目次

  1. 1. 相続する不動産は3タイプ
  2. 2. 実家を相続したら
  3. 3. 活用している不動産を相続したら
  4. 4. 遊休不動産を相続したら
    1. 4-1. 自己利用する
    2. 4-2. 有効活用する
    3. 4-3. 売却する
  5. 5. まとめ

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ひとくちに不動産を相続するといっても、その不動産が相続の前にどのように使われていたかはいろいろです。相続前の利用や活用の状況により、不動産は大きく3つに分類できます。

①実家…親が住んでいた家。

②活用されている不動産…アパート・マンションや貸家、貸店舗など収入がある不動産。

③活用されていない不動産…「遊休不動産」ともいいます。空き地や畑などのように収入を生んでいない土地。青空駐車場のように不動産の本来の利用価値を活かしていない低度利用の土地も含まれます。(ただし農家が耕作している農地は活用不動産と言えます。)

多くの人は実家だけを相続しますが、中には、実家とともに実家以外の不動産も相続したり、実家以外の不動産だけを相続したりする人もいます。
さらに、実家以外の不動産には、活用されている不動産もあれば遊休不動産もあります。
そのため、引き継ぐ不動産の種類によって、対応方法も異なります。

次にそれぞれの不動産を相続した時の対応方法について解説します。

相続した実家に誰も住まない場合、その家は空き家になります。実家が空き家になった場合はいくつかの対応方法があります。

①セカンドハウスや週末の趣味のスペースなどとして利用する

②活用して収入を得る
・建替えずに活用する
建物を建て替えずに必要なリフォームを行い、貸家として賃貸します。比較的少額の手元資金で始められます。最近では民泊やシェアスペースなど、貸家以外の活用例も増えています。

・建替えて活用する
建物の老朽化が進んでいる場合などは、立地が良ければアパートなどに建替えるという活用もあります。新築のため、土地に適した設計が可能で、収益性も高くなります。反面、建築費は高額になり、借入れをして建築しても入居者が入らない、家賃が下がるなどのリスクもあるため、慎重な調査や計画が必要です。

・解体して更地で貸す
空き家を取りこわし、更地にして利用する方法もあります。代表的なのは月極駐車場ですが、立地が良ければコインパーキングにすることもあります。

③売却する
誰も住まず活用もしないのであれば、売却して現金化することが考えられます。
住宅地の価格は長期的には下落傾向にあるため、長く持ち続けてから売却するよりも、早めに売却してしまったほうが高く売れる可能性もあります。

一定の条件を満たす空き家を売却する場合、相続日から3年を経過する日が属する年の年末まで(ただし2023年3月31日まで)に売却をすると、売却による利益(譲渡益)から最高3,000万円を差し引けるという特例があります。一定の条件とは、昭和56年5月31日までに建築されたもの、相続前に相続人以外の人が住んでいない、売却金額が1億円以下、建物付きで売却する場合は耐震性がある建物であることなどです。この特例が適用できる空き家の場合は、適用期間に間に合うように売却を検討しましょう。

④とりあえず空き家のまま保有する
活用や売却すると言っても、なかなかすぐに決められることではありません。しばらくは空き家のまま持ち続けている人も少なくありません。
ただ、空き家と言っても、何も手をかけないで放置しておくわけにもいきません。また人が住んでいない家でも固定資産税などの税金や維持費がかかります。適切な維持管理をしながら保有コストを下げる努力をすることも大切です。

最近は、空き家管理サービスを行う会社も増えてきました。利用料金は地域、会社、サービス内容によってさまざまですが、国土交通省のアンケート調査では、1,000円から10,000円で管理委託するケースが約7割を占めています。
空き家が遠方にある場合などはこのサービスの利用も検討してみましょう。すぐには手をつけられなくても、空き家の将来については早めに検討しておくことをおすすめします。

すでに活用されている不動産を相続した場合は、親の賃貸経営を引き継ぐことになります。
ところがこれらの不動産は、物件によって経営状況の差があります。
まだ新しくきれいなマンションの場合もあれば、建築後50年以上経ち入居者もほとんどいない、あるいは家賃が滞っているような貸家もあります。 

まずは、不動産の現状(築年数、入居率、修繕の必要性、管理状況、収支、滞納などのトラブル、借入金の状況など)を確認し、問題が見つかれば解決する必要があります。その場合は不動産会社や弁護士など専門家に相談しながら問題を解決していくことをおすすめします。
より大切なことは、相続前に親と一緒に問題の洗い出しと解決をし、早めに賃貸経営の引継ぎ体制を作っておくことです。

相続したときに、今後どのように対処すれば良いのか悩む人が多いのが、活用されていない遊休不動産です。
不動産には、毎年固定資産税、都市計画税などの税金がかかります。たとえば1年で20万円の固定資産税がかかる土地は、10年間では200万円にもなり、大きな負担となっていきます。

そこで、土地を有効活用し、少なくとも「土地のコストはその土地に稼がせる」という発想が生まれます。
その場合、どの土地に稼がせて、どの土地は自己利用する、という全体計画が必要になります。
相続した遊休不動産を 4-1. 自己利用するのか 4-2. 有効活用するのか 4-3. 売却するのか、ということについて考えてみましょう。

家庭菜園や子どもの遊び場などとして自分や家族が利用します。ただし、自己利用は収入を生まないので、固定資産税などの保有コストの負担は続きます。また多くの遊休不動産がある場合、自分で利用できる不動産の範囲にも限度があります。他の収入から支払うことができるなど、コストが負担にならなければ、そのまま保有し続けることもできますが、そうでなければ将来の活用や売却についても考えておくことも大切です。

不動産の立地を生かし上手に活用をすることにより、家賃などの収入から管理費や税金などの支出を差し引いた「キャッシュフロー」が期待できます。これを「不動産の有効活用」や「不動産運用」といいます。
有効活用には、「何を建てるか」という選択と、どのような計画で賃貸経営を行うかという「有効活用の手法」の選択が必要になります。

【何を建てるか】

土地の立地条件や物理的な状況などによって、活用の種類には様々なものがあります。
・一戸建貸家、アパート、マンションの住居系賃貸
・貸店舗、貸事務所の非住居系賃貸
・介護系施設(老人ホーム、グループホームなど)
・シルバー向け賃貸住宅(サービス付き高齢者向け住宅、シニア向けマンションなど)
・宿泊施設(民泊、簡易宿所、ホテルなど)
・小規模認可保育所
・シェアスペース、シェアオフィスなどのシェアリング系賃貸
・コインパーキング、機械式駐車場(建物ではありませんが、事業用貸付の用途として例示しました)

不動産活用は収入が期待できる反面、さまざまなリスクもあります。特に入居率や賃料の下落は賃貸経営に大きく影響します。そのためどのような建物が適しているかについては、市場のニーズを詳細に調査し、土地の条件、資金計画などとあわせて決めることが重要です。

【有効活用の手法】

①自己建設方式 
計画から建築の手配、運営まで全て土地所有者(有効活用を行う土地所有者を、ここでは「土地オーナー」と呼びます)が行います。全てを直接自分で行うため、成功した時の収益は大きいですが、そのための知識や時間が必要で、失敗した時のリスクもすべて自分で負うことになります。戦前から昭和40年代頃まではこの手法が一般的でしたが、現在ではほとんど行われていません。

②事業受託方式
現在の土地活用の多くは、この事業受託方式で行われています。建物は土地オーナーが建てますが、事業自体は「デベロッパー」と呼ばれる建築会社や不動産会社が一括して受託し、調査、計画から設計・建築、借入のあっせん、建物の運営管理まで総合的に行います。土地オーナーに賃貸経営のノウハウがなくても始められますが、デベロッパーに報酬を支払うため、その分収益は少なくなります。

③建設協力金方式
建設協力金方式とは、②の事業受託方式のうち、入居する店舗や事務所(テナントといいます)があらかじめ決まっている場合に、テナントが「建設協力金」という名目で貸付をしてくれる方式のことを言います。土地オーナーは建設協力金を使って建物を建築できるので、銀行などから利息がかかる融資を受けなくてすみ、キャッシュフローも増えます。代表的なテナントとして、コンビニエンスストアやファミリーレスストランなどがあり、長期の入居契約を結ぶので経営も安定します。建設協力金は、毎月の家賃から相殺されて返済され、差額がオーナーに支払われます。また万が一契約期間の途中でテナントが退去した場合には建設協力金の未返済分は返還する必要はありません。ただし、大通り沿いなどテナントが集客できる立地であることが必要です。

④土地信託方式
「信託」とは、自分の財産を信頼できる人に託して、管理や運用を代わりに行ってもらうことをいいます。
土地信託の場合、土地オーナーが土地を信託財産として信託銀行に託し、信託銀行は資金を調達してマンションや商業ビル、オフィスビルなどの投資用建物を建築します。そして信託銀行は、入居者やテナントから受け取る賃料から信託報酬を得たうえで、土地オーナーまたは土地オーナーが指定する人(土地オーナーの子など)に配当を支払います。
土地信託方式においては、土地を託す土地オーナーを「委託者」、引き受ける信託銀行を「受託者」、配当を受け取る人を「受益者」といいます。
土地信託方式を行うことができる不動産には、家賃が高いエリアや広さなどの立地条件が求められます。

土地信託の場合、土地所有者が土地を信託財産として信託銀行に託し、信託銀行は資金を調達してマンションや商業ビル、オフィスビルなどの投資用建物を建築します。そして信託銀行は、入居者やテナントから受け取る賃料から信託報酬を得たうえで、土地オーナーまたは土地オーナーが指定する人に配当を支払います

⑤等価交換方式
等価交換とは、土地オーナーが土地を出資し、デベロッパーの資金でマンションなどの建物を建築する場合に、土地と建物の金額の割合に応じて両者が土地建物を共有するという手法です。なお、共有する土地や建物の所有権の割合を「持ち分」といいます。
この方式も土地オーナーは土地を提供すれば資金を出すことはなく、手に入れたマンションの持ち分を売却し換金したり賃貸したりしてキャッシュフローを得ることができます。
等価交換方式では、デベロッパーは取得した建物の持ち分を分譲して利益を得るため、分譲マンションの人気があるエリアなど、立地の良い土地が条件になります。
なお、建物の一部は土地オーナーが取得しますが、土地の一部はデベロッパーの所有になってしまうため、土地を持ち続けたいという人には向きません。

等価交換とは、土地オーナーが土地を出資し、デベロッパーの資金でマンションなどの建物を建築する場合に、土地と建物の金額の割合に応じて両者が土地建物を共有するという手法です

⑥定期借地権方式
借地権とは、建物を所有するために土地を借りる権利のことです。
借地契約では、土地オーナー(地主)が土地を貸し、借りた人(借地人)が建物を建てます。地主は借地人から賃料(地代といいます)を受け取ります。

「定期借地権」とは、ひとことで言うと「期間が定められている(=定期)」借地権のことを言います。
旧借地法では借地人がたいへん強い権利を持っていて、契約期間が満了になっても、法律に基づき契約が自動的に更新されるという「法定更新」が行われていました。そのため「土地は一度貸したら二度と帰ってこない」と言われ、土地を貸す地主はほとんどいなくなりました。しかし1992年に定期借地権が施行されてからは、契約期間が満了すると契約は更新されず、土地は必ず地主に戻ってくることになったため、その後この定期借地権は徐々に広がっています。

定期借地権には、期間50年以上の「一般定期借地権」、期間10年以上50年未満の「事業用定期借地権」、期間30年以上の「建物譲渡特約付借地権」の3種類があり、それぞれ建物の用途、契約方法、期間満了時の措置などが異なります。定期借地権方式では、地主が資金を出す必要はほとんどありませんが、地代の水準は高くないため、収益は小さくなります。また、必ず戻ってくるとは言え、かなり長い期間貸さなければならないため、その間に土地を使ったり売却したりする予定がある場合、この方式は適していません。

以上のような有効活用の手法と用途の組み合わせから、相続した不動産に最も適した有効活用の方法を選択することが大切です。

使わない不動産や空き家をそのまま持ち続ける理由の一つに、いずれ価格が上がったら売却しようということがあります。しかし人口減少が進むわが国の多くの住宅地では、不動産を所有していても今後値上がりを望むことは難しく、かえってさらに値下がりしていく可能性のほうが高いと言えます。また長期間保有するほど保有コストもかさんでいきます。
そのため、相続した土地を将来に渡り利用も活用もしないことがはっきりしているのであれば、早めに売却をすることも視野にいれておきましょう。

ここまでお伝えした通り、相続する不動産には様々な種類があり、また取得した不動産との向き合い方も様々です。
何が自分や家族にとって最適な選択なのか、事前によく検討することが大切です。そのためには信頼できる税理士、弁護士、不動産会社、ファイナンシャル・プランナーなどの専門家に相談しながら、資産を守りながらさらなる資産形成をしていくことをおすすめします。

(記事は2019年9月1日時点の情報に基づいています)

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