目次

  1. 1. 一般的な家族信託の場合は届出不要
  2. 2. 自益信託では確定申告も親の名で

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家族信託においては、「委託者=受益者」という形態(親が自分の財産管理を依頼し、自らが財産の恩恵を得るケース)、いわゆる「自益信託」であることがほとんどです。
こうした場合は、信託契約を締結した時点で税務署に提出すべき届出書類はありません。

その法的根拠は、相続税法第59条第3項になります。
その条項には、受託者は契約日の月の翌月末までに「信託に関する受益者別調書」「信託に関する受益者別調書合計表」を提出しなければならないとあります。
ですが、ただし書により「受益者別に当該信託の信託財産の相続税評価額が50万円以下」「委託者と受益者が同一」の場合については、提出義務が免除されています。

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賃貸アパートを保有しているなど毎年確定申告をしている委託者(親)は、「自益信託」であれば、信託契約後も以前と同じように、信託財産からの収入を自分の所得として確定申告をする必要があります。

賃料収入を含めた財産の管理は受託者たる子が担いますが、認知症等で親の判断能力が不十分になっても、確定申告の手続きは親の名前で行います。確定申告と納税の場面においては、適切な納税をすることだけが求められており、納税者本人の判断能力の有無、納税の意思確認等は一切要求されません。

したがいまして、受託者として実質的に申告書の作成や税金の納付をすることになるでしょうが、あくまで親の名前で行えば良いことになります。

なお、不動産所得がある人のうち、保有不動産の全てを1つの信託契約で託した場合はシンプルですが、自分で管理する所有権財産たる不動産と受託者が管理する信託不動産が併存する場合は、不動産所得用の決算書に所有権財産と信託財産とを分けて明細書を作る必要があります。また、もし信託契約が複数あれば、その信託契約ごとに損益を計算した明細書を提出する必要もあります。

以上のように、信託契約を交わしたことで毎年、税務署への届出関係書類が増えることになるので、税理士に確定申告を依頼している人にとっては、毎月あるいは年1回の税務顧問(税務代理)報酬が増える可能性があります。

引き続きこの連載では、家族信託に必要な知識やトラブル予防策を読み解いていきます。

(記事は2020年7月1日時点の情報に基づいています)

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