目次

  1. 1. 相続税の寄付金控除とは?
  2. 2. 遺産の寄付による相続税などの控除額
  3. 3. 寄付金控除を受けるための要件
    1. 3-1. 相続税の申告期限までに寄付の手続きを完了すること
    2. 3-2. 相続財産をそのまま贈与すること
    3. 3-3. 寄付先として認められている団体・組織であること
  4. 4. まとめ|節税効果を考えるなら専門家へ相談を

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相続人が相続した財産を、国や地方公共団体、特定の公益財団法人等へ贈与により寄付した場合、その財産は相続税が非課税となる特例があります。これを「相続税の寄附金控除」といいます。

相続財産を寄付した場合、減額される相続税の計算は、寄付した財産の金額に対して、課税遺産総額に応じた税率を乗じて計算します。実務上は、相続税を計算する際、遺産総額から寄付した財産の価額を控除して計算するので、減額される相続税を計算することはないと思われます。

相続財産の寄付には、大きな節税効果があります。しかし、控除を受けるためには、次の要件を満たさなければなりません。

相続税の申告期限は、被相続人が亡くなった日の翌日から10カ月です。この日までに、相続財産の寄付を終えていなければなりません。そして、相続税申告書に、寄付をした財産の明細書(第14表)を添付することになります。

寄付金控除に必要な要件には、「財産をそのままの形で寄付する」ことがあります。ここでいう「そのままの形」とは、例えば不動産であれば不動産のまま、有価証券であれば有価証券のまま寄付をするということです。これらの、相続財産を売却し現金化してから、その現金を寄付しても特例の適用外となり、控除を受けることができません。

寄付金控除を受けるためには、寄付先として認められている団体・組織であることが必要です。具体的には以下の団体・組織を指します。

  • 地方公共団体
  • 教育や科学の振興などに貢献することが著しいと認められる特定の公益法人

寄付先として認められている国や地方公共団体には、専用の窓口があります。代表的な寄付には「ふるさと納税」があります。また、「教育や科学の振興などに貢献することが著しいと認められる特定の公益法人」の代表は学校法人です。

国公立学校はもちろん、私立の学校であっても寄付先として認められており、認定されていれば母校へ寄付することも可能です。学校法人のほか、日本赤十字社や国連児童基金(ユニセフ)など、社会貢献度の高い法人として政令に定められている団体である「特定公益増進法人」も寄付先の対象となります。

さらには、NPO法人の中でも各所轄官庁が示す基準に適合することを認められた法人である「認定NPO法人」もあります。ただし、寄付先が特定公益増進法人や認定NPO法人に該当するかどうか、判断がつかないこともあります。あらかじめ寄付先に確認するようにしましょう。

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相続財産を国や地方自治体、特定の公益法人に寄付することで、相続税の節税が可能です。また、相続人が自らの意思で相続財産を寄付した場合には、所得税や住民税も節税が可能となり、大きな節税効果が期待できるでしょう。

ただし、さまざまな要件を満たす必要があるため、活用の際には注意も必要です。特に、事前の相続税対策には幅広い知識が必要となるため、税理士等の専門家に相談されることをおすすめいたします。

(記事は2020年6月1日現在の情報に基づきます)

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