■相続税の納付までの流れ

まず、相続が発生すると、相続税の申告・納付までの大まかな流れは以下のようになります。

1.相続の発生
相続は、人が死亡することで開始されます。

2.法定相続人の把握・確認
相続が発生したら、法定相続人が誰であるかを確認・把握します。法定相続人とは民法で決められた相続人のことで、死亡した人の出生時から死亡時までの戸籍謄本等を調査します。

3.相続財産の把握
相続税の申告にあたり、相続財産を漏れなく把握することがひとつの難所となります。家族も知らない相続財産がある可能性もあるため、相続人全員の協力を得て確認していく必要があるでしょう。

4.遺言書の有無の確認
遺言書は、死亡した人の最終的な意思表示です。遺言書の有無は遺産分割の上で非常に大きなポイントとなるため、必ず確認が必要です。

5.遺産分割協議
相続人全員で、相続財産をどのように配分するか話し合います。

6.相続税申告・納付
確定した相続財産、相続人等の情報をもとに、相続税の金額を計算し、納付します。

■相続税額の算定について

相続税の算定は、まず相続財産全体の評価額と法定相続人の情報から、納付すべき相続税額の総額を算出します。そこから、各相続人に実際にもらった遺産の額に応じて税額を割り振り、各相続人が納める税額を算定していきます。

この計算の際には、相続財産の評価額が必要となりますが、相続税における財産の評価額は国税庁の定めたルールに従って計算しなければなりません。預貯金であればそのままの金額が評価額となりますが、不動産や有価証券の場合は相続税独自の計算が必要となるため、一定の専門知識が要求されます。

例えば、土地であれば路線価方式や倍率方式というものを使用しますし、非上場株式であれば、大株主か少数株主か・会社の規模はどれくらいかということを踏まえて評価方法を判断していきます。さらに、小規模宅地等の特例のように、一定の要件を満たせば優遇される制度もあるため、注意が必要となります。

■相続税の納付方法

相続税の算定・申告が完了すれば、後は実際に税金を納付します。相続税は原則として、法定納期限(相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月目の日)までに、金銭で納付することになっており、具体的には以下のいずれかの方法にて納付します。

1.電子納税
事前に税務署へ届出等をした預貯金口座からの振替により納付する方法と、インターネットバンキング等を利用して納付する方法があります。

2.クレジットカード納付
相続税のクレジットカード支払専用サイトを利用した納付手続きです。金融機関・コンビニエンスストア・税務署の窓口等ではクレジットカードによる国税の納付ができないため、注意が必要です。

3.金融機関または所轄税務署での納付
金融機関の窓口または所轄税務署の窓口にて、現金に納付書を添えて納付する方法です。

・延納や物納について
また、金銭で一括納付することが原則ですが、金銭で納付することが困難で、一定の要件を満たしている場合には、相続税を分割納付する「延納」と、金銭ではなく相続財産で納付する「物納」の方法があります。どちらの場合にしても、相続税の申告期限までに手続きをする必要があるため、早めに検討することが必要です。

・もし、間違って納税した場合は?
納付後に申告内容に誤りがあり、金額が間違っていたことに気が付いた場合は、修正申告または更正の請求という手続きにより、申告内容を訂正します。

■納付書の記載について

金融機関等にて現金で納付する場合、納付書が必要となります。相続税の納付書は、税務署から送付されてくる申告書類に同封されています。また、予備が必要な場合、税務署の窓口で依頼すれば必要部数を用意してくれます。

納付書の主な記載項目は以下のとおりです。

・年度
相続税を納付する年度を記入します。

・税目、税目番号
 税目は「相続税」。相続税の税目番号は「050」となります。

・管轄税務署名
 被相続人の亡くなった時の住所を所轄する税務署名を記載します。

・本税額および合計額
 算定した相続税額を記載し、合計額の欄には頭に「¥」をつけます。

・納期等の区分
相続税の場合は(自)に相続開始日を記入します。

・住所、氏名、電話番号
被相続人と相続人、両方の情報を記入します。

なお、記入を間違えた場合には二重線で訂正します。ただし、税額の数字を間違えた場合には、新しい納付書を使用し書き直してください。

(記事は2020年12月1日時点の情報に基づいています)