目次

  1. 1. 自分名義の土地の評価方法とは?
  2. 2. 借りている土地の評価方法
  3. 3. 貸地とは? 借地との違い
  4. 4. 貸地の評価方法
  5. 5. 相続の前に賃貸も相続税対策に

「相続会議」の税理士検索サービス

所有している土地に自分で建物を建てて住んでいる場合、当然ながら土地と建物の両方に所有権を有しています。

一方、土地だけを借りて、その土地の上に自分で家を建てている場合は、土地に対する所有権はありませんが、借地権という権利を有しています。

法律の世界では、相続の話をする際、借地権がある土地のことを底地と言ったり、自分名義の場合は自用地、借りている土地の場合は借地と言ったりします。今回の記事では、これらの言葉を用いて説明していきます。

借地に建てた家を相続した場合、その土地を自由に使える権利を相続することになります。つまり、土地を自由に使える権利(借地権)という価値を相続したことになるため、その評価額をもとに相続税を計算しなければなりません。

そこで今回は「借地権の相続税評価額の計算方法」、すなわち貸借している土地に対する相続税評価額の計算方法を解説します。

借地権の相続税評価額の計算方法を解説する前に、自分名義の土地(自用地)の相続税評価方法について簡単におさらいします。

自用地の相続税評価は以下のように計算されます(路線価方式の場合)。

自用地の土地評価額 = 路線価 × 土地の面積(㎡)

国税庁が公表している路線価に、土地の面積を乗じるだけの簡単な計算式となっています。

借りている土地(借地)の評価方法は上記で計算した自用地評価額に借地権割合を乗じて計算します。

借地の評価額 = 自用地評価額 × 借地権割合
=(路線価×土地の面積(㎡))× 借地権割合

ここで示した借地権割合は、国税庁のホームページで調べることができます。この計算式は「土地を借りている分だけ、その土地を自由に使うことができるため、価値の一定割合だけ自分の価値として相続財産に含めてください」ということを示しています。

借地と対になる用語「貸地(かしち)」についても触れておきましょう。簡単に言うと、借地とは「土地を借りている側から見た土地」のことで、貸地とは「その土地を貸している側から見た土地」を意味します。一般的には貸宅地(かしたくち)という呼び方が多いかもしれません。

貸している土地であっても、その所有者が亡くなった場合は、保有財産として評価額を計算することになります。しかし、貸していることから、自分で自由に使える土地ではありません。このため、自分で自由に使える場合の土地の評価額(自用地評価額)よりも低くなります。

税理士への相続相談お考え方へ

  • 初回
    無料相談
  • 相続が
    得意な税理士
  • エリアで
    探せる

全国47都道府県対応

相続の相談が出来る税理士を探す

それでは、誰かに貸している土地を相続した場合、借地権が設定された土地(貸地)として相続税評価額の計算式を見てみましょう。この場合の計算式は、以下のようになります。

貸地の評価額 = 自用地評価額 × (1 - 借地権割合)
=(路線価×土地の面積(㎡))× (1 - 借地権割合)
= 自用地評価額 - 借地の評価額

上記の式を見てもわかる通り、土地を貸したり借りたりする場合の土地の評価額は自用地評価額を、賃借人と賃貸人がそれぞれの割合で分割しているかのような計算になっています。そして、借地権割合とは、この一定割合のことを示しているとも言えます。持分割合のようなものをイメージすると、わかりやすいかもしれません。

土地を他人に貸した場合、その評価額は貸さない場合より借地権割合の分だけ低くなることがわかります。これを利用することで、相続税の節税対策になり得ます。もし、使ってない土地(空地)を所有している場合は、相続税対策として、相続が発生する前に賃貸に出すことを検討してみてもいいかもしれません。

(記事は2020年2月1日時点の情報に基づいています)

「相続会議」の税理士検索サービス