税理士の無料相談窓口4選! 面談から電話、24時間対応まで紹介
税務に関する疑問を解決したい場合は、税理士事務所や税理士法人、市区町村役場、税理士会、日本税務研究センターの税務相談室などで税理士への無料相談ができます。各窓口に無料相談するメリットやデメリット、向いている人、手順、対応してもらえる内容、さらには無料相談ができる税理士の探し方や疑問点について、税理士が解説します。
税務に関する疑問を解決したい場合は、税理士事務所や税理士法人、市区町村役場、税理士会、日本税務研究センターの税務相談室などで税理士への無料相談ができます。各窓口に無料相談するメリットやデメリット、向いている人、手順、対応してもらえる内容、さらには無料相談ができる税理士の探し方や疑問点について、税理士が解説します。
目次
「相続会議」の税理士検索サービスで
税理士に無料相談ができる窓口としては、以下の4カ所があります。
相談先 | 相談方法 | 対応日時 | 無料相談回数 | 向いている人 |
---|---|---|---|---|
税理士事務所 税理士法人 |
電話 面談 オンライン |
各事務所の 営業時間による |
基本的に 1回 |
・相談後の依頼を 検討している人 ・具体的な事案を 相談したい人 |
市区町村役場 | 面談 | 平日のみ 各役場の 相談時間による |
各役場の 規定による |
誰に相談すべきか わからない人 |
税理士会 | 面談 (電話・ オンライン) |
税理士会の 相談日時による |
税理士会の 規定による |
一般的な税務相談に とどまる人 |
税務相談室 (公益財団法人 日本税務研究センター) |
電話 03-3492-6016 |
10時~14時45分 ※休憩時間除く |
規定なし | ちょっとした 疑問点にとどまる人 |
お勧めは、無料相談を行っている税理士事務所や税理士法人です。
医者に「外科」や「内科」といった専門分野があるように、税理士にも「相続税」や「法人税」といった専門分野があり、専門外の分野に関する知識がやや不十分な税理士や、申告実績があまり多くない税理士もいます。たとえば、相続専門の税理士に法人税務について質問すると、適切な回答が得られないどころか、誤った方向に進んでしまうリスクもあります。
【メリットとデメリット】
税理士事務所や税理士法人に無料相談をするメリットは、税務申告や特例を利用した節税に精通した税理士に相談できる点です。場合によっては、役場などに相談するよりも有益なアドバイスがもらえるでしょう。
デメリットは、基本的に無料相談は初回のみで2回目以降は有料になる可能性がある点です。また、無料相談を実施していない税理士事務所もあります。
【税理士事務所や税理士法人への無料相談が向いている人】
税理士事務所や税理士法人への無料相談が向いている人は、個別の具体的な事情について的確なアドバイスがほしい人や、相続する資産の全容が把握できていない人、税金の節税について具体的な解決法がほしい人などです。
【相談までの流れ】
事前に税理士事務所の公式ホームページに載っているメールアドレスや電話で問い合わせをし、相談の予約をしてから直接、税理士事務所や税理士法人を訪問します。
市区町村役場の税務相談では、法人税や所得税、相続税、贈与税など幅広い税目について、税理士が面談形式で相談を受けてくれます。ただし、相談回数に制限がある場合もあります。
【メリットとデメリット】
メリットは、税金に関して気軽に税理士に相談できる点です。また、正式な依頼の勧誘や営業もありません。
デメリットは、個別の事情に応じた具体的なアドバイスは期待できないことです。また、回数制限があるため継続的な長期の相談が難しい点です。回数制限は市区町村役場によって異なりますので、各市区町村の公式ホームページや広報誌などで事前に確認しましょう。
【市区町村役場での無料相談が向いている人】
気軽に簡単な税金相談をしたい人には、近くの役所での税務相談が向いています。相続関係の事前対策など、長期の継続的な税務相談になる場合は、他の選択肢を検討したほうがよいかもしれません。
【相談までの流れ】
市区町村役場の総務部や相談課といった窓口に直接電話し、予約する必要があります。無料相談できる回数や時間に制限があるため、事前に相談内容の要約を準備しておくとスムーズな相談が可能です。また、必要書類がある場合は確認のうえ持参しましょう。
税理士会とは、税理士法により設立された税理士による組織で、全国に15カ所あります。無料電話相談を行っているほか、無料相談会を実施しているところもあります。ただし、相談方法や相談時間などの利用条件は税理士会ごとに異なるため、事前に確認しましょう。
【メリットとデメリット】
メリットは、開設時間内であればいつでも相談可能な点です。相談した税理士と相性がよければ、そのまま顧問契約を結んでも構いません。
デメリットは、すでに税理士または公認会計士に相談している人は、利用することができない点です。また、税理士会によっては、複数回の相談ができない場合や、1回目から次回の相談まで期間を空けなければならない場合もあります。たとえば、東京税理士会納税者支援センターでは回数制限はないものの、1回目の相談から2カ月程度の期間を開ける必要があります。
【税理士会への無料相談が向いている人】
複雑な税額計算や申告書チェックなどを除く一般的な範囲での相談を希望し、今まで税理士に依頼したことがない人に向いています。
【相談までの流れ】
各税理士会の公式ホームページに相談窓口の設置場所や日時、無料相談の申込み方法が掲載されているので、確認して申込みをしてください。
たとえば、東京税理士会納税者支援センターは以下のように相談を受け付けています。
相談方法 | 対応日時 | 無料相談回数 |
---|---|---|
電話 面接 オンライン |
平日 10時~12時 13時~16時 |
複数回相談可能 2回目の相談は2カ月程度経過後 |
公益財団法人日本税務研究センターは日本税理士会連合会と連携して電話(03-3492-6016)による無料の税務相談室を開設しており、全国どこからでも税理士に相談できます。
【メリットとデメリット】
メリットは、受付時間内で法人税、所得税、消費税、相続税や贈与税および譲渡所得などの資産税といった幅広い税目について気軽に質問できる点です。
デメリットは、具体的な個別事案についての相談は受け付けていないことです。また、電話のみの相談で対面の面談はなく、受付時間が平日の10時から11時45分および13時から14時45分までと短いです。
【税務相談室(電話)が向いている人】
一般的な税務に関する疑問について気軽に相談したい人に向いています。
【相談までの流れ】
直接電話をかけて税理士に相談します。
上記の無料相談窓口は、基本的には開設時間が平日の日中に限られています。仕事の都合などでこれらの時間に無料相談ができない場合に相談できる窓口はあるのでしょうか。
税理士事務所や税理士法人を含む多くの税務相談窓口は、基本的には平日の日中のみの対応となるため、24時間いつでも相談できる窓口はほぼありません。ただし、相続税関係をメインに扱っている税理士事務所や税理士法人の場合、顧客が会社員であることも多いため、予約をすれば時間外の相談に対応してくれる場合もあります。事前に確認をしてみましょう。
夜間や早朝、土日祝日に、税理士事務所や「相続会議」のようなポータルサイトのメールフォームで相談内容を送信する方法もあります。メールを送っておくと、原則的には次の営業開始時に税理士が確認するため、早く回答を得られる可能性があります。
また、質問事項を文章にすれば内容を整理しながら伝えられますし、より具体的な内容を伝えれば税理士も内容を把握して明確な提案をしやすくなります。メールで問い合わせる場合は現在の状況を詳細に伝えるようにしましょう。
全国47都道府県対応
メールで問い合わせできる税理士を探す税理士への相談ではありませんが、国税庁のチャットボット「ふたば」では、個人の国税に関し、メンテナンス時間を除いて24時間相談できます。
質問内容をメニューから選択するか文字で入力すると、「税務職員AI」が自動で回答してくれます。定額減税やインボイス制度についても質問と回答が整理されています。個別の具体的な内容には答えられませんが、税金の基本的な仕組みや手続きに必要な書類を知りたい場合は有効です。
税理士への無料相談はさまざまな税目について柔軟に対応していますが、以下の内容について詳しく解説していきます。
【確定申告や所得税に関する内容】
確定申告は、個人事業主やフリーランス、自営業者などが、1年間の収入について翌年の3月15日までに税務署へ申告する税務手続きです。帳簿の作成経験のない事業者が、帳簿作成から専門的知識を伴う確定申告までを完成させるのはハードルが高い作業です。
無料相談では、領収書などの整理から確定申告の基本的な流れ、計算方法まで教えてもらえます。税務署で税理士が講師の無料セミナーが開催された際には利用してみてください。特に開業1年目の事業者は、税理士に依頼することをお勧めします。
【節税に関する内容】
所得税や相続税などを「節税をしたい」という相談も、無料相談では多く寄せられます。インターネットが普及している現在、たくさんの節税方法が見つかる一方で、正しい情報かどうかの判断が難しくなっています。また、特定の方法を選択すると別の特例の対象外になる可能性もあります。
税理士に相談をすると、その節税方法の要件や効果、また別の方法の有無を検討してくれますし、その方法のデメリットがあれば、勧めない理由も教えてくれるでしょう。ただし、こうした相談は一般的な知識を超えた内容ですので、無料相談ではなく有料相談の検討も必要です。
【補助金や給付金に関する内容】
税理士への無料相談では、給付金や助成金、補助金の申請方法を知りたいという内容もよく聞かれます。税理士は多くの経営者と接点があるため、税務の専門家でありながら経営に関する助言もできます。
無料相談では、現状の経営状況から考えらえる補助金や融資の判断に関するアドバイスが受けられると思います。ただし、経営サポート関係を無料相談として受けていない税理士事務所や税理士法人もありますので、事前の確認が必要です。
税理士に無料相談をするメリットとしては、以下の3点が考えられます。
必要な手続きや流れ、必要書類などを教えてもらえるため、これから何をすべきかが明確になります。インターネットでも税金の情報を調べられますが、税務は複雑で専門的な用語も多く、実際に自分で対応する場合はかなりの時間と労力がかかります。税理士に相談すれば知りたい情報を的確に教えてもらえるため、相談してから今後の動き方を考えてもよいでしょう。
自治体や税務署の相談窓口は一般的な相談のみの対応なので、節税について積極的に教えてくれるわけではありません。税理士は納税者に寄り添う立場なので、個人的な事情に応じた節税方法を教えてくれる傾向にあります。
年齢や性別、性格、得意分野、今までの実績や経験値は税理士によって異なります。そのため、税理士事務所や税理士法人の無料相談でその税理士の人柄や対応の誠実さを確認し、この税理士に相談や依頼をしてもよいかを見極めてから依頼するのがお勧めです。
実際に依頼した場合はその税理士と何度もやりとりをするため、任せたいと思える人柄やレスポンスの早さは大事なポイントとなります。
無料相談で複数の税理士と面談するのは労力を使いますが、確定申告や相続関係では、よほどのことがない限り税理士を変更することはありません。無料相談を活用し、長く付き合える税理士を探しましょう。
税理士の無料相談を有効活用するには、以下のポイントに留意してください。
一般的な手続きや知識に関する相談であれば、市区町村役場の税理士相談や日本税務研究センターの電話相談でも十分と言えます。ただし、個別の具体的な計算や節税のアドバイスを受けたいときは、税理士事務所や税理士法人に相談するほうが確実です。
また、実際の依頼を検討している場合は、はじめから税理士事務所や税理士法人の無料相談を活用したほうがよいでしょう。事務所に無料相談する際には、自分の相談したい分野がその税理士の対応業務と一致しているかを確認することが大切です。
聞きたいことや最終的な希望をあらかじめ決めておけば「何を聞けばよいかわからない」といった事態を防げるため、メモに整理しておきましょう。また、相続の相談であれば固定資産税課税通知書や預貯金の残高証明書、死亡保険金の支払明細書など、遺産の内容がわかるような資料をできるだけ持参すると、税額計算や二次相続対策でより的確なアドバイスが受けられます。
無料相談では30分から40分程度の時間制限を設けている税理士事務所が多いため、具体的な回答やアドバイスがもらえない可能性があります。その場合は、有料での相談や依頼も検討しましょう。税理士事務所や税理士法人に無料相談をしておけば、そのまま有料相談にも進めますし、相続が発生した場合は申告の依頼に進められるのでスムーズです。
無料相談ができる税理士を探すには、主に以下のような方法があります。
実際に税理士への無料相談を経験している知人に紹介してもらう方法があります。自分で探す手間が省けるだけでなく、信用度の高い税理士に相談できる可能性が高くなります。
Googleなどの検索エンジンで居住地の地名とともに「相続税 無料相談 税理士」などのワードを入れて検索すると、近隣で相続業務を取り扱っている無料相談可能な税理士事務所や税理士法人を見つけられます。オンラインの地図サービスを利用して居住地近辺や最寄り駅周辺の税理士事務所や税理士法人を探す方法もあります。
そのような方法で探し出した税理士事務所や税理士法人の公式ホームページから電話やメールなどで相談予約ができます。複数の相談先がヒットする場合は、実績や依頼費用なども判断基準にするとよいでしょう。
「相続会議」などのポータルサイトには、無料相談を行っている税理士事務所や税理士法人が多数掲載されています。エリアや相談内容ごとに自分に合った相談先を探せるので非常に便利です。
全国47都道府県対応
無料相談ができる税理士を探す税理士に依頼する適切なタイミングについて、ケースごとに考えてみましょう。
【個人の確定申告の場合】
確定申告を税理士に依頼するケースとしては、事業を開業したタイミングが多いでしょう。最初の届出などを済ませたあと、売上や必要経費の集計を確実に行っていれば、翌年以降は確定申告時期に税理士に依頼するだけで済むケースが多いはずです。
【法人の場合】
事業開始時から法人のケースは個人の確定申告の場合と同様です。個人事業主が法人化するケースでは、役員報酬の金額、出資者の選定やその出資金額、今後の経営など論点が多いため、初年度から税理士に依頼するのがお勧めです。
【相続の場合】
相続の場合は事前の相談がお勧めです。相続発生前に現状の相続税の試算をしておくと、いざというときに慌てずに済みます。相続税の節税につながる各種の特例の活用についても専門的な知識が求められますので、税理士にアドバイスを求めたほうがよいでしょう。
また、いくら相続税に備えたとしても、遺産分割をめぐって相続人同士が争う「争族」になってしまうと、円滑な資産承継までたどり着けません。相続発生前に相続税に強い税理士に相談して納税と遺産分割の重要なポイントを解決しつつ、遺言を作成して対策をとっておくと、円満な相続が実現できるでしょう。
無料相談後、絶対に依頼しなければならない決まりはありません。条件の許す限り無料相談を活用し、自分に合う税理士を探してみてください。
電話で無料相談に対応している事務所もありますが、内容は税理士事務所や税理士法人によって異なるため、最初に確認する必要があります。また、税理士が資料を確認できないため、具体的な相談ができない可能性が高い点に留意しましょう。より具体的なアドバイスがほしい、電話相談だけでは解決できないという場合は、電話相談後に面談の予約をすることもできます。
初回相談無料の税理士事務所でも、2回目以降は30分で5500円前後、1時間で1万1000円前後の相談料がかかるのが一般的です。
国税庁では所得税、相続税、法人税などの国税に関する一般的な相談について「電話相談センター」で無料で応じているほか、「チャットボット」や「タックスアンサー」での相談も可能です。
また、税務署では電話相談、チャットボット、直接訪問での相談など、さまざまな方法での税務相談が可能です。手続きに関する一般的な相談は電話やチャットボットで十分ですが、必要書類の確認などについては訪問相談がお勧めです。何度でも無料で相談できるものの、対応しているのは税理士ではなく税務署職員であり、正当性が保証されるものでもありません。相手の言うとおりに計算や手続きをして申告をしたあとにミスが発覚しても、責任はとってもらえません。
税務に関する疑問を解決したい際、無料相談ができる窓口としては税理士事務所や税理士法人、市区町村役場、税理士会、日本税務研究センターの税務相談室などがあります。いずれも税理士に無料で相談できますが、対応している時間帯や内容が限られていたり、継続的な相談ができなかったりと、さまざまな制限があります。
とはいえ、税務に関する幅広い内容の話を聞くことができますし、相談することで今後の見通しを立て、自分と相性のよい税理士を見つけて正式な依頼につなげることもできるでしょう。
税理士によって専門性や実績、無料相談の有無はさまざまです。いきなり税理士事務所を訪問しての相談はハードルが高いと感じる人もいますが、税金のことはもちろん、その他のことも含めて親身になってくれるのが税理士です。長く付き合える税理士を見つけるためにも、ぜひお近くの税理士事務所や税理士法人を探し、まずは電話やメールなどで無料相談ができるかどうかを問い合わせてみてください。
知人からの紹介や検索エンジンを使って探す方法などもありますが、相続に強い税理士は「相続会議」で探すのがお勧めです。
(記事は2024年11月1日時点の情報に基づいています)
「相続会議」の税理士検索サービスで