目次

  1. 1. 相続財産調査とその必要性
  2. 2. 相続財産調査の具体的な方法
    1. 2-1. 現金
    2. 2-2. 預貯金
    3. 2-3. 貸金庫
    4. 2-4. 株式、投資信託
    5. 2-5. 不動産
    6. 2-6. 車
    7. 2-7. 動産
    8. 2-8. 保険金
    9. 2-9. 負債
  3. 3. 調査の際に必要となるもの
  4. 4. 調査の結果は「財産目録」にしよう

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遺産を相続することが決まったら、亡くなった人の「相続財産調査」をしましょう。どんな相続財産があるのかがわからないと、相続人を全員を集めて行う遺産の分割協議を始められません。負債が多い場合には、相続放棄などを考える必要があります。相続財産の調査方法について、専門家が解説します。

相続財産調査は、どんな遺産があるかを調べることです。不動産や現金、預貯金、車や動産などの資産はもちろんのこと、借入金や未払いの家賃、税金などの負債も調査しなければなりません。負債を受け継ぎたくない場合には、被相続人が亡くなって相続することを知ってから3カ月以内に相続放棄か限定承認をする必要があります。3カ月経過すると、負債を相続せざるを得なくなる可能性があります。

自宅などに保管されている現金を確認します。タンスや棚、金庫や床下、倉庫や机などを探しましょう。貸金庫内に保管されている可能性もあります。

預貯金は各金融機関へ問合せして「残高証明書」や「取引明細書」を発行してもらいます。最近ではネット銀行を利用している方も多いので、パソコンやスマホの履歴やアプリなどもチェックします。

被相続人が金融機関で貸金庫を利用しているケースもあります。貸金庫の内容を確認する際には相続人が全員立ち会わないとトラブルの元になるので、他の相続人にも声をかけて内容を確認しましょう。

株式や投資信託については、取引していた証券会社に問い合わせて明細を出してもらいます。ネット証券を利用している可能性もあるので、預貯金と同じくパソコンやスマホもチェックしましょう。

不動産は法務局で全部事項証明書を取得して、不動産会社に査定を依頼しましょう。詳細がわからない場合、市区町村役場で「固定資産課税台帳」を閲覧して確かめます。台帳には、被相続人がその市区町村に持つ不動産がすべて書いてあります。別の市町村に不動産があるときにはその市町村役場であらためて申請します。

車は車検証を確認した上で、どのくらいの価値があるのか査定してもらいます。

自宅内にある絵画や骨董品、宝石類や時計などの動産も調べます。

被相続人が加入している保険があれば、保険証書を確認し、詳細については契約先の保険会社に問い合わせて確認しましょう。

負債は債権者から届いている督促状や保管しているローン契約書などを確認します。
また信用情報機関に問合せをすると、サラ金やクレジットの利用履歴がわかります。

相続財産調査をするときには、調べる人が「相続人である証明」が必要です。金融機関や役所で資料を申請するときには、次のようなものが必要です。

  • 身分証明書(運転免許証や保険証等)
  • 被相続人の死亡を確認できる戸籍謄本や除籍謄本
  • 戸籍謄本など被相続人との関係を示す資料
  • 印鑑(認印または実印)など

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相続財産調査が終わったら、「財産目録」を作ることをお勧めします。財産目録とは、財産の明細を明らかにする表です。まずは資産の部と負債の部に分け、資産については現金・預貯金、不動産、車、株式、投資信託など項目ごとに明細を書いて評価額を記載します。そして資産の小計を出します。負債の部には借入金や未払い家賃などの負債の明細と残債額を書き、小計を出して記載します。資産小計と負債小計を差引きして、遺産全体の評価額をはっきりさせます。
財産目録があると遺産内容が明確になるので遺産分割協議をスムーズに進めやすくなりますし、相続税の計算の際にも便利です。

遺産を相続することになってから、亡くなった人の財産を調べるのはとても手間がかかります。生前から家族で財産目録を作り、万が一の場合、パソコンやスマホのパスワードをほかの家族がわかるようにしておく準備も大切です。自分たちで相続財産調査をするのが難しい場合には、弁護士や司法書士などの専門家に依頼することも可能です。財産目録の作成のほか、遺産分割協議のサポートや遺産分割協議書の作成についても相談できます。

(記事は2019年9月1日時点の情報に基づいています)

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