沖縄の相続の無料相談窓口11選! 事前準備やメリットを解説

沖縄県は日本列島の最南西端に位置するリゾート地で、富裕層の別荘地としても人気の高い県です。沖縄の不動産を相続する際は、相続トラブルに注意が必要です。相続手続きを滞りなく行うためには、弁護士などの専門家に相談しましょう。本記事では、沖縄県にある相続の無料相談窓口や、相談前の準備について解説します。
沖縄県は日本列島の最南西端に位置するリゾート地で、富裕層の別荘地としても人気の高い県です。沖縄の不動産を相続する際は、相続トラブルに注意が必要です。相続手続きを滞りなく行うためには、弁護士などの専門家に相談しましょう。本記事では、沖縄県にある相続の無料相談窓口や、相談前の準備について解説します。
目次
沖縄県で相続に関して無料で相談ができる窓口は、以下のとおりです。
弁護士は法律手続き全般に対応できる専門家です。相続においては、以下のような業務を行っています。
遺産分割トラブルがすでに起こっている場合やこれから起こりそうな場合、疎遠で連絡が取れない相続人がいるなど複雑な事情を抱えている場合は、弁護士に相談しましょう。法律に基づいた具体的なアドバイスがもらえます。さらに正式に弁護士へ依頼すると、代理人として手続きを進めてくれますし、ほかの相続人に対する遺産分割の交渉も請け負ってくれます。もし当事者間の解決が難しければ、依頼を前提として弁護士事務所に相談をするのがお勧めです。
沖縄には相続に詳しい弁護士事務所があり、無料相談を行っているところもあります。ただし、初回相談は無料でも2回目以降は相談料がかかることがあるため、あらかじめ確認しておきましょう。
税務の専門家である税理士には、相続税や贈与税に関する相談が可能です。
遺産が多く基礎控除額を超えて相続税がかかる可能性がある場合や、納める相続税をできる限り安くしたい場合は、税理士に相談してみましょう。
無料相談の範囲では申告手続きの方法や、課される税金の金額などを説明してもらえます。また税理士に相続税申告を依頼すると、申告漏れを防げるだけでなく生前贈与や二次相続など適切な節税対策を提案してくれます。相続税に悩む人は、初めから税理士事務所に相談するのがおすすめです。
司法書士は不動産登記をメインに扱っている専門家で、相続においては以下の業務に対応できます。
相続トラブルが起こっておらず、相続税の申告も必要がない場合は、司法書士に依頼すれば相続手続き全般をサポートしてもらえます。無料相談の範囲では、相続手続きの進め方、必要書類や注意点などを教えてもらえます。
2024年4月から、相続登記は「不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内」に行うことが義務化されました。それ以前に相続した不動産であっても、2027年3月までに相続登記の手続きを行わなければペナルティが課される恐れがあります。相続登記を自身で進めるのは大変でリスクもあるため、早めに司法書士事務所に相談するのがよいでしょう。
沖縄県内の市役所や町村役場では、士業による無料相談を実施しています。
たとえば那覇市では弁護士による「法律相談」、司法書士による「登記・多重債務相談」、税理士による「税務相談」を無料で開催しています。相談時間は入退出時間を含めて30分以内、来庁または電話による予約制です。
ほかにも市町村役場で無料相談会が開かれていることがあります。詳細については各市町村のウェブサイトでご確認ください。
市町村役場の相談窓口は気軽に利用できるのが利点ですが、担当者が相続に詳しいとは限らず相談時間も短いため、込み入った事情の相談は難しい場合があります。ただ「どこに相談すべきかわからない」「いきなり専門家事務所に相談するのは抵抗がある」というのであれば、市町村役場の窓口に相談してみるのもひとつの手です。
相談窓口 | 所在地 | 電話番号 | 相談日時 |
---|---|---|---|
法律相談 | 那覇市泉崎1丁目1-1 那覇市役所本庁1階 3番窓口 |
098-862-9955 | 平日14時~16時30分 |
登記・多重債務相談 | 同上 | 同上 | 水 10時~12時 |
税務相談 | 同上 | 同上 | 第2・4月 10時~12時 |
弁護士は、相続トラブルの解決など相続に関する幅広い業務を扱う専門家です。沖縄県内の弁護士が加入している沖縄弁護士会は、 那覇市、沖縄市、名護市の3カ所に法律相談センターを設置しています。
相談は予約制で、対面相談もしくは希望すれば電話での相談も可能です。相談料は原則30分5,500円(税込)ですが、一定の資力に満たない人は法テラスの無料法律相談を利用できます。
相談窓口 | 所在地 | 電話番号 | 相談日時 |
---|---|---|---|
法律相談センター那覇 | 那覇市松尾2丁目2-26-6 沖縄弁護士会館2階 |
098-865-3737 | 月~金 電話による予約受付時間 平日10時~15時 |
法律相談センター沖縄支部 | 沖縄市知花6-6-5 山城店舗102号室 |
098-934-5722 | 月・水・金 電話による予約受付時間 平日10時~15時 |
法律相談センター名護支部 | 名護市宇茂佐914-3 1階 | 0980-52-5559 | 月・木 電話による予約受付時間 平日10時~15時 |
沖縄税理士会では、毎月第1・3木曜日に「ハイサイ税金相談室(無料税金相談室)」と題し、税理士による電話無料相談を行っています。相談時間は1回につき20分程度で、相続税や節税対策について相談できます。ただし、すでに税理士または税理士法人に依頼している場合は相談できないといった制約もあるので、詳しくは沖縄税理士会のホームページで確認してみましょう。
相談窓口 | 所在地 | 電話番号 | 相談日時 |
---|---|---|---|
ハイサイ税金相談室 (無料税金相談室) |
― | 098-859-6220 | 第1・3木 13時~16時 ※2月・3月、祝祭日、 税理士会の休日を除く |
沖縄県司法書士会は県内4カ所に総合相談センターを設置し、面談・WEB形式での無料相談を行っています。電話による予約制で、相談時間は1回あたり30分程度です。相談できる内容は登記手続きや遺言書の作成、成年後見人制度などと幅広く、さらに最寄りの司法書士の紹介も行っています。窓口によって相談日時が異なるため、あらかじめ沖縄県司法書士会のウェブサイトで確認をしておきましょう。
また、「相続相談センター」では毎週水曜日14時から16時(祝日を除く)に相続登記に関する無料相談を実施しています。こちらも予約が必要です。
相談窓口名 | 所在地 | 電話番号 | 相談日時 |
---|---|---|---|
なは司法書士 総合相談センター |
那覇市おもろまち4丁目16-33 沖縄県司法書士会館内 |
098-867-3577 | 火・木 14時~16時 |
ちゅうぶ司法書士 総合相談センター① |
沖縄市仲宗根町26-1 沖縄市役所内 |
同上 | 第2金 14時~16時 |
ちゅうぶ司法書士 総合相談センター② |
うるま市みどり町1丁目1-1 うるま市役所内 |
同上 | 第3水 14時~16時 |
やんばる司法書士 総合相談センター |
名護市大中1丁目19-24 名護市産業支援センター内 |
同上 | 第3水 14時~16時 |
沖縄県司法書士会 相続相談センター |
那覇市おもろまち4丁目16-33 | 同上 | 水 14時~16時 |
行政書士は、相続において遺産分割協議書の作成や遺言書作成のサポート、預金の払戻しなどの業務に対応できます。
沖縄県行政書士会では、無料相談会を開催しています。開催日が限られ予約が必要なので、同会のウェブサイトで詳細を確認してください。
なお、行政書士は相続トラブルや相続税申告の相談、相続登記には対応できません。自分の困りごとが行政書士に相談・依頼できる内容かどうかをあらかじめ把握しておきましょう。
相談窓口 | 所在地 | 電話番号 |
---|---|---|
沖縄県行政書士会 | 浦添市伊祖4丁目6-2 | 098-870-1488 |
法テラス沖縄では、収入・資産が一定基準以下の人を対象に、予約制で無料の法律相談を行っています。同一問題については30分×3回まで利用できます。法テラスの事務所や各地域の相談場所、加えて法テラスと契約している弁護士・司法書士の事務所などで法律相談が可能です。
また、高齢や障害などの理由から既設相談場所への来所が困難な人は、弁護士等が自宅や入院先に出向く出張相談を利用できる場合があります。詳細は電話で最寄りの法テラスに問い合わせてみましょう。
なお、法テラスに直接利用を申し込むと、担当してくれる司法書士や弁護士を選べません。自分で選びたい場合は、法テラスと契約している司法書士や弁護士を探し、その専門家経由で法テラスの利用を申し込みましょう。
事務所名 | 所在地 | 電話番号 | 予約受付日時 |
---|---|---|---|
法テラス沖縄 | 那覇市楚辺1-5-17 プロフェスビル那覇2階 |
0570-078368 | 平日 9時~17時 |
那覇地方法務局では予約制で対面・電話・WEBでの登記手続案内を行っています。
1回20分以内で、相続登記申請書の書き方を教えてもらえます。ただし、実際に書類を作成してもらうことはできません。
那覇地方法務局は県内各地に支局を置いており、どこでも相談は可能ですが、相続する不動産を管轄している法務局に相談するのがお勧めです。「那覇地方法務局 管内法務局一覧」から、県内の法務局を調べることができます。
税務署では、申告書の書き方などの税に関する相談を電話・対面にて受け付けています。対面相談は予約が必要です。なお、税務署では税に関する一般的な質問はできるものの、節税対策のアドバイスを受けたり、相続税申告書の作成をしてもらうことはできません。
相続税は亡くなった人の死亡時の住所地を管轄する税務署で申告と納付を行います。沖縄県内の管轄税務署は「税務署所在地・案内」で確認できます。
相続の無料相談を有効に活用するコツとしては、以下の例が挙げられます。
専門家から適切なアドバイスをもらうためには、自分に都合の悪いことも隠さずに伝えることが大事です。
隠しごとをすると的確な助言が得られないだけでなく、相談している専門家の信頼を失い、依頼を断られてしまう可能性もあります。
相談の前に、分からないことや最終的な希望をメモにまとめておくのがお勧めです。
そうすることで、自分の中で考えがまとまるだけでなく、聞き漏らしや「何が聞きたかったかわからない」といった事態を防ぐことができます。
相談の際には、内容に関連する書類をなるべく多く準備しておきましょう。たとえば、亡くなった人の戸籍謄本や遺言書、不動産の登記事項証明書や預金通帳の写しなどの財産に関する資料があると、相談がスムーズに進みます。
また、相続トラブルについて相談する場合は、起こった出来事を時系列でメモにまとめておくと、専門家が素早く状況を把握できます。
相続手続きの中には、相続登記や相続税申告、相続放棄など期限があるものもあります。期限を過ぎてしまうとペナルティが課されたり、放棄できなくなったりする可能性があります。
また、相続トラブルは放置しておくと専門家でも解決の難しい問題に発展する恐れがあるため、困りごとは自分ひとりで抱え込まずになるべく早めに専門家に相談しましょう。
沖縄在住の人が相続に関する無料相談先を選ぶ際は、以下の点に注意すると良いでしょう。
相続では専門家ごとに取扱業務が異なります。
たとえば、司法書士に相続税申告について相談しても適切な回答はもらえません。相続トラブルは弁護士、相続登記なら司法書士、相続税の申告は税理士というように使い分けが必要です。
また、すべての専門家が相続について詳しいとは限りません。税理士でも相続税の対応案件が少ないと、最適なアドバイスができなかったり、申告手続きに時間がかかったりすることがあります。相談を検討している専門家に相続案件の実績があるか、どんな業務を取り扱っているか、あらかじめ事務所のホームページで確認しておきましょう。
自治体や行政書士会・司法書士会などの窓口は相談のしやすさがメリットですが、平日日中しか開いていないことも多いです。そのため、仕事で忙しい人には都合がつきにくいという難点があります。
平日日中の相談が難しい場合は、夜間・土日祝日の相談に応じている専門家事務所、もしくは電話やオンライン相談に対応している窓口を探してみましょう。
また、対面で相談する場合は自宅の場所や最寄駅、職場などを考慮し、自分が行きやすい場所に窓口を選ぶのがお勧めです。
無料相談は1回20分から60分程度であることが多く、回数制限が設けられていることもあります。複雑なトラブルなどについては、無料相談の範囲で解決するのは難しいでしょう。
何度も相談したい場合や最終的に依頼を考えている場合は、初めから専門家事務所に相談するのがお勧めです。信頼できる専門家を見つけて正式に依頼すれば、その後は基本的に追加の相談料はかかりません。
申請書の書き方や相続税の仕組みなど手続きをするうえでの基本情報が欲しいのであれば、自治体や税務署などの窓口で事足ります。しかし、相続税の節税やトラブル解決のような、個別の事情を含む具体的な相談や依頼をしたい場合は、弁護士、司法書士、税理士の事務所がお勧めです。
自治体の窓口でも専門家が応じてくれるものの、実際の依頼や複雑な案件の相談はできないことがあります。
より踏み込んだアドバイスがほしいなら、はじめから相続の対応実績が豊富な専門家事務所へ行くことを検討しましょう。
相続問題に詳しい専門家を探す方法としては、以下の例が挙げられます。
インターネット検索は、相続問題に詳しい専門家を探す際に役立ちます。
たとえば「沖縄市 相続 弁護士」で検索すると、沖縄市で相続案件の実績がある弁護士事務所がヒットします。
もし複数の候補が見つかった場合は、ホームページでこれまでの実績や取扱業務、得意分野を確認し、比較してみましょう。また、複数の事務所で無料相談を利用し、自分との相性を見極めるのもひとつの手です。
インターネットには、相続に詳しい専門家を検索できるサービスもあります。
たとえば、相続ポータルサイト「相続会議」には、沖縄県内の専門家事務所のほか、全国オンライン対応が可能な事務所も掲載されています。
エリアや相談内容を絞った検索もできるので、自分に合った事務所を見つけるのに役立つでしょう。
実際に専門家への相談経験がある知人からの紹介も参考になります。もし、その知人が専門家に相談してよい結果が得られたのであれば、信頼できる専門家であると言えるでしょう。
ただし、案件ごとに事情は異なるため、必ずしも知人と同じような良い結果になるとは限りません。紹介してもらえる専門家の得意分野と自分の相談内容を照らし合わせてみて、相談するかどうか検討しましょう。
専門家のSNSや著書も参考になるでしょう。
たとえば相続トラブルについてSNSで積極的に情報発信をしている弁護士や、相続税に関する本や記事を書いている税理士は、相続分野に力を入れていることがわかります。
専門家のSNSや著書も参考情報のひとつとして利用してみましょう。
日本で唯一の海洋県・島しょ県として大小50以上の離島を有する自然豊かな沖縄県。首里城跡を含む琉球王国のグスク及び関連遺産群など、独特の文化や歴史がある日本有数の観光地です。また、2024年12月1日時点の推計人口は約146.7万人で、県外・国外からの移住先としても選ばれており、出生率が高く人口は増加しています。
沖縄県の住宅地の地価公示は上昇傾向にあり、2024年には前年から5.5%の上昇と全国で最も高い結果となりました。地価公示は不動産価格に反映されるため、一般的な会社員家庭でも沖縄県内に持ち家があれば、将来的に相続税の基礎控除を超える可能性が出てきます。基礎控除を超えると、相続税の申告や納付が必要になります。
また、本州にも不動産を持っていたり複数の相続人がいたりすると、遺産分割が難しくなりトラブルに発展する恐れがあります。裁判所の「令和5年司法統計年報 3 家事編」によれば、沖縄県を管轄する那覇家庭裁判所にて2023年に取り扱った遺産分割事件数(終局区分別)は220件でした。なかにはトラブルが起こっても調停の手続きをせず放置しているケースもあるため、実際の件数はもっと多いと考えられます。
このような事情から、沖縄県内にお住まいの方は、早いうちから相続に関して対策をとっておくことをお勧めします。家族を交えて話し合い、将来の相続を見据えた準備を整えましょう。
沖縄県には、専門家事務所や自治体、その他の公的機関の無料相談窓口があります。
自分で行うには難しい手続きも多いため、幅広い内容に対応でき、依頼までできる専門家に相談するのがお勧めです。初回無料相談や土日祝日の相談に対応している専門家事務所もあるので、自分に合った事務所を見つけてスムーズに手続きを進めましょう。
(記事は2025年3月1日時点の情報に基づいています)