続業務は次の通りです。
相続トラブルがこじれる前に弁護士に相談することで、早期解決につながります。特に、相続に強い弁護士に相談すれば、代理人として有利にトラブル解決の交渉を進めてもらえるでしょう。
また、司法書士や税理士と連携する弁護士なら、不動産登記や相続税申告も含めた対応が可能です。初回相談が無料の事務所もありますが、2回目以降は有料のケースがあるので事前に確認しましょう。
相続した不動産の登記については、登記の専門家である司法書士に相談しましょう。相続において、司法書士は主に以下の業務に対応しています。
相続に関する業務をメインにしている司法書士であれば、不動産の相続登記をはじめ、相続財産の調査、相続放棄申述書の作成なども依頼できる可能性があります。
2024年4月から相続登記が義務化され、相続した不動産は「相続で取得を知った日から3年以内」または「遺産分割の成立日から3年以内」に登記申請をする必要があります。2024年4月以前に相続した場合も、2027年3月までに手続きを行わないと過料が科されるおそれがあります。
司法書士に依頼すれば、相続登記の手続きを期限内に正確に行ってもらえます。司法書士事務所の中には、初回相談を無料で行っているところもあります。
相続税や贈与税など、相続にまつわる税金の相談がしたい場合は、税理士に相談するのがお勧めです。税務の専門家である税理士は、相続に関する以下の業務に対応できます。
相続税の基礎控除額を超える遺産を相続する場合は、税理士のサポートを受けることをお勧めします。相続税申告を税理士に依頼することで、財産評価や税額計算など、面倒な申告手続きを全て任せられます。専門的な観点から節税対策のアドバイスも受けられるため、結果的に税負担を軽減できる可能性もあります。
また、多額の遺産を相続した場合には、将来的に税務調査が入る可能性があります。税理士に依頼していれば、税務調査の当日にも立ち会ってもらえるので心強いでしょう。初回相談を無料で行っている税理士事務所もありますので、相続税について不安がある場合は相談してみましょう。
福岡県の市役所や区役所、町村役場では、専門家の法律相談を開催しているケースが多いです。
県庁所在地の福岡市では、弁護士や司法書士による無料相談会を実施しています。弁護士相談と司法書士相談のいずれも、相続について幅広く相談することができます。対象者は福岡市に在住もしくは通勤・通学している人です。相談窓口を利用したい人は福岡市のウェブサイトから詳細を確認しましょう。
なお、他の市町村における相談情報も、各市町村のウェブサイトから確認が可能です。
福岡県弁護士会では、県内に設置している法律相談センターで相談に応じています。法律相談は事前予約制で、電話またはウェブ(一部センター)から予約が可能です。相談は有料で、原則30分5,500円(税込)です。
福岡県弁護士会の法律相談センターは、県内に16カ所も設置されています。弁護士に相談すべき相続のトラブルを抱えている人は、最寄りの法律相談センターを確認した上で相談を検討しましょう。
相談窓口 | 所在地 | 電話番号 | 相談日時 |
---|---|---|---|
六本松 法律相談センター |
福岡市中央区六本松4-2-5 福岡県弁護士会館1階 |
092-753-7423 相談予約 ナビダイヤル 0570-783-552 |
月~金 10時~15時30分 |
天神 法律相談センター |
福岡市中央区天神3-4-8 天神重松ビル2階 |
092-741-3208 (代表) |
要問い合わせ |
二日市 法律相談センター |
筑紫野市二日市北1-3-8 スパシオ・コモド2階 |
092-918-8120 | 月・金・土 13時~16時 水 16時~19時 |
いとしま 法律相談センター |
糸島市前原中央2-6-18 平ビル2階 |
092-321-4400 | 月・土 13時~16時 木 16時~19時 |
古賀 法律相談センター |
古賀市新原1051-6 古賀市隣保館(ひだまり館)内 |
092-940-4100 | 月・水・金・土 13時~16時 |
北九州 法律相談センター |
北九州市小倉北区金田1-4-2 北九州弁護士会館 |
093-561-0360 | 月・火・木・金 9時30分~12時 月~金 13時30分~15時30分 【夜間相談】 月~金 17時30分~19時30分 【休日相談】 土・日 13時30分~15時30分 |
折尾 法律相談センター |
北九州市八幡西区折尾4-6-16 折尾YSビル2階 |
093-691-2166 | 月~金 13時30分~16時 |
行橋 法律相談センター |
行橋市中央1-9-50 行橋商工会議所内 |
093-561-0360 | 水 13時~16時 |
豊前 法律相談センター |
豊前市大字吉木955 豊前市役所1階 消費生活相談室 |
093-561-0360 | 火・金 14時~16時30分 |
久留米 法律相談センター |
久留米市篠山町11-5 筑後弁護士会館内 |
0942-30-0144 | 月 10時~11時30分 13時~16時 火・木 13時~16時 17時30分~19時 水 10時~11時30分 13時30分~16時 金 10時~12時30分 13時~16時 第3土 13時30分~15時 |
八女 法律相談センター |
八女市本町599 八女市社会福祉会館 |
0942-30-0144 | 火 13時30分~16時 |
柳川 法律相談センター |
柳川市本町117-2-2階 柳川商工会館内 |
0942-30-0144 | 木 13時~16時 |
大牟田 法律相談センター |
大牟田市不知火町1-1-2 ひまわりビル4階 |
0942-30-0144 | 金 13時15分~15時45分 |
飯塚 法律相談センター |
飯塚市新立岩6-16 弁護士ビル3階 |
0948-28-7555 | 月~金 13時~16時 |
直方 法律相談センター |
直方市津田町1-29 | 0949-25-0636 | 月~金 13時~16時 |
田川 法律相談センター |
田川市栄町1-5 大城ビル2階 |
0947-42-2330 | 月~金 13時~16時 |
福岡県の税理士を統括する九州北部税理士会は、「税の常設無料相談所」を設置しています。相談時間は1人30分程度で、事前予約制です。電話か専用の予約サイトから予約できます。
ただし、無料相談所では個別具体的な相談はできず、一般的な内容の質問に限られます。相続税対策などの具体的なアドバイスを受けたいときは、税理士事務所に直接相談しましょう。
相談窓口 | 所在地 | 電話番号 | 相談日時 |
---|---|---|---|
税の常設無料相談所 | 福岡市博多区博多駅南1-13-21 九州北部税理士会館2階 |
092-433-2366 | 毎月9日・19日・29日 (土、日、祝日を除く) 13時~16時 |
税務署では税金に関する相談を電話もしくは面接で受け付けています。面接相談のみ予約制です。申告書の書き方や相続税の計算方法など、電話では伝えにくい内容は面接での相談をお勧めします。
相続税の申告先は「亡くなった人の死亡時の住所地」を管轄する税務署です。管轄の税務署は「税務署所在地・案内(福岡県)」から確認できます。
また、相続税は国税に該当するため、国税局が設けている「税についての相談窓口」も利用できます。ただし、税務署や国税局では、具体的な節税対策のアドバイスや申告手続きの代行などは行っていません。
福岡県司法書士会では、司法書士による無料相談を行っています。県内の各地で開催される「定例無料相談会」と、福岡県司法書士会の「司法書士総合相談センター」で実施している無料相談の2種類があります。
定例無料相談会については、ウェブサイトで最新の情報をチェックしてみてください。
また、福岡県司法書士会の「司法書士総合相談センター」では、無料電話相談を実施しています。相談時間は15分程度と短いため、質問内容をあらかじめ決めておくことが大切です。
相談窓口 | 電話番号 | 相談日時 |
---|---|---|
司法書士総合相談センター (電話相談) |
0570-783-544 | 平日 18時~20時 |
法務局では、不動産の相続登記について相談が可能です。福岡県を管轄する福岡法務局では、相続などで登記の手続きをする人に向けた「登記手続案内」を実施しています。
登記手続案内とは、1回20分以内で登記に関する申請書類の書き方の説明を受けられるものです。書類は自分で作成するのが前提であり、申請書を代理で作成してもらうことはできません。
福岡法務局の登記手続案内は、電話・面談・ウェブの3つの方法があります。いずれも事前の予約が必要で、電話と対面の場合は電話予約、ウェブの場合はウェブ予約と、申し込み方法が異なるため確認が必要です。
また、不動産を相続する場合、相続する不動産の住所地を管轄する法務局に相談するのが望ましいでしょう。福岡法務局が管轄する法務局は「福岡法務局 管内法務局一覧」から確認できます。
福岡県行政書士会では、「相続・遺言・成年後見制度等に関する相談会」を実施しています。遺産分割協議書の作成、公正証書遺言の作成や成年後見など、相続に関するさまざまな問題を相談できます。
相談会は主に行橋市、北九州市、久留米市、田川市などで開催しています。相談日時や相談場所などの詳細はウェブサイトで確認しましょう。
また、福岡県行政書士会の各支部でも、電話による相談などを受け付けているところがあります。支部の情報は「各支部のご案内」で確認できます。
なお、行政書士はさまざまな相続手続きに対応できるものの、相続人同士のトラブルや相続税申告、相続登記など対応できない業務もあります。行政書士に相談する前に、あらかじめ対応してもらえる業務範囲を確認しておきましょう。
法テラス福岡では、収入・資産が一定基準以下の人を対象に予約制の無料法律相談を実施しています。相談時間は1回30分で、1つの問題につき3回まで無料で利用することが可能です。法テラスを利用する前に、収入の基準について確認しましょう。
相談場所は法テラスの事務所や各地域の相談場所、法テラスと契約を結んでいる弁護士・司法書士の事務所です。ただし、法テラスに直接相談すると、担当する専門家を選べません。自分で選びたい場合は、法テラスと契約している専門家を名簿から選び、その専門家経由で法テラスの利用を申し込みましょう。
また、高齢者や障害のある人など、相談場所への来所が困難な場合は、「出張」による相談が利用できる場合があります。弁護士や司法書士などの専門家が、自宅や入院先まで相談を聞きに来てくれるものです。利用条件などは法テラスに問い合わせてください。
事務所名 | 所在地 | 電話番号 | 予約受付時間 |
---|---|---|---|
法テラス福岡 | 福岡市中央区渡辺通5-14-12 南天神ビル4階 |
0570-078359 | 平日 9時~17時 |
法テラス北九州 | 北九州市小倉北区魚町1-4-21 魚町センタービル5階 |
0570-078360 | 平日 9時~17時 |
福岡在住で相続の無料相談先を選ぶ際、以下の観点から選別するとよいでしょう。
専門家に手続きを依頼することなく、自分で手続きを進める予定の人は、自治体や税務署などの無料相談窓口が適しています。このような公的機関の窓口では申請書類の書き方や手続きの流れなど、自分で手続きする際に必要な情報を得られるためです。
これに対して、専門家に手続きを依頼することを検討している場合は、最初から専門家事務所に相談するのがよいでしょう。相談から依頼までスムーズに進めることができます。
ただし、専門家ごとに業務分野が異なるため、相談したい内容に合った専門家を選びましょう。
相続税の申告の流れ、相続登記の手続きに必要な書類など、一般的な情報を知りたい場合は、公的機関の無料相談でも十分有益な情報が得られます。
ただし、このような窓口では、複雑な事案は相談できないことが一般的です。複雑な事案とは、たとえば「節税対策を知りたい」「遺留分を考慮した遺産分割をしたい」などが挙げられます。
個別の事情を考慮した具体的なアドバイスがほしい場合は、相続案件の経験がある専門家の事務所に相談するほうがスムーズです。
弁護士、司法書士、税理士などの専門家には、それぞれ対応できる分野・できない分野があります。例えば、税務の専門家である税理士に相続登記の相談をしても、アドバイスを受けることはできません。
相続について相談する際は、相談内容と専門家の業務範囲が一致している必要があります。相続トラブルについては弁護士、相続登記については司法書士、相続税や贈与税については税理士が相談先となります。
ただし、相続業務を取り扱っていない事務所もあるため、相続に詳しい専門家かどうか、事務所のホームページなどで対応業務を確認しましょう。
市役所などの相談窓口は、平日の日中だけ開いていることが多いです。社会人や主婦などは、その時間に合わせるのが難しい場合もあるでしょう。
平日の日中に時間がとれない人は、平日の夜間や土日・祝日も対応可能、オンライン相談ができるなど、スケジュールが柔軟な専門家事務所を探しましょう。相談したい時間に窓口が開いていれば、仕事を休んだり、自分のスケジュールを変更したりする必要はありません。
相続問題に詳しい専門家を探す方法は、以下の4つの例が挙げられます。
弁護士会や司法書士会、税理士会では、相談者の要望に合った専門家を紹介してもらえる場合があります。
信頼性の高い専門家を紹介してくれる可能性が高いです。各会のウェブサイトなどで紹介の有無や詳細を確認しておくことをお勧めします。
インターネットを活用して、相続に強い専門家を探す方法も有効です。例えば、Google検索で「福岡 弁護士 相続」と検索した場合、福岡県内にある相続に強い弁護士事務所が表示されます。
ただし、エリアや相談内容が抽象的だと、検索結果が多すぎて相談先選びに迷ってしまう可能性もあります。相続に強い専門家を効率的に探すには、エリア名や相談内容を絞って検索しましょう。
インターネットで相談先を探していると、専門家をランキング形式で紹介するサイトが出てくることがあります。しかし、この手のサイトはランキングの根拠が不明瞭な上に、必ずしも相続に強い順に専門家を紹介しているわけではありません。
個人の主観にすぎない口コミやレビューも含め、あくまでも参考程度と考えておきましょう。
「相続会議」は、相続の専門家を効率的に検索できるポータルサイトです。エリアや相談内容の他、「土日祝OK」や「オンライン相談可」など、詳細な条件を指定して専門家を検索できます。
「相続会議」は事前の登録が不要で、誰でも無料で利用できます。リサーチの時間がとれない人、インターネット検索が苦手な人は、「相続会議」を活用しましょう。
専門家への無料相談を有効活用するには、次の3つのポイントを意識しましょう。
相談前に知りたいことを整理し、具体的な質問をメモしておくと、限られた時間を有効に活用できます。相続税の計算方法や遺産分割の進め方など、具体的な疑問をリストアップしておくとよいでしょう。
また、相続人同士のトラブルについて相談する際は、相続人との関係性や出来事を時系列でまとめるのがポイントです。時系列で説明することで、専門家の理解が深まります。
限られた相談時間を無駄にしないためにも、事前準備を徹底しましょう。
専門家に相続相談をする際は、事実を隠さず正直に話すことが重要です。
自分にとって不利な情報だからと隠してしまった場合、専門家も適切なアドバイスや解決策が提案できなくなります。問題が長引く原因になる上に、後になって新たな事実が判明すると、依頼を受けてもらえない可能性もあるため、注意しましょう。
スムーズな解決のためにも、事実は全て話すことを心がけましょう。専門家は守秘義務があるため、安心して相談することが可能です。
相談内容に関係する資料があれば、相談時にできる限り持参しましょう。以下のような資料があると、専門家も事態を客観的に把握できます。
相続問題のスムーズな解決につながるため、可能な限り多くの資料を用意しましょう。
2025年2月1日現在、福岡県の推計人口は約509.2万人となっています。福岡県は交通・産業・観光などさまざまな面で九州地区の中核を担う県です。県内には福岡空港と北九州空港があり、博多市や北九州市などは国内外からの観光客でにぎわっています。一方で、森林面積は県土の45%、耕地面積は16%を占めており、恵まれた自然環境のもとで、イチゴやキウイなどの農産物、タケノコやブナシメジなどの林産物の生産が盛んに行われています。そのため、福岡県では都市部の不動産や持ち家に加え、山林や農地の相続が発生する可能性が高いと言えるでしょう。
2025年における福岡県の住宅地の公示価格は前年(2024年)から4.9%上昇し、11年連続の上昇となりました。住宅地で最も公示価格が高い地点は「大濠1丁目13区133番(大濠1丁目13区133番)」で、1㎡当たりの価格は131万円でした。地価公示は不動産価格に反映されるため、福岡市内の不動産を相続した場合、相続税の基礎控除額を超える可能性が高いでしょう。
また、裁判所の「令和5年司法統計年報 3 家事編」によれば、福岡県を管轄する福岡家庭裁判所で2023年に取り扱った遺産分割事件数(終局区分別)は570件です。調停に進んでいないトラブルも考慮すると、より多くの相続トラブルが起こっていてもおかしくないでしょう。
福岡県は、相続に関して無料で相談できる窓口が多数あります。専門家ごとに対応できる業務が異なるため、相談内容に合わせて専門家と相談先を選びましょう。
専門家を探す際は、相続手続きに強い弁護士、司法書士、税理士などを検索できる「相続会議」が便利です。相談内容やエリアなどを設定して検索できるため、自分に合う専門家探しにぜひ活用してみてください。
(記事は2025年3月1日時点の情報に基づいています)