目次

  1. 1. 除籍謄本とは
    1. 1-1. 戸籍から誰もいなくなったことを証明する書類
    2. 1-2. 除籍謄本が必要となる場面
    3. 1-3. 除籍謄本と戸籍謄本、改正原戸籍謄本の違い
    4. 1-4. 除籍謄本と除籍の全部事項証明書の違い
    5. 1-5. 除籍謄本と、除籍抄本の違い
  2. 2. 除籍謄本の見本
  3. 3. 除籍謄本の取得方法、金額
    1. 3-1. 除籍謄本を取れる人
    2. 3-2. 窓口で申請する方法
    3. 3-3. 郵送で取り寄せる
    4. 3-4. 除籍謄本はコンビニでは取得できない
  4. 4. 除籍謄本を取得する際の注意点
    1. 4-1. 死亡届の提出直後は取得できない
    2. 4-2. 連続性が途絶えないようにする
    3. 4-3. 読み方がわからないケースが多い
  5. 5. 除籍謄本の取得を専門家に依頼するメリット
    1. 5-1. 手間がかからない
    2. 5-2. 漏れが生じない
    3. 5-3. 読み方がわからない除籍謄本でも正確に読み解いてくれる
    4. 5-4. その後の遺産分割協議や協議書作成、相続登記なども依頼できる
  6. 6. まとめ

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除籍謄本とは、中に入っている人が全員いなくなった戸籍の写しのことです。戸籍には父親や母親、子どもなどの「家族」が入っていますが、死亡したり結婚したり本籍地を移したりした人たちは、その戸籍から除かれていきます。そうして全員が出ていったり死亡したりした戸籍を「除籍」といい、その写しを除籍謄本といいます。つまり、除籍謄本は、その戸籍から誰もいなくなったことを証明する書類とも言えます。

なお、除籍謄本の保管期限は、除籍された年度の翌年から150年間です。

除籍謄本は「相続人は誰なのか」を確認する「相続人調査」の際に必要となります。被相続人(亡くなった人)の出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本、除籍謄本、改正原戸籍謄本を集めなければならないからです。

例えば、遺産分割協議をする際には相続人を確定する必要があるため、除籍謄本を含む被相続人の戸籍謄本類を集めることとなります。

他にも、相続手続きの以下の場面で必要となります。

  • 被相続人の預貯金払い戻しや名義変更
  • 株や車の名義変更
  • 不動産登記(名義変更)
  • 法定相続情報一覧図の申請(法務局への添付書類)

「除籍謄本」はその戸籍の中の人が全員いなくなっています。一方で、「戸籍謄本」には中に人が残っています。現に生きている人が戸籍内に残っていたら戸籍謄本、誰もいなくなったら除籍謄本になります。

改正原戸籍謄本とは、戸籍の電子化や再編成などによって戸籍が作り替えられたときの「以前の戸籍」です。除籍されたわけではありませんが、再編成によって前の戸籍は使われなくなります。ただし記録のために「改正原戸籍謄本」として役所内に保管され続けます。

役所内で戸籍類の保管方法が電子化されていると、除籍の「全部事項証明書」が交付されます。一方、戸籍類が電子化されていない役所では除籍謄本が交付されます。

つまり両者の違いは、除籍の管理の方法が紙か電子化されているかに過ぎません。体裁にも違いはあるものの、記載されている内容は「除籍謄本」も「除籍全部事項証明書」もほぼ同じで、相続手続きではどちらを使っても問題ありません

除籍抄本(一部事項証明書)は「1人分だけの除籍の写し」で、除籍謄本は「家族全員分(中に入っている人全員分)」の写しという違いです。

以下は、除籍謄本(電子化された除籍の「全部事項証明書」)の見本です。

除籍謄本の見本。記載されている全員に「除籍」と記されます
除籍謄本の見本。記載されている全員に「除籍」と記されます
  • 除籍謄本内に名前のある人(本人)
  • 上記の配偶者、直系尊属(親や祖父母など)、直系卑属(子どもや孫など)

除籍謄本や戸籍謄本を第三者が請求できる場合もありますが、裁判手続を行うなど特別な取得の必要性が認められなければ発行されません。原則的には上記の人たちに限定されていると考えましょう。

籍地のある役所へ出向いて申請すると、その場で受け取れます。手数料は750円です。身分証明書と被相続人との関係を確認できる戸籍謄本を持参しましょう。

本籍地が遠方の場合には郵送で申請すると便利です。750円分の定額小為替と返信用の切手を入れて、除籍謄本の申請書と身分証明書、被相続人との関係を証明できる戸籍謄本を入れて送付しましょう。数日で取り寄せることができます。

除籍謄本はコンビニでは取得できません。戸籍類の中でもコンビニで取得できるのは、現在の(最新の)戸籍のみです。除籍謄本を取得したい場合、役所へ申請しなければなりません。

人が亡くなって役所に「死亡届」が提出されると、戸籍や住民票に反映されます。ただし、反映されるまでに1~2週間ほどかかるため、死亡届の提出直後に除籍謄本を請求しても、すぐには取得できません。

相続人調査の際には、被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本や除籍謄本、改正原戸籍謄本が必要です。1通でも抜けると相続人に漏れが生じる可能性があり、相続登記なども受け付けてもらえません。

必ず日付の連続性を確認しながら順番に取得していきましょう。

昭和初期やそれ以前に作成された古い除籍謄本などの場合、旧字体が使われていたり毛筆で書かれていたりして「読めない」方が少なくありません。解読できないと相続人調査は難しくなります。自分で読み解くのに困難を感じたら弁護士などの専門家にみてもらいましょう。

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除籍謄本の取得を弁護士や司法書士などの専門家に依頼すると、以下のようなメリットがあります。

自分で多数の戸籍謄本や除籍謄本を集めるのは大変です。何度も役所へ行ったり郵送申請をしたりしなければならず、膨大な時間を費やすことになるでしょう。弁護士に依頼すると一切何もしなくて良いので手間を省けます。

素人の方が相続人調査をすると、どうしても漏れが生じてしまいがちです。専門家に依頼すればミスが生じる可能性は極めて低くなり、正確に相続人調査できるメリットがあります。

古い時代の除籍謄本を素人の方が読み解くのは大変です。旧字体、毛筆などで書かれていて困惑してしまう方が少なくありません。専門家に依頼すれば正確に読み解いて相続人調査を進めてもらえるので安心です。

相続人調査が済んだら遺産分割協議を行って遺産分割協議書を作成し、不動産の相続登記や預貯金払い戻しなどの手続きもしなければなりません。専門家に依頼すればその後の手続きも任せられて、スムーズに相続手続きを進められるでしょう。

相続人調査の際には、除籍謄本の取得を始めとして慣れないことにたくさん対応しなければなりません。困ったことがあれば、弁護士などの専門家に相談してみましょう。無料相談に対応している弁護士も多いので、まずは気軽に利用してみることをお勧めします。

(記事は2022年11月1日時点の情報に基づいています)

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