目次

  1. 1. 終活を始める適齢期はいつ?
    1. 1-1. 仕事などの定年
    2. 1-2. 自分や家族の健康に不安を感じたとき
    3. 1-3. 親や配偶者に終活をすすめたいとき
    4. 1-4. 結婚したとき、子どもが生まれたとき
    5. 1-5. 身近な人の死に接したとき
  2. 2. まずはエンディングノートを書く
  3. 3. わからないことは調べる
    1. 3-1. <人間関係>
    2. 3-2. <健康情報>
    3. 3-3. <社会保険>
    4. 3-4. <財産整理>
    5. 3-5. <相続>
    6. 3-6. <お葬式>
    7. 3-7. <お墓>
    8. 3-8. <死後整理>

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終活とは何をするのか」で書いたように、終活は人生後半期のライフプランです。〇〇歳からという厳密な定義はありませんし、ご自身で決めていいのです。そんなことを言っていたら始められないという方には、次のようにアドバイスしています。

本人あるいは配偶者の退職(定年退職)により、それまでの生活が大きく変わります。これまでの人生を振り返り、これからの生活を考えるという意味では、いいタイミングの一つと言えるでしょう。

終活の項目には、医療や介護にかかわる内容も多数あります。不安を解消する目的で始めてもいいですね。

他の人にすすめる前に、まずは自分の終活を始めましょう。自分がやっていないことを他人にすすめても説得力はありません。

終活は必ずしも高齢者が行うものではありません。新しい家族ができるということは、自分に何かあったときに影響を受ける人が増えることです。生活スタイルも変わりますので、人生の棚卸しという点でも終活をはじめていい時期です。

家族や親しい友人など、身近な人が亡くなったときには、喪失感を感じると同時にその人が生きた証を追い求め、終活の必要性を強く感じるようになります。人生後半期の課題を自分の問題としてとらえることができるようになるはずです。

エンディングノートは、終活の「手引き」であり同時に「ツール」です。エンディングノートを書くことが終活のスタートであり、実際に書いてみることで、課題が見えてきます。

エンディングノートには、整理・記録・確認しておくべき項目が網羅されています(図参照)。おもな内容は、時間軸で見ると「過去のこと」「現在のこと」そして「これからのこと」です。
過去のことでは、これまでの自分の生きてきた道(自分史)、家族や親せき、友人・知人などの人間関係、病歴や治療歴などを書きます。
現在のことでは、自分を支えてくれる人間関係や資産(所有しているもの)・年金・保険などの情報、そして現在の健康関連の情報などです。
そしてこれからのことには、自分の希望や意思を書きます。これからやりたいこと、行きたい場所などを書くことで、今後の生き方を考えるきっかけになります。また、高齢期や終末期の過ごし方、葬式やお墓、相続など死後のことなどを書きます。

記入欄を埋めていくことで、情報や希望を伝えることができ、自分自身の心や身辺を整理することにもつながります。またエンディングノートを書くと、自分の過去・現在・未来を俯瞰して見ることができるようになるため、たとえば、これからの人生でやるべきこと・やりたいことは何かを見つけられたり、遺言書に書く内容についての考え方の方向性が見えてきたりするのです。

ノートの項目を最初からすべて書くのは、心理的にも難しいという人は多いようです。まずは書けるところから埋めていってください。

抵抗なく書けるのは、「自分自身の事務的な情報」ではないでしょうか。氏名、生年月日、現住所、出生地など、そして、自分名義の資産・債務(借金)や、年金や健康保険、介護保険の情報も書いておきましょう。

高齢期の突然の入院や認知症、死亡では、その人の健康状態や、預貯金などがどこにあるかわからず大変だったという問題が起こりがちです。せっかくためたお金や加入している保険をその人のために使うことができないので、残念なことです。相続や死後の手続きにおいても、どこに、どのような財産があるかわからないと手続きがスムーズに進みません。

必要事項を記載するとき、そして課題が見えたときのポイントは、次の通りです。

  1. 関係が深い人や、万一のときに連絡して欲しい人の連絡リストを作成し、自分との関係性も書いておく
  2. 親族については、家系図で関係性を明らかにしておく
  3. 相続人など親族関係は、戸籍謄本類を集めて、確認しておく
  1. 過去の病歴は、入院・手術時に必要な情報なので、整理しておく
  2. かかりつけ医、服用している薬を書いておくと、治療に役立つ

高齢になったら、健康状態を把握しているかかりつけ医は必須です。

公的年金、公的医療保険、公的介護保険の情報を記載します。受給者証のコピーを貼り付けておくと、正しいい情報が伝わります。

不動産、金融資産、保険、その他資産に分類する

①不動産は「登記簿謄本(登記事項証明書)」を取得し、所在地と名義(所有者)を確認
相続に備えて、土地の路線価や建物は固定資産税評価額を調べておくといいでしょう。不動産を相続で取得した場合、法務局(登記所)での名義変更手続きが済んでいないケースも多いので、早めに手続きをしておくこと。使っていない不動産を早めに処分(売却や買い替え)しておくことも大切です。

②金融資産は、金融機関と種類(預貯金・株式・債券・投資信託など)、および評価額を確認
金融資産が多くの金融機関に分散しているなら、管理しやすいいくつかの金融機関・商品にまとめておくなど、預け先の見直しも行いましょう。

③保険は、保険会社名と保障内容を確認
保険証券がなければ再発行の手続きをしておきましょう。生命保険であれば、契約者・被保険者・受取人を確認し、自分の希望と違っていれば早めの手続きを。またその保険の必要性を再度確認することも大切です。

④その他資産は所在地や保管場所、内容、可能であれば評価額を確認しておく
たとえ金銭的な価値が低いものであっても、形見分けや思い出の品として誰かに譲りたい場合には、そのことを記録して伝えておきましょう。もう自分には不要なものであれば、生前に差し上げた方が、受け取りやすいでしょう。

⑤認知症に備える
財産の全体像が確認できたら、認知症などにより自分で財産管理ができなくなったときの備え(任意後見契約など)を検討してみましょう。

自分名義の財産を、どのように引き継いでもらうか、希望を書いておきましょう。生命保険の死亡保険金は、指定された受取人固有の財産となりますので、遺産分割の対象外です。

  1. 誰が相続人となるか、どの財産が相続の対象となるか調べる
  2. 財産の分け方、遺し方を考える
  3. 相続の希望が決まったら、遺言を残す。(エンディングノートには法的な拘束力はありません。)
  1. 菩提寺や信心している宗教があるなら、書いておく
  2. 葬式に呼びたい人や、形式の希望があるなら書いておく

遺言は葬式などが終わってから開封するので、葬式の希望はエンディングノートなどすぐに見てもらえるところに書いておき、口頭でも伝えておきましょう。

①管理しているお墓や自分のお墓を書いておく
 誰に引き継いでもらうか考えて、伝えておきましょう。
②お墓の跡継ぎがいない場合には、お墓の始末を考える(墓じまい、改葬など)
③自分のお墓がない場合には、埋葬の希望を書いておく
 判断を遺族に任せる場合でも、希望を伝えておくといいでしょう。

①「各種契約の解除」「未払い金の精算」「所有物の処分」「デジタル遺品の処分」などの死後整理を誰に、どのようにやってもらうか 
 現実的にはこの作業が最も大変かもしれません。おひとりで住んでいた方であれば、家具や家電、衣服、書籍、書き残したもの、パソコンやスマホ(携帯)、食器の類はすべて不用品になります。個人情報に関わる資料やデータがたくさん残されることもありますし、一つひとつ、どのように処分するかどうか考えるのは大変な作業です。処分をお願いする人を決めて、売るのか、あげるのか、捨てるのか、指示しておきましょう。

こうやって書き出してみると、人が生きていくには、多くの人や組織に関わって、たくさんのものを所有していることがわかると思います。すぐに対応するのが難しいこともありますが、エンディングノートを書いていただくことで、こういったことに気づくきっかけになります。

自分のため、そして支えてくれる人のための終活を、少しずつ、できることから始めてみてください。家族や親しかった人、死後の手続きを頼む人などには、必ずメッセージを残しておきましょう。「ありがとう」「楽しかった」そんな短い言葉でもいいのです。その方々の心には響くはずです。

(記事は2020年7月1日現在の情報に基づきます)

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