目次

  1. 1. 4つの観点に整理
  2. 2. 相続税の納税資金を準備する
  3. 3. 保有財産の評価方法を知る
  4. 4. 相続税を考慮した遺言の必要性
  5. 5. 生前贈与を早く始め、長く続ける

「相続会議」の税理士検索サービス

まず現状分析を行いましょう。

相続税がどの程度かかるかは分からないけれど、漠然と心配されている方が多くいます。

そのような場合、税理士に相談して相続税の試算をしましょう。
現在の財産合計額と、仮に現時点で相続が発生してしまった場合に相続税がどの程度かかるのかを把握しましょう。試算により、相続税が想像していたより多くかかることもあれば、少なく済みそうとわかり安心される方もいらっしゃいます。

この相続税の試算を行うことにより、今後、検討すべき相続対策の方向性が見えてきます。将来の相続に備えた準備は4つの観点に整理して検討することが重要です。

相続税の納税は、相続、つまりご家族がお亡くなりになってから10か月以内に行う必要があります。ご家族が亡くなって葬儀や様々な手続きでバタバタしていると、あっという間に半年が経過してしまったという方も多くいらっしゃいます。

亡くなった方の財産内容が預金など金融資産だけであれば、相続人が相続税の納税で困ることはありません。「遺産の大半は預貯金なのに、相続税の納税資金が準備できないことも…。税理士が解説」の記事でも詳しくお伝えするとおり、財産額に占める不動産や、会社経営者で自社株の割合が高い方は、相続する預金だけでは相続税の納税資金を賄えないことがありますので特に留意が必要です。

また、相続税はまとめて納税するのでなく、相続人ごと別々に納税する必要がありますので、「相続税の合計額<相続財産中の預金額」であったとしても、相続人ごと別々に納税資金を確認したら、例えば不動産を中心に相続する長男は相続する預金だけでは相続税を支払えない、ということもありえますので、相続税の納税資金は相続人ごと個別に確認しておく必要があります。

納税財源が不足する見込みの場合の事前の対策としましては、地主さんなどの不動産所有者であれば、不動産の処分の優先順位を決めて、優先順位の高い不動産は将来、売却や物納がしやすいように整備しておくことや、自社株評価の高い会社経営者であれば、会社から如何に納税資金を調達するかがポイントとなりますので、事前に方策を検討し、いつでも実行できるように準備しておくことが必要です。また、シンプルな方法ですが、生命保険を活用し、相続が発生した際に家族が受け取る保険金で相続税を支払えるようにしておく方法も確実に納税財源を確保しておくという観点で有効です。

税理士には専門分野があります。相続税に強い税理士を選ぶことが重要です。

相続税法上の財産の評価方法は、財産の種類ごとに定められています。
例えば、土地は路線価地域の場合は路線価をベースに形状や利用を考慮して評価をします。建物は固定資産税評価額を基に自用か賃貸かによって評価が異なります。上場株式は、相続発生日の終値、月平均、前月平均、前々月平均の4つの株価のうち、最も低い株価に株数をかけて評価をします。このように財産の種類によって評価方法は異なりますので、同じ換金価値(時価)であっても財産の種類が異なれば、税務上の評価額は異なることになります。

また、相続税には様々な特例が用意されていますので、特例を有効に活用することも重要です。
例えば、土地について小規模宅地等の評価減という特例がありますが、自宅の敷地の評価について、要件を満たせば330㎡まで8割引きとなりますので、将来誰が自宅を相続すれば要件を満たすかについて確認をしておくことは重要です。 

税理士への相続相談お考え方へ

  • 初回
    無料相談
  • 相続が
    得意な税理士
  • エリアで
    探せる

全国47都道府県対応

相続の相談が出来る税理士を探す

相続の課題は、もちろん相続税だけではありません。相続が発生した際に、家族が財産争いにならないように準備しておきたいという方も多いのではないでしょうか。
財産争いを避けるための有効な方法の一つが遺言を遺しておくことです。正しい方法で遺留分など考慮して遺言を遺しておけば、家族が亡くなった方の財産で争う「争族」を避けることは可能です。相続人が複数いれば、遺言は是非遺しておくことをお勧めいたします。

「相続税の納税資金を準備する」で説明したとおり、相続税は相続人ごと個別に納税する必要がありますので、遺言内容を決める際には、各相続人の納税財源を考慮して内容を決める、すなわち遺言で受け取る財産の中で相続税を賄えるかを検討したうえで作成する必要があります。
また、財産内容は同じでも遺言内容により各人の相続税だけでなく、相続税の合計額も違いが出てくることがあります。

遺言内容で配偶者が何割程度の財産を取得するかにより配偶者の税額軽減額は異なりますし、「保有財産の評価方法を知る」で説明した自宅敷地が8割引きとなる小規模宅地等評価減は誰が自宅を取得するかにより適用の有無が異なりますので税額に大きな影響が出てきます。 そのため、相続税が見込まれる方については、遺言を作成する際に、相続税に詳しい税理士にも相談すると良いでしょう。

生前贈与は相続税の軽減効果もあり、有効な相続対策の一つです。
生前贈与を行うことによって、その方の財産額は減少しますので、将来の相続税は軽減することが見込まれます。ただ一方で、生前贈与を受け取った方は、受贈額が年間110万円を超えた場合には贈与税を納める必要があります。
年間110万円の贈与でも10年間続ければ1,100万円の相続財産の減少につながりますので、生前贈与は早く始め、長く続けることが効果的です。

一方、富裕層の方で相続税が多額に見込まれる場合でも、「贈与税は相続税より重い」と思い込んでいるため家族への毎年の贈与額は110万円以内に抑えている方が多くいます。
相続税の負担が重い方については、贈与額を「贈与税<相続税軽減額」となる範囲内で行うことにより、贈与税を支払っても110万円以内の贈与より効果が大きくなることもありますので、生前贈与を積極的に活用する場合には専門の税理士に相談をされるとよいでしょう。

また、相続税の税務調査では、亡くなった方の財産だけでなく、相続人などご家族名義の財産についても調査が行われます。
贈与を受けた社会人の子どもが贈与をなされていたことを聞かされておらず、子ども名義の通帳・印鑑を亡くなった親が管理していた場合などのように正しい方法で贈与がなされていないと、家族名義の財産であっても、相続財産とみなされて修正申告となるケースがあります。そのようなことにならないためにも、生前贈与は正しい方法で行う必要があります。

最後に、上記で説明しました将来の相続に備えた4つの観点について、相互に関連するものでもありますので、バランスよく進めることが大切です。
相続税のことがご心配な方は、専門の税理士に相談してみてはいかがでしょうか。

(記事は2019年9月1日時点の情報に基づいています)

「相続会議」の税理士検索サービス