目次

  1. 1. 相続税は節税対策が効く税金 ぜひ対策も
  2. 2. 相続税がかかる主な財産の把握
  3. 3. 相続税の計算上マイナスにできる財産
  4. 4. 相続人と財産額で相続税の目安を知る

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相続税が気になるという方の相談先としては、各地で行われている税理士による無料の相談会などがあります。でも、いきなり税理士に相談に行くのは、ちょっと気が引けるという方もいらっしゃるでしょう。かといって、わからないまま放っておくのはあまりよろしくありません。

はっきり申し上げますが、相続税は節税対策すればしっかり効果の出る税金です。対策をするとしないとでは、税金の額に大きな違いが出る可能性は大なのです。「相続税がかかるかもしれない」と少しでも不安に思うのであれば、実際に確認していただき、かかるのであれば、ぜひとも節税対策をしてほしい、そう思うのです。

とはいっても「相続税がかかりそうな気もするから、とりあえず節税対策をやっとくか」というようなやみくもなやり方はちょっといただけません。どのくらいの相続税がかかりそうなのか。対策をすることで、いくらの節税になるのか。対策の費用対効果は? といったことを知らないままでは、せっかくの対策がかえって高くついてしまった、なんてこともあるのです。

と、説教っぽくなってきましたが、まずは、相続税がかかるのか。かかるとしたら、どの程度になるのかはぜひ試算しておきましょう。

話は戻りますが、いきなり税理士に相談するのは気が引けるという場合、まずは自力で計算してみるという手があります。

といっても、相続税の計算は実にややこしい。財産をいくらと評価するのかについては、一つひとつ細かく法律で規定されています。なので、自力でカンペキな税額をはじき出すのはムリというもの。そこで、まずはざっくりとした額を計算していただければと思います。その方法をお教えしましょう。

最初に、財産の把握から始めます。相続税は基本的に金銭換算できるすべての財産が対象となります。「え? こんなものまで?」というようなものも相続財産になったりするのです。だからといって、「すべての財産を洗い出してください」などと申し上げると、「面倒くさいからやっぱりいいや」なんてことになりかねないので、ここでは、ごくごく簡単な方法で計算していきましょう。

相続税がかかる主な財産には以下のようなものがあります。

  • 不動産(土地・家屋)
  • 現預貯金
  • 上場株式、投資信託
  • 生命保険金(みなし相続財産)
  • 退職金(〃)
  • ゴルフ会員権など

財産の総額を把握するために、まずはそれぞれの財産の価格を書き出します。
預金や株・投資信託などは、通帳の残高や証券会社から送られてくる時価のお知らせなどで確認できます。生命保険金は民法上相続財産ではありませんが、税務のうえでは、相続税がかかります。生命保険は、死亡保険金を確認します。ただし、相続人が受け取る生命保険金には非課税枠があります(法定相続人の数×500万円)法定相続人が3人いれば、1500万円までは相続税がかかりません。また、死亡退職金も相続税の対象となります。
退職金にも生命保険金同様の非課税枠があります。
ゴルフ会員権やリゾート会員権は、インターネットで売買価格を把握することができます。

問題は、不動産です。
建物(家屋)は、毎年送られてくる固定資産税の納税通知書に記載されている「評価額」がそのまま相続税の評価額となります。
土地は、「路線価方式」という方法で計算されることが多いです。路線価方式とは全国各地のほとんどの道路に「路線価」という価額が付けられていて、それをもとに土地の評価をすることをいいます。路線価は、国税庁のホームページに掲載されています。

路線価は、平米あたり千円単位の値段です。自分の土地に接道している道路の「路線価」さえわかれば、土地の評価額を把握できます(実際は、土地の形状など様々な要素を加味して評価することになります)。「路線価を調べるのはちょっと面倒」という方は、よりざっくりと「固定資産税の評価額から見当をつける」という方法もあります。

路線価は公示価格(毎年発表される土地の時価)の8割程度、固定資産税評価額は7割程度と言われていますので、固定資産税から路線価評価額を推定するのです。具体的には、固定資産税を0.875で割ってみます。精度はあまり高くありませんが、当たらずといえども遠からずという額は確認できるのではないかと思います。

ちなみに、借地も相続税の対象になります。地価の高い場所で土地を借りているような人は、思わぬ大きな額になることがありますのでご注意ください。

相続税を計算するうえで、自分の財産から差し引けるものもあります。

  • 借入金、ローンなど

亡くなった時点での借入金やローンの残高などは、相続税の計算上控除できます。実際の申告では、葬儀費用なども控除できますが、試算の段階ではそこまで加味しなくてもいいかと思います。住宅ローンの場合、団体信用生命保険という保障を付けている場合があります。その場合は、亡くなると同時にローンも消滅します。そういったローンは、相続時点では借入金がないのと同じことになるので、試算の対象にする必要はありません。

このように、相続税がかかる財産と控除できる財産を計算し、両者の差額が相続税の基礎控除額を超えているようでしたら、相続税がかかることになります。

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では、いくらの相続税になるのか? この計算こそ面倒くさいというか、しっかり計算するのはむずかしい。そこで、相続税の早見表を作ってみました。

相続税の早見表

相続税の額は、財産の額と法定相続人が何人いるかで決まります。また、法定相続人の構成が、配偶者(妻や夫)がいる場合、その他の相続人が第一順位の「子」なのか第二順位の「親」なのか第三順位の「兄弟姉妹」なのか、また実際配偶者がどのくらい相続するかによっても変わってきます。

すべてに対応する簡易表の作成はむずかしいので、ここでは第一順位の「子」が相続人のケースのみ作成しました。配偶者に関しては、いる場合といない場合の パターンとしています。
ざっくりと計算した結果、「相続税がかかりそう」という場合は、手前みそな話で恐縮ですが、ぜひ私たち税理士を使ってシッカリと計算していただきたいと思います。

確認の結果「課税ラインギリギリセーフだった ! 」という方もいらっしゃるかもしれませんが、安心するのはまだ早いです。ここでは紹介しきれなかった財産の項目もあります。心配な方は、ぜひ税理士にご相談ください。

(記事は2020年9月1日現在の情報に基づきます)

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